内地は寒い。空が狭い。海がきれいじゃない。
空気が汚い。人が多い。車ばっか。
小笠原にいたのが信じられなかった。
夢だったんじゃないかなあ?
だってほんとにあっという間で、とても信じられないんだ。
今までいっしょにいた人たちはほんとに存在したの?
帰る日が近づいていって、諸江さんがよく言ってた。
歩いてたら、お茶してけよ、なんて言ってくれる人いないよ。
海もイルカもクジラもいないとこに行くんだな。
内地は寒いだろうな。
人でいっぱいの電車に乗るのか。
って。
なんていじわるなんだ!って思ってた。
そんなことわかってて、わかってるけどどうしようもなくて、
淋しくて哀しくなるようなことを、どうしてわざわざ言うんだって。
でも違うね、きっと。
諸江さんもさみしかったんだね。
ほんとに仲良くしてくれてた。大好きだった。
もう少し若くて、妻子持ちじゃなかったら、好きになってたかも。
すごくいい人だった。
最終日もウェザーまで上がる時間ないから、あぶちゃんと
原付で2人乗りしてくって言ったら、それは危ないから、
タクシーで送ってやるって、乗せてくれて、
お前が帰るのは、おもしろくないけど、泣きながらお別れなんて、
しめっぽくてやだろ?って。だから笑って送ってやるって。
なんだかすごくあったかかった。
いつもはお見送りなんて来ないのに、波止場に来て、
船が離れるまで、見送ってくれた。
だからうちも泣かなかった。
いつかあげるって言ってたもの、餞別だってくれた。
覚えてくれてたのかなあ。
ありがとう。
無事に着いたって電話したけど、出なくて、
後から電話かかってきて、その電話を見て、泣きたくなった。
今日はお休みで、船に乗って、青灯台の下で、
また飲んでるんだね。
小笠原は、夢じゃない。
うちがこれからがんばるために、出逢った人すべてに
感謝をこめて。ほんとに納得のいく論文を書けるように。
ハロー、ハロー。聞こえますか?
こちら内地のジャッキーです。
みんなにもらったチカラを胸に、きっといい論文を書きますから。
いつかまたそこへ行くから。
変わらずにその島にいてください。
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