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┃ R O A D and S K Y ┃Vol.29
┗━━━━━━━━━━┛I MYSELF SAW IT
‡1988(昭和63)年04月29日(金)曇り時々小雨 朝、目覚めたのは松山のホテルのベッド。時々、今自分が何処にいるかよくわからなくなってしまうことがある。天気はあまりよくない。GBのスタッフが来ていたので会館に入る前に市内の2、3ポイントで撮影。どうしても俺の場合、写真を撮る場合工場とかそんなイメージになってしまうみたいだ。松山のホールはまだ2回目だけど、とても立派で大きなホール。コンサート終了後ホテルのBARで軽く飲みながらインタヴューを受ける。頭があまり回転しない。
1988(昭和63)年06月発行 会報第29号全12ページ。【MUSIC SELECTION】【INSTRUMENT】【MONITOR SHOT】【I MYSELF SAW IT】で構成【ShogoStation NO.23】代々木・前橋・宇都宮
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https://shogo.r-s.co.jp/fanclub/backnumber/backnumber029.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/FATHER%27S_SON
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┃ ON THE ROAD '88 FATHER'S SON ┃前半戦 日程
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‡017.1988(昭和63)年04月29日(金) 愛媛県県民文化会館
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http://www.flashandshadow.com/shogo/live/on/on1988.html
https://ameblo.jp/chiharu1997/entry-11600186984.html
http://ameblo.jp/futabayama69/entry-10819384548.html
http://www9.plala.or.jp/bt-pearl/dear_memories.html
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89.1.28♪ON THE ROAD♪映像◆http://www.nicovideo.jp/watch/sm13810282#
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┃ 1993年の出来事 ┃
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2017(平成29)年10月04日(水) 今回は1993年のことを。
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久宝さんのツアーと併行して、7月から始まった町支寛二さんのツアーは前年と同じメンバーで行われた。スケジュールは以下の通り。
町支寛二「ebb tideツアー」
1993(平成五)年7月09日(金) 愛知勤労会館
1993(平成五)年7月15日(木) 大阪厚生年金
1993(平成五)年7月20日(火) 渋谷公会堂
1993(平成五)年7月22日(木) 中野サンプラザ 町支さんのセカンドソロアルバム『ebb tide』のレコ発ツアーだった。他にも山本英美くんのライブサポートや、「夏の日の1993」が大ヒットしていたClassのテレビ出演等のセッションワークもたくさん行った。93年の後半は横浜銀蝿のボーカル、翔さんのソロアルバムのアレンジを担当した。レコーディングの打ち合わせのため、ぼくは渋谷からほど近い三宿のとあるバーで初めて翔さんとお会いした。ぼくの目の前に現れた翔さんはイメージの通り強面で、ぼくはお会いする前からかなり緊張というかビビっていた(笑)でも音楽の話をしていくうちに段々と緊張もほぐれて来て、翔さんといい感じでレコーディングに入れそうな気がした。今回、ぼくはアレンジャーとして全体を俯瞰していたかったので、あえて演奏には参加せずスタジオのコントロールルームの中で指揮を執る、プロデューサー的スタンスでレコーディングに臨んだ。翔さんのレコーディングに参加してくれたミュージシャンは以下の通り。
ドラムス:大久保敦夫
ベース:美久月千春
ギター:高村周作
