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①┃『THE BEATLES Live at BBC』┃
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〇Disc one〇 1994 version
01.Beatle Greeting『THE PUBLIC EAR』63.10.9.収録 11.3.放送 メンバーの自己紹介。ジョンが「ギターをやっている、時々馬鹿もやっている」とオチをつけているのが笑える。
02.♪From Us To You♪『FROM US TO YOU』64.2.28.収録 63年12月から64年8月までの計4回放送された同名のビートルズの特番のテーマ曲。未発表曲とはいってもFrom Me To Youの歌詞を一部変えて歌っているだけのものである。
03.Riding On A Bus『TOP GEAR』64.11.17.収録 11.26.放送 インタビュー
04.♪I Got A Woman♪『POP GO THE BEATLES』63.7.16.収録 8.13.放送 オリジナル・アーティストはレイ・チャールズだが、ここではエルヴィス・プレスリーがデビュー・アルバムでカバーしたバージョンを参考にカバーしている。そのエルヴィスのバージョンにおける、エルヴィスのボーカルも素晴らしいものがあるが、それに負けず劣らずのジョンのボーカルに尽きる。 しかもエルヴィスの真似をするのではなく、自分のスタイルで歌うジョンには貫禄すら漂っている。
05.♪Too Much Monkey Of Business♪『POP GO THE BEATLES』63.9.3.収録 9.10.放送 ジョン得意のチャック・ベリーのカバー。ジョンのボーカルは素晴らしいけど、ジョージのギターがぎこちない。キンクスなど同時代の多くのバンドがカバーしているが、クラプトンの若々しい暴走ギターをフューチャーした、ヤードバーズのFIVE LIVE YARDBIRDSでのバージョンが有名。なお、この曲はBBCで計4回演奏されている。
06.♪Keep Your Hands Off My Baby♪『SATURDAY CLUB』63.1.22.収録 1.26.放送「ロコモーション」で有名なアイドル女性シンガー、リトル・エヴァのカバーで、意外なことにジョンが歌っている。「何でこんな曲を?」と思ってしまいそうだが、実は作者はLennon-McCartneyが多大な影響を受けたソング・ライター・コンビ、ジェリー・ゴフィン=キャロル・キングの作品である。 そんな理由から取り上げたのだろう。しかし、ジョンのボーカルとポール、ジョージのコーラスの絡みがブラック系のガール・コーラス・グループっぽい雰囲気を出しているので、意外とブラック寄りの仕上がり。出来は悪くないし、違和感もない。また、海賊盤では雑音がひどくて聴いてられないほどだったが、ここでは一応その不満は解消されている。
07.♪I'll Be On My Way♪『SIDE BY SIDE』63.4.4.収録 6.24.放送 ポールの作品で、ビリー・J・クレイマー&ザ・ダコタスに贈った曲のセルフ・カバー。クレイマーのバージョンはもっとアップ・テンポだったけど、ここではテンポを落として哀愁の漂うメロディを強調。ジョンとポールのハモリも素晴らしく、クレイマーのバージョンよりも数段素晴らしい、別の曲のような仕上がりである。 他人にあげたのはもったいない。
08.♪Young Blood♪『POP GO THE BEATLES』63.6.1収録 6.11.放送 黒人コーラス・グループ、コースターズのカバー。公式録音曲にはない、ジョージのはつらつとしたボーカルが魅力的。ジョンとポールの裏声を使ったユニークなコーラスも面白い。
09.♪A Shot Of Rhythm And Blues♪『POP GO THE BEATLES』63.9.3.収録 9.10.放送 ジョンお気に入りのR&Bシンガー、アーサー・アレキサンダーのカバー。BBCでは計3回演奏されている。
10.♪Sure To Fall [In Love With You]♪『POP GO THE BEATLES』63.6.1.収録 6.18.放送 カール・パーキンスのカバーで、ボーカルはポール。62年1月1日の「デッカ・オーディション」などでも演奏された、初期の重要なレパートリーであった。しかし、ポールがこうしたカントリー・タッチの曲を歌ったというのはちょっと異色。ただ、こうしたカントリー・タッチの曲になると ジョージはよいギターを弾く。なお、リンゴは81年のアルバムSTOP AND SMELL THE ROSEで、この曲をポールのプロデュースで歌っている。BBCでは計4回放送されている。