キーボード:友成好弘 ぼくはミュージシャンの人選も任されていたので、信頼する凄腕のメンバーに参加してもらった。ドラムの大久保くんは直前の久宝さんのツアーでも一緒だった関係で、久宝さんのツアーが終わるとすぐに直でお願いした。ベースのミックとはそれまでも何度かスタジオで一緒にレコーディングをしたことがあって、今回のレコーディングでもお願いをした。ギターの周ちゃんとも千春さんと久宝さんのツアーで一緒だった。今回のレコーディングでも、素晴らしいプレイを披露してくれるに違いなかった。キーボードの友成くんとは、浜田省吾さんの
‡1984(昭和59)年04月29日(日)の横浜スタジアムでのコンサートで一緒にプレイをした仲だったので、今回久しぶりに声をかけて参加してもらった。レコーディングはそんな旧知のミュージシャン達と、主に新宿のスタジオ・テイクワンで行われた。ぼくは自分のアレンジした譜面を写譜屋さんと呼ばれる、譜面を清書してくれる方から受け取ってスタジオ入りした。初めての方とのレコーディングの初日はやはり緊張するもので、翔さんも少しナーバスになっているのが伺えた。スタジオには翔さんと、翔さんのお兄さんである横浜銀蝿のドラム担当の嵐さんも同席していた。レコーディングのリズム録りは、全員名うてのミュージシャン達なのでスムーズに終わった。後日ストリングスやその他の楽器のダビングを行って、
1993(平成五)年11月21日(日)に先行シングル♪色つきの恋がセピアに変わる♪が、そして
1994(平成六)年の01月21日(金)に翔さんのソロアルバム『KINGDOM』がリリースされた。ライブやレコーディングで1993年も慌ただしく過ぎて行った。ぼくはそれまでフリーの立場で活動してきたのだが、ミュージシャンとしての活動に専念したかったのと、自分でマネジメントを行うことに限界を感じてもいたので、この年の後半からマネージメントオフィスに所属することになった。また来年から新たな一歩を踏み出すべく、ぼくは気持ちを引き締めて直していた。
1993(平成五)年08月07日(土)神鍋高原特設ステージ。足元のペダルの数が凄い(笑)
**************** http://air.edisc.jp/ima/
http://mi-mychronicle.blogspot.jp/2017/10/1993.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/THE_FUSE
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┃ 『Journey of a Songwriter 旅するソングライター』 ┃
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‡2015(平成27)年04月29日(水) リリース
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17曲音源◆https://music.amazon.co.jp/albums/B00W9N9H2S
27曲音源◆https://music.amazon.co.jp/albums/B00W9NEYZS
https://ja.wikipedia.org/wiki/Journey_of_a_Songwriter
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音源◆♪浜田省吾『旅するソングライター』https://youtu.be/fU7SAvFh_xM
音源◆♪浜田省吾「Journey of a Songwriter」Trailer https://youtu.be/p0dZUazjvO0
音源◆♪浜田省吾『光の糸』Music Video / Short Version https://youtu.be/Qsndcc2_yis
音源◆♪浜田省吾「夢のつづき (Short Version)」 https://youtu.be/ojbN1UHeWWw
音源◆♪浜田省吾/Dream Catcher【新曲「夢のつづき」収録 映画『アゲイン 28年目の甲子園』主題歌 収録EP盤】https://youtu.be/7yofqGXO4qw
音源◆♪♪マグノリアの小径♪https://youtu.be/-yeXGbHoe9U
音源◆♪きっと今夜♪https://youtu.be/_-ERuLuXI-A
浜田省吾さんの、最新の(4月29日)アルバムは、 高校生にもあいますか?
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10145307715
「Journey of a Songwriter」店頭パネル展開催決定!
「Journey of a Songwriter ~ 旅するソングライター」の発売を記念して、下記の対象CDショップで“浜田省吾 店頭パネル展”開催決定!