11.♪Some Other Guy♪『EASY BEAT』63.6.19.収録 6.23.放送 リッチー・バレットという無名のアーティストの曲だが、ビッグ・スリーがデビュー曲としてレコーディングするなど、リバプールのバンドの間では人気の高かった曲である。ビートルズ・ファンにはビートルズの最古の映像といわれる62年のキャバーンのフィルムでもお馴染みであろう。 しかし、ここで聴かれるドライブ感のある、ハードな演奏ぶりは素晴らしく、それらのテイクを大きく上回る出来。また、このアルバムの全テイクの中でも屈指の出来だと思う。ボーカル、演奏とも完璧でバンドとしての勢いや一体感を感じる。この曲はBBCでは計3回演奏されている。
12.♪Thank You Girl♪『EASY BEAT』63.6.19.収録 6.23.放送 シングルFrom Me To YouのB面曲。しかし、ジョンはシャウトしまくっているし、公式テイクよりも荒っぽい反面、ノリのよさを感じる。BBCでは計3回演奏された。
13.Sha la la la la!『POP GO THE BEATLES』63.6.1.収録 6.11.放送 曲紹介
14.♪Baby It's You♪『POP GO THE BEATLES』63.6.1.収録 6.11放送 アルバムPLEASE PLEASE MEに収録されていたシュレルズのカバー。チェレスタのダビングのない、シンプルなバンド編成の演奏といい、クールで抑え気味のジョンのボーカルといい、公式テイクよりも出来はよい。また、このアルバムからシングル・カットもされている。BBCでは計2回演奏された。
15.♪That's All Right [Mama]♪『POP GO THE BEATLES』63.7.2.収録 7.16.放送 エルヴィス・プレスリーのデビュー曲のカバーで、ボーカルはポール。エルヴィスの物真似をするような歌い回し、太い声のポールのボーカルと、ジョージのカントリー風のギターの絡みが素晴らしく、BBCセッションのベスト・テイクのひとつ。ポールは88年のソ連向けのR&Rカバー・アルバム CHOBA B CCCPでもこの曲を歌っている。
16.♪Carol♪『POP GO THE BEATLES』63.7.2.収録 7.16.放送 チャック・ベリーの代表曲のカバーで、ボーカルはジョン。ストーンズのカバーが有名だが、正直、ストーンズのテイクの方が出来はよい。ビートルズのテイクも悪くはないがジョージのギターが今一つ。ジョンのボーカルは、ここでは歌い飛ばすのではなく、チャック・ベリーを意識した気だるい歌い方をしている。
17.♪Soldier Of Love♪『POP GO THE BEATLES』63.7.2.収録 7.16.放送 アーサー・アレキサンダーのカバーで、ジョンの渋いボーカルが印象的。
18.A Little Rhyme『POP GO THE BEATLES』63.7.2.収録 7.16.放送 ジョンが番組に寄せられたハガキを読んでいるもの。
19.♪Clarabella♪『POP GO THE BEATLES』63.7.2.収録 7.16.放送 ジョディマーズというグループの、ほとんどヒットしてない曲のカバー。ポールのハイトーンのボーカルと、ジョンの吹くハーモニカが印象的で、やはりこのBBCセッションでもトップ・クラスの出来。しかし、ジョディマーズというグループは白人によるグループらしいが、とても濃厚なR&B風に仕上がっているのが興味深い。これはポールのボーカルに負うところが大きいと思う。
20.♪I'm Gonna Sit Right Down And Cry [Over You]♪『POP GO THE BEATLES』63.7.16.収録、8.6.放送 オリジナルはロイ・ハミルトンだが、ここではエルヴィス・プレスリーのバージョンをヒントにカバーしている。ジョンとポールのダブル・ボーカル、リンゴの激しいドラミングが印象的なヘビーな仕上がり。しかし、録音状態のせいか、荒々しさに若干欠ける。この曲は62年暮れに録音された ハンブルクのスタークラブ・ライブでも演奏されているが、むしろ、そちらの方が荒々しさが強調されていて魅力的。
21.♪Crying, Waiting, Hoping♪『POP GO THE BEATLES』63.7.16.収録 8.6.放送 バディ・ホリーのカバーで、ボーカルはジョージ。62年1月1日の「デッカ・オーディション」でも演奏された。ジョージの弾くリード・ギターのフレーズが耳に残る。
22.Dear Wrack!『SATURDAY CLUB』63.7.30.収録 8.24.放送 ジョンと司会者のやりとり。
23.♪You Really Got A Hold On Me♪『SATURDAY CLUB』63.7.30.収録 8.24.放送 アルバムWITH THE BEATLESに収録されたスモーキー・ロビンソンのカバー。ただ、この演奏はアルバム発表よりも前のもの。ピアノの入っていない、シンプルなバンド編成の演奏が逆に好感の持てるところ。BBCセッションでは計4回演奏されている。
24.♪To Know Her Is To Love Her♪『POP GO THE BEATLES』63.7.16.収録 8.6.放送 あのフィル・スペクターがメンバーとして名を連ねていたことで知られるコーラス・グループ、テディ・ベアーズのカバー。多くのカバーを生んでいる曲だが、ビートルズもデビュー以前から頻繁に演奏しており、62年1月1日の「デッカ・オーディション」や62年12月のスター・クラブ・ライブでも演奏されている。ジョンのセクシーなボーカルに引き付けられる。 ジョンは73年に行われたアルバムROCK N' ROLLのセッションでもこの曲をレコーディング、当初は未発表だったが、86年発売のMENLOVE A.V.E.で陽の目を見た。
25.♪A Taste Of Honey(蜜の味)♪『POP GO THE BEATLES』63.7.10.収録 7.23.放送 アルバムPLEASE PLEASE MEに収録されたスタンダード・ナンバー。BBCセッションでは合計7回も演奏されている。
26.♪Long Tall Sally♪『POP GO THE BEATLES』63.7.16.収録 8.13.放送 64年に同名の4曲入りEPのタイトル曲として発表されたリトル・リチャードのカバー。とはいえ、デビュー以前からライブのラスト・ナンバーとして頻繁に演奏されてきた曲でもあるので、計7回演奏されており、うちこのテイクを含む5回は公式発表前だった。 しかし、ここで聴けるテイクは決してベスト・テイクとはいい難い出来である。
27.♪I Saw Her Standing There♪『EASY BEAT』63.10.16.収録 10.20.放送 アルバムPLEASE PLEASE MEに収録されたポールの作品。ここでの演奏は、ギター・ソロの後の2回目のサビをカットしたショート・バージョンだが、これは当時のライブでもよく演奏されていた形態。ジョージのギターソロも公式テイクと全く違うフレーズだが、これもライブでよくジョージが弾いていたもの。ライブの定番だったこともあって、BBCでも11回も演奏されている。
28.♪The Honeymoon Song♪『POP GO THE BEATLES』63.7.16.収録 8.6.放送 映画「ハネムーン」のテーマ曲。スタンダード・ナンバー好きのポールによって選曲されたものと思われ、ポールが歌っている。ただ、原曲は英語じゃなかったという情報もあり、そのせいかメロディにうまく歌詞が乗っていないように思われる。 ポールのボーカル、ビートルズの演奏もぎこちなく、出来は今一つ。個人的には「こんな曲、やらなきゃいいのに」という想いも強い。後にポールはアップルからデビューさせたメアリー・ホプキンに、この曲を歌わせている。
29.♪Johnny B Goode♪『SATURDAY CLUB』64.1.7.収録 2.15.放送 チャック・ベリーの代表曲というよりも、R&Rの代名詞ともいえそうな大スタンダード。ジョンの気だるい感じのボーカルはチャック・ベリーを意識したもの。しかし、ここでもジョージのギターが今一つ。ジョージはカントリー・タッチのギターはよいけど、 こうしたチャック・ベリー・スタイルに若干難があったようだ。そのために全体に間延びした演奏に仕上がっていて残念。
30.♪Memphis, Tennessee♪『POP GO THE BEATLES』63.7.10.収録 7.30.放送 これもチャック・ベリーのカバーでジョンのボーカル。62年1月1日の「デッカ・オーディション」で演奏された他、BBCでも5回演奏されている。抑え気味ながらもドスの利いたジョンの声が魅力的。
31.♪Lucille♪『SATURDAY CLUB』63.9.7.収録 10.5.放送 リトル・リチャードのカバーで、ポールのハイトーンでソウルフルなシャウトが印象的な仕上がりである。ジョージのギター・ソロもユニーク。BBCでは2回演奏されている。ポールにとっては、Long Tall Sallyと並ぶお気に入りのリチャード・ナンバーらしく、ビートルズ解散後もたびたび演奏している。
32.♪Can't Buy Me Love♪『FROM US TO YOU』64.2.28.収録 3.30.放送 いうまでもない、シングル・ヒット曲。しかし、このテイクはレコードの上から新たな歌をダビングするという劣悪なもの。こんなテイクを収めるくらいなら、もっと他の曲を収録して欲しかった。BBCでは3回演奏されている。
33.From Fluff To You『FROM US TO YOU』64.2.28.収録 3.30.放送 司会者とポールのやりとり。
34.♪Till There Was You♪『FROM US TO YOU』64.2.28.収録 3.30.放送 アルバムWITH THE BEATLESに収録されていたポールの歌うスタンダード。ここではエレキ・ギター中心の演奏だが、これも悪くない。特にジョージのギター・ソロが秀逸。チャック・ベリー・スタイルに弱点のあったジョージも、ポップ系、カントリー系に関しては、なかなかよいセンスを持っていたのが分かる。BBCでは計7回演奏されている。
◎Disc two◎