多数のフォトパネルが展示されますので是非期間内に店頭に足をお運びください。
【対象期間】4月28日(火)~5月4日(月)※店舗により5月4日(月)以降の展示終了日は異なります。予めご了承ください。
【対象店舗】≪広島県≫新星堂 ゆめタウン広島店 フタバ図書 MEGA中筋店・GIGA広島駅前店・GIGA呉駅レクレ店・アルティ福山本店・TERA広島府中店 タワーレコード 広島店 エディオン 広島本店 B1Fディスクシティ HMV 広島本通
映像◆浜田省吾 ON THE ROAD ダイジェスト http://youtu.be/HwgRXguMS5U
1984.04.29
浜田省吾と渋谷陽一のラジオでのトークから 『二人の夏』 http://youtu.be/SDYYsJ_oJiI
二人の夏(愛奴バージョン)…イントロがもろプラターズのオンリーユー
http://www.eonet.ne.jp/~nonpis/justice/hamada2.htm
浜田省吾、約35年ぶりにレギュラーTV音楽番組に出演
2015-08-31(mon) 11:17:32
9月12日(土)23:30から放送となるNHK総合テレビSONGSに、浜田省吾が初めて登場する。レギュラー音楽番組にTV出演するのは約35年ぶりだという。
浜田省吾は、2015年4月に10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Journey ofa Songwriter ~旅するソングライター』を発表、音楽チャートで2週連続1位を獲得しロングヒットとなっている。浜田省吾にとってオリジナルアルバムでの首位獲得は18年半ぶりとなり、“オリジナルアルバムの首位インターバル記録”で歴代1位を記録した。これは1996年11月発売『青空の扉』以来の首位で、マドンナが保持していた17年11カ月を更新し同記録で初の1位となったものだ。さらに、2週連続での首位獲得は、60歳代のアーティストとしてシングル・アルバムを通じ史上初かつ最年長記録を更新…と、記録づくしのアルバムとなった。
番組では、浜田省吾自らがニューアルバム制作にあたっての心境を語りながら、新しい歌の数々を紹介していく。1976年のソロデビューから39年、日本を代表するシンガーソングライターは、いま何を思い、何を歌おうとしているのか。
「2005年にリリースされたオリジナル・アルバムとしての1 前作は「My First Love is Rock & Roll」というテーマで作りました。それから10年後の、今回の新しいアルバムは人生の時と音楽の旅がテーマです。音楽の幅も広くなっていますし、歌の主人公たちも10年分成長したかな、と思います。旅をしながら創ってきたたくさんの歌の中から、いくつかの新しい歌を「SONGS」でお届けします。」──浜田省吾
今回の「SONGS 浜田省吾」では、浜田省吾がアメリカやヨーロッパを旅しながら、各地で撮影した映像をもとに制作した音楽映像作品が繰り広げられる。ほとんどTVメディアには登場してこなかった浜田省吾だが、SONGSでは初めて見せる自らの映像が次々と飛び出してくる。もちろん浜田省吾が地上波の音楽番組で単独特集されるのは初めてのことだ。
「SONGS 浜田省吾 ~ 旅するソングライター」
放送局:NHK総合テレビ
放送日時:9月12日(土) 23:30~23:59
公式サイト:http://www6.nhk.or.jp/songs/
浜田省吾『Journey of a Songwriter ~ 旅するソングライター』
2015年4月29日(wed)発売
完全生産限定盤 CD + 特典CD + 特典映像(Blu-ray DiscまたはDVD) 7,000円+税
特典映像Blu-ray版 SECL2016-2018
特典映像DVD版 SECL2019-2021 ※三方背スペシャルBOX仕様 期間生産限定盤】CD + 特典CD 4,500円+税 SECL2022-2023
通常盤 CD 3,000円+税 SECL2024
完全生産限定アナログ盤 重量盤LP2枚組 4,000円+税 SEJL25-26 ※収録内容はCD通常盤と共通
http://www.barks.jp/news/?id=1000119289
浜田省吾、マドンナの記録を7ヵ月更新
2015(平成27)年5月05日(火) 09:53:02
●2015(平成27)年4月29日(水)に発売となった、浜田省吾の10年ぶりのオリジナルアルバム『Journey of a Songwriter ~ 旅するソングライター』が、初週で8.0万枚を売り上げ