01.Crinsk Dee Night『TOP GEAR』64.7.14.収録 7.16.放送 司会者とビートルズのやりとり
02.♪A Hard Day's Night♪『TOP GEAR』64.7.14.収録 7.16.放送 ご存知のシングル・ヒット曲。しかし、オーバー・ダビングが施されていたり、間奏はレコードの音を使うなど、劣悪なテイク。これは本来、マーティンがピアノを弾く予定だったのにスタジオに現れなかったためにとられた措置だと言われている。この曲はBBCでは2回演奏されている。
03.◆Have A Banana!(バナナをおたべ!)『TOP GEAR』64.7.14.収録 7.17.放送 司会者とビートルズのやりとり
04.♪I Wanna Be Your Man♪『FROM US TO YOU』64.2.28.収録 3.30.放送 アルバムWITH THE BEATLESに収録されたリンゴのボーカル曲。しかし、公式テイクより長いイントロがある他、全体に軽目のアレンジ。BBCでは2回演奏。
05.Just A Rumour『FROM US TO YOU』64.2.28.収録 3.30.放送 ジョージと司会者のやりとり
06.♪Roll Over Beethoven♪『FROM US TO YOU』64.2.28.収録 3.30.放送 アルバムWITH THE BEATLESに収録されたチャック・ベリーのカバーで、ボーカルはジョージ。公式テイクよりもストレートな仕上がりに好感が持てる。BBCでは7回演奏された。
07.♪All My Loving♪『FROM US TO YOU』64.2.28.収録 3.30.放送 アルバムWITH THE BEATLESに収録されたポールの作品。2コーラス目のハモリは公式テイクではポール自身が担当していたが、ここではジョージによる。BBCに限らず、ライブでこの曲を演奏する時はいつもこの形態だった。BBCでは4回演奏されている。
08.♪Things We Said Today(今日の誓い)♪『TOP GEAR』64.7.14収録 7.16.放送 アルバムA HARD DAY'S NIGHTとシングルA Hard Day's NightのB面に収録されたポールの作品。この時期のテイクになると、BBCセッションといえどもオーバー・ダビングが多用されている。公式テイクではポールがハーモニーを担当しているこの曲も、ライブで演奏する時はジョンがハモっていた。 だけど、ここではポール自らハモリのパートをオーバー・ダビングしている。BBCでは計2回演奏。
09.♪She's A Woman♪『TOP GEAR』64.11.17.収録 11.26.放送 シングルI Feel FineのB面に収録されたポールの作品。ここでもオーバー・ダビングが施されていて、サビのコーラスはポール自身。ライブではジョンが担当していた。ただし、ピアノのパートはジョージがギターで弾いている。これはライブでもジョージが弾いていたパートである。 BBCでは2回演奏されて3回放送。
10.♪Sweet Little Sixteen♪『POP GO THE BEATLES』63.7.10.収録 7.23.放送 チャック・ベリーのカバーでボーカルはジョン。ドスの利いたジョンのボーカルに尽きる。62年12月のハンブルク・ライブでも演奏された。なお、この曲はビーチ・ボーイズのSurfin' USAの原曲としても有名な曲で、ジョンも75年のアルバムROCK N' ROLLでジャズ風にアレンジしてカバーしている。
11.1822!『POP GO THE BEATLES』63.7.10.収録 7.23.放送 ジョンによるふざけ半分の曲紹介
12.♪Lonesome Tears In My Eyes♪『POP GO THE BEATLES』63.7.10.収録 7.23.放送 ちょっとラテン風のロカビリーで、オリジナルはジョニー・バーネット。ジョンの渋いボーカルが光る。また、この曲の曲調、ギターのフレーズは後のThe Ballad Of John And Yokoのヒントになったといわれている。ただ、謎なのは「BBCで演奏されたのはこの1回のみ」という点である。 実は以前、海賊盤で出回っていたテイクは、この曲と微妙にギターのフレーズが違っていた。まさか「差し替え」なのか、それとも2テイク存在したのか・・・。
13.♪Nothin' Shakin'♪『POP GO THE BEATLES』63.7.10.収録 7.23.放送 エディ・フォンティンという俳優兼シンガーのカバーで、ボーカルはジョージ。ジョージのレパートリーにしてはヘビーな曲だが、むしろ62年末のハンブルク、スター・クラブでのライブ・テイクの方が出来はよい。
14.♪Hippy Hippy Shake♪『POP GO THE BEATLES』63.7.10.収録 7.30.放送 チャン・ロメロという、全く無名のアーティストのカバーだが、キャバーン時代のビートルズが取り上げたことから有名になり、多くのリバプールのバンドに取り上げられた曲。62年12月のハンブルク・スター・クラブ・ライブでも演奏している。実際、同時代のリバプールのバンド、スウィンギング・ブルージーンズがシングル発売し、大ヒットさせていることで有名。 しかし、彼らがこの曲をレコーディングしたのは、キャバーン時代のビートルズが演奏しているのを聴いたのがきっかけだったとか・・・。なので、公式録音はしていないが「ビートルズによって有名になった曲」といえそう。ビートルズの演奏は、ポールのハードなボーカルを生かしたもので、BBCでは5回演奏されている。 しかし、ここで聴かれる演奏は、ベストとはいえない。もっとハードなテイクも海賊盤で聴くことができるので、ちょっと不満。
15.♪Glad All Over♪『POP GO THE BEATLES』63.7.16.収録 8.20.放送 カール・パーキンスのカバーで、ボーカルはジョージ。ジョージにしては珍しい、表情豊かなボーカルを聴かせているあたりに好感が持てる。ところどころ声が裏返っているけど、頑張っている様子が目に浮かぶようで好感が持てる。BBCでは2回演奏。
16.♪I Just Don't Understand♪『POP GO THE BEATLES』63.7.16.収録 8.20.放送 エルヴィス・プレスリーの映画で、エルヴィスの相手役を演じたことで知られる女優兼シンガー、アン・マーグレットのカバー。なぜこんな曲を演奏したのか全く不可解で、ジョンのボーカル、演奏ともにぎこちない。
17.♪So How Come♪ [No One Loves Me]『POP GO THE BEATLES』63.7.10.収録 7.23.放送 エヴァリー・ブラザーズのカバーで、珍しくジョージとジョンのハモリからなる。しかし、エヴァリーのカバーならジョンとポールでハモッて欲しかったと思ってしまうのは私だけではないだろう。もちろん、ジョンとジョージのハモリも悪くはない。
18.♪I Feel Fine♪『TOP GEAR』64.11.17.収録 11.26.放送 ジョン作のシングル・ナンバー。しかし、レコードの上から歌っているだけのテイクで聴く価値はない。BBCでは同じテイクが2回放送されている。
19.♪I'm A Loser♪『TOP GEAR』64.11.17.収録 11.26.放送 アルバムBEATLES FOR SALE収録のジョンの作品。しかし、歌い出しに妙なオーバー・ダビングがあるのが不満。演奏自体はジョンのハーモニカも再現されており、悪くない。BBCでは2回演奏、3回放送されている。
20.♪Everybody's Trying To Be My Baby(みんないい娘)♪『TOP GEAR』64.11.17.収録 11.26.放送 アルバムBEATLES FOR SALEに収録されていたジョージの歌うカール・パーキンスのカバー。ここで聴けるのは同アルバム発表当時のものだが、発表前にも何度か演奏されるなど、BBCで4回取り上げられた。
21.♪Rock And Roll Music♪『SATURDAY CLUB』64.11.25.収録 12.26.放送 アルバムBEATLES FOR SALEに収録されたジョンの歌うチャック・ベリーのカバー。
22.♪Ticket To Ride(涙の乗車券)♪『THE BEATLES INVITE YOU TO TAKE A TICKET TO RIDE』65.5.26.収録 6.7.放送 シングルとして、アルバムHELP!収録曲として発表されたジョンの作品。65年、BBC最後の出演となった特番でのテイクで、スタジオ・バージョンではポールが弾いていたギターのパートもジョージが担当。一方で、タンバリンがオーバー・ダビングされているのが面白いところ。
23.♪Dizzy Miss Lizzy♪『THE BEATLES INVITE YOU TO TAKE A TICKET TO RIDE』65.5.26.収録 6.7.放送 アルバムHELP!収録に収録されたジョンの歌うラリー・ウィリアムズのカバー。ライブではいつもデタラメな歌詞でこの曲を歌っていたジョンだが、ここでの歌詞の間違いはいつもに比べればマシな方。演奏もヨレヨレで決してよい演奏とはいえない。海賊盤などで聴けるライブ・バージョンなどの方が出来はよい。
24.♪Medley:Kansas City~Hey! Hey! Hey! Hey!♪『POP GO THE BEATLES』63.7.16.収録 8.6.放送 アルバムBEATLES FOR SALEにも収録されていた、ポールの歌うリトル・リチャードのカバー。ただし、ここに収録されているのは同アルバム発表よりも1年以上も前に演奏されたもの。そのせいか、ジョージのギター・ソロも、公式テイクにおけるカントリー・タッチのものとは全く趣が異なる。また、エンディングに向けて 激しくシャウトするポールのボーカルも、公式テイクにはないものだが、これがなかなかよい。BBCでは計3回演奏している。
25.Set Fire To That Lot!『POP GO THE BEATLES』63.7.10.収録 7.30.放送 リンゴと司会者のやりとり
26.♪Matchbox♪『POP GO THE BEATLES』63.7.10.収録 7.30.放送 64年に発表された4曲入りEPLong Tall sallyに収録されたリンゴの歌うカール・パーキンスのカバー。しかし、ここに収録されたテイクは発表より1年近く前に演奏されたもの。よって、かなり趣が違う演奏で、リード・ギターはジョンが担当。PAST MASTERS Vol.1の公式テイクの解説の時に私が「リード・ギターはジョンか、ジョージか断言できない」としたのは、 実はこのテイクでジョンがリード・ギターを弾いているためだった。BBCでは2回演奏。
27.♪I Forgot To Remember To Forget♪『FROM US TO YOU』64.5.1.収録 5.18.放送 エルヴィスのカバーで、ジョージがボーカル。エルヴィスのレパートリーにしては軽目で、ジョージもクールに歌っている。
28.Love These Goon Shoes!(グーンショウ大好き!)『POP GO THE BEATLES』63.6.1.収録 6.11.放送 ジョンと司会者のやりとり
29.♪I Got To Find My Baby♪『POP GO THE BEATLES』63.6.1.収録 6.11.放送 ジョンの歌うチャック・ベリー・ナンバー。ベリーの曲にしては珍しいブルージーな曲で、ジョンの渋いボーカルが魅力的。BBCでは計2回演奏している。
30.♪Ooh! My Soul♪『POP GO THE BEATLES』63.8.1.収録 8.27.放送 ポール得意のリトル・リチャードのカバー。リトル・リチャード・ナンバーでのポールのハイトーン・ボーカルはお馴染みだが、このテイクはこのアルバムのポールのボーカルの中では最高の出来。以前持っていた海賊盤に収録されていたのは、途中から始まる中途半端なテイクや、雑音のひどいものばかりだったので、 こうしてきちんと聴けることだけで嬉しいところ。
31.Ooh! My Arms『POP GO THE BEATLES』63.8.1.収録 8.27.放送 メンバーと司会者のやりとり
32.♪Don't Ever Change♪『POP GO THE BEATLES』63.8.1.収録 、8.27.放送 バディ・ホリーのバック・バンドで、ホリーの死後も活動を続けたクリケッツのカバーで、作者はジェリー・ゴフィン=キャロル・キングのコンビ。ジョージが主旋律を歌い、ポールがハモリ、ジョンがリード・ギターという珍しい編成である。曲自体はブレンズリー・シュワルツなどもカバーしている 知る人ぞ知る名曲だが、ジョージの頑張りもあってなかなかの出来。文句なしの好テイクのひとつ。
33.♪Slow Down♪『POP GO THE BEATLES』63.7.16.収録 8.20.放送 64年に発売された4曲入りEPLong Tall Sallyにも収録されたジョンの歌うラリー・ウィリアムズのカバー。但し、ここに収録されたBBCセッションのテイクは、発表される1年以上前に演奏されたもの。そのため、趣が全く異なり、ジョンの歌い回しや歌詞が一部異なる。また、公式テイクは リズム感の悪い演奏ぶりが目立ったが、ここでは荒々しい演奏ぶりで、むしろこちらの方が好感が持てる。ジョンのボーカルもエコーがかかってない分、こっちの方が生々しい。
34.♪Honey Don't♪『POP GO THE BEATLES』63.8.1.収録 9.3.放送 アルバムBEATLES FOR SALEに収録されていたカール・パーキンスのカバー。しかし、公式テイクではリンゴがボーカルをとっていたのに対し、ここではジョンがボーカル。そのためほのぼのとしたカントリーといった趣だった公式テイクに対し、 ストレートなロカビリーに仕上がっている。BBCでは4回演奏されているが、うち2回がジョン、残りの2回がリンゴのボーカルだった。
35.♪Love Me Do♪『POP GO THE BEATLES』63.7.23.収録 7.10.放送 ビートルズのデビュー・シングル。BBCでは9回演奏
https://www.amazon.co.jp/dp/B00005HYHG
http://www.geocities.co.jp/Broadway/5266/beaAlb16.html
http://www.geocities.co.jp/Broadway/5266/beaAlb16-2.html
https://en.wikipedia.org/wiki/Live_at_the_BBC_(Beatles_album)
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┃ ビートルズ詳解 The Beatles’Corpus ┃
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①1960(昭和35)年11月30日(水) ポールとピート、ドイツ国外に追放 ※8月16日(火)曜日にリヴァプールからハンブルグへ来てから今日まで滞在
②1962(昭和37)年11月30日(金) ライヴ演奏1:キャバーン・クラブ (昼)/リヴァプール
③1962(昭和37)年11月30日(金) ミキシング:♪Please Please Me♪ / ♪Ask Me Why♪
④1962(昭和37)年11月30日(金) ライヴ演奏2:タウン・ホール/ニュートン=ル=ウィローズ
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①1960(昭和35)年11月30日(水) ポールとピート、ドイツ国外に追放 ※8月16日(火)曜日にリヴァプールからハンブルグへ来てから今日まで滞在
セント・パウリ警察署 (St. Pauli police station) に一夜拘置された後に釈放されたポールとピートの2人は、少し休息するためトップ・テン・クラブ (Top Ten Club) の上の彼らの新しい宿に行った。しかし午後の早い時間にドアをドンドンと叩く音で起こされる。ピートが鍵を開けると、それは2人の私服の警察官だった。彼らは急いで服を着るように言われ、そしてハンブルグ犯罪警察本部 (Hamburg's Kriminal police headquarters) に車で連行される。担当官は彼らに告げた、「君たちは深夜に飛行機でロンドンに強制送還される。」2人は最後に1度だけトップ・テン・クラブに連れ戻され、5分だけ荷物をまとめる時間を与えられた。ピートはドラムセットを残していくことを余儀なくされた。そして空港に護送される夜まで拘置所に置かれた。ビートルズはなぜ2人が国外追放になるのかよくわからなかった。彼らのドイツ語の不自由さが警察手続きの理解を妨げた。またイギリス領事に電話したいとする彼らの要請は拒絶された。ポールとピートは
1960(昭和35)年12月01日(木)にロンドン空港に着く。彼らは残っている金をユーストン (Euston) へのバス賃とリヴァプールへの列車切符に費やした。ジョンはその後もしばらくハンブルグに留まった。そしてスチュアートはアストリッド・キルヒャー (Astrid Kirchherr) の所へ移り住むことを選択する。
②1962(昭和37)年11月30日(金) ライヴ演奏1:キャバーン・クラブ (昼)/リヴァプール
これは彼らの146回目のランチタイムショー出演であり、イブニングショーを含めると261回目のキャバーン・クラブへの出演だった。ビートルズのキャバーン・クラブへの正確な出演回数は判っていないが、1961年2月9日から1963年8月3日までの期間に、少なくともランチタイムショーで155回、イブニングショーで125回の演奏を行っている。キャバーンのランチタイムショーは通常12:00pm~2:00pmに開催されたが、この日ビートルズは12:20pmからと1:40pmからの2回のステージに上っている。他にはピート・マクレーン&ザ・ダコタス (Pete Maclaine & The Dakotas) が出演した。
2012(平成24)年06月12日(火) この日のショーの広告ポスターが、ロンドンのクリスティーズ (Christie's) のオークションにおいて27,500ポンド ($42,500) で落札されている。サイズは30インチ×20インチの手書きで、オークションに出品されたものの中では最も初期のビートルズの公演ポスターであった。またこの日のランチタイムショーに関する唯一の品であり、この1枚の以外の広告は発見されていない。
③1962(昭和37)年11月30日(金) ミキシング:♪Please Please Me♪/♪Ask Me Why♪
場所 EMIアビーロード第2スタジオ調整室 (Studio2 control room/EMI Studios, Abbey Road)
プロデューサー ジョージ・マーティン (George Martin)
エンジニア ノーマン・スミス (Norman Smith)
ミキシング曲 ♪Please Please Me♪/♪Ask Me Why♪
ビートルズは1962(昭和37)年11月26日(月)にアビーロード第2スタジオの3時間のレコーディング・セッションにおいて、彼らの2枚目のシングル♪Please Please Me♪/♪Ask Me Why♪の録音を完了していたが、その2曲がこの日モノラルにミックス・ダウンされた。開始・終了時間は知られていない。またビートルズはこの場に臨席していない。彼らはこの日、昼はキャバーン・クラブ (Cavern Club) のランチタイムショーに出演し、夜はニュートン=ル=ウィローズ (Newton-le-Willows) のタウン・ホール (Town Hall) に出演している。はじめに♪Please Please Me♪がミックス・ダウンされた。そのモノラルミックスはシングル盤とアルバム『Please Please Me』の両方に収録されている。その後♪Ask Me Why♪の第6テイクがモノラルにミックス・ダウンされた。
④1962(昭和37)年11月30日(金) ライヴ演奏2:タウン・ホール/ニュートン=ル=ウィローズ
これはマージーサイドの小さな市場町、ニュートン=ル=ウィローズ (Newton-le-Willow) で行われた唯一のビートルズのショーであった。彼らはその町の西部、アールズタウン (Earlestown) のマーケット通り (Market Street) にあるタウン・ホール (Town Hall) で演奏した。このイベントはT&Tヴィカーズ・スポーツ&ソシアル・クラブが主催し、広告には「The Big Beat Show No.2」と書かれた。しかしながらこの町でこの日もっとも注目を集めたのはビートルズではなかった。フランキー・ヴァーン (Frankie Vaughan) がグラフトン通り (Grafton Street) のボーイズ・クラブ (National Association of Boys' Club) に登場して満員とし、なおも外には入場できずにがっかりするファンであふれていた。
⑤1963(昭和38)年02月09日(土) ライヴ演奏:エンパイア・シアター/サンダーランド
これはヘレン・シャピロ (Helen Shapiro) と巡るUKツアーの6日目で前半最後の公演でサンダーランド (Sunderland) のエンパイア・シアター (Empire Theatre) で開催された。
1963(昭和38)年02月10日(日)のピーターバラ (Peterborough) の公演には、彼らに代わってピーター・ジェイ&ザ・ジェイウォーカーズ (Peter Jay & The Jaywalkers) が出演する。彼らが欠場する理由は、彼らのデビューアルバムとなる『Please Please Me』に必要な収録曲を録音するためのセッションが2月11日に組み込まれ、しかも1日で完了させるために朝一でロンドンのスタジオに入ることが要求されていたためである。ビートルズは
1963(昭和38)年02月23日(土)のシェフィールド (Sheffield) の公演から再びツアーに加わる。彼らはこの日の公演の後、
‡1963(昭和38)年11月30日(土)にもう一度サンダーランド (Sunderland) のエンパイア・シアター (Empire Theatre) で公演するが、その時はメインスターとしてである。また
1963(昭和38)年05月14日(火)には同じこの町のリンク・ボールルーム (Rink Ballroom) に出演する。
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①https://gejirin.com/beatles/history/1960/19601130_paul_pete_deported.html
②https://gejirin.com/beatles/history/1962/19621130_live_Cavern.html
③https://gejirin.com/beatles/history/1962/19621130_mixing_PleasePleaseMe.html
④https://gejirin.com/beatles/history/1962/19621130-2_live_TownHall_Newton-le-Willows.html
⑤https://gejirin.com/beatles/history/1963/19630209_live_Empire_Sunderland.html
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┃ ザ・ビートルズの今日の出来事 ┃|11月30日|
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1960(昭和35)年11月30日(水) インドラ・クラブで演奏できなくなり、ブルーノ・コシュミダー経営の別のクラブ「カイザーケラー」に出演することになった。最終日のステージ。
1963(昭和38)年11月30日(土) 秋の全英ツアー、サンダーランドのエンパイアシアターでコンサート
********** http://www.thebeatles.co.jp/contents/index2.htm
http://www.beatlelinks.net/forums/showthread.php?t=17202
http://beatlesdiary.web.fc2.com/day/011/1130.html
https://blogs.yahoo.co.jp/fab4city/15573069.html
http://www.beatlesagain.com/bhistory.html
楽曲資料https://beatlesdata.info/
歌詞充実http://tsugu.cside.com/index.html
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