2015年5/11付オリコン週間アルバムランキング(集計期間:4/27~5/3)で初登場首位をマーク、オリジナルアルバム18年半ぶりの首位獲得により、マドンナの記録を7ヵ月更新しインターバル歴代1位となった。
浜田省吾にとって、シングル・アルバムを通じて首位は2000/11/20付のベストアルバム『The History of Shogo Hamada “Since 1975”』(2000年11月発売)以来14年半ぶり、アルバムでの首位獲得は通算で9作目となった。同時にオリジナルアルバムの首位は、1996/11/25付の『青空の扉~THE DOOR FOR THE BLUE SKY~』(1996年11月発売)以来18年半ぶりである。これまでマドンナが保持していた『オリジナルアルバムの首位インターバル記録』である17年11ヵ月(1990/6/25付『アイム・ブレスレス』~2008/5/12付『ハード・キャンディー』)を7ヵ月更新し、同記録で初の歴代1位を飾ることとなった。
浜田省吾にとって今作『Journey of a Songwriter ~ 旅するソングライター』は、2005年7月発売の『My First Love』(最高位2位)以来約10年ぶりのオリジナルアルバムだ。全17トラック、収録時間75分を超える大作で、完全生産限定盤・期間生産限定盤・通常盤・完全生産限定アナログ盤のラインナップでリリースとなり、完全生産限定盤は、アルバム収録曲のアコースティック・バージョンやリミックス・バージョンなどのボーナストラックを収録した特典CDと、ミュージックビデオなどを収録した特典映像(Blu-ray DiscまたはDVD)との3枚組の豪華仕様となっている。
また、今週付アルバムランキングでは、浜田省吾が1975年のデビュー当時ドラマーとして在籍していたAIDOのコンプリート・コレクション『AIDO Complete Collection』が0.5万枚で初登場11位を獲得、シングル・アルバムを通じ初のランクイン(=TOP300入り)にしてTOP20入りを果たしている。
■オリジナルアルバムの首位インターバル記録 上位TOP3
1位:18年半 浜田省吾1996/11/25付『青空の扉~THE DOOR FOR THE BLUE SKY~』
●~2015/05/11付『Journey of a Songwriter ~ 旅するソングライター』
2位:17年11ヵ月 マドンナ1990/06/25付『アイム・ブレスレス』
~2008/05/12付『ハード・キャンディー』
3位:17年7ヵ月 徳永英明1991/10/14付『Revolution』
~2009/05/18付『WE ALL』
浜田省吾「Journey of a Songwriter ~ 旅するソングライター」
2015年4月29日発売
【完全生産限定盤】CD + 特典CD + 特典映像(Blu-ray DiscまたはDVD)価格:7,000円+税
特典映像Blu-ray版/品番:SECL2016-2018
特典映像DVD版/品番:SECL2019-2021 ※三方背スペシャルBOX仕様
【期間生産限定盤】CD + 特典CD 価格:4,500円+税 / 品番:SECL2022-2023
【通常盤】CDのみ 価格:3,000円+税 / 品番:SECL2024
【完全生産限定アナログ盤】重量盤LP2枚組 価格:4,000円+税 / 品番: SEJL25-26 ※収録内容はCD通常盤と共通です。
AIDO「AIDO Complete Collection」
2015.4.29 Release!【完全生産限定盤】CD2枚組 価格:4,000円+税 / 品番:SECL1689-1690
※メジャーデビュー40周年記念7インチW紙ジャケット仕様http://www.sonymusic.co.jp/artist/Aido/
http://www.barks.jp/news/?id=1000115318
1980年の夏、きみは誰に恋してた?
遥かなる家路をたどる、旅するソングライター。
「家路」のエンディングで、浜田省吾はふたりのギタリストを従え、メインステージから階段を降り、観客席に飛び出すように作られた、船でいえば船首の甲板部分に立ち、ツインギターとともにコードストロークを続ける。
背後の巨大なスクリーンには、遠くからこちらに歩いてくる浜田省吾。
広い海辺を歩くその姿は、荒野を旅する者のようにも見え、そう思うとステージ全体が、浜田省吾とふたりのギタリストを先頭に総計12名のミュージシャンで徒歩の旅を続ける楽団のようにも、あるいはキャラバンのようにも、終末を迎えた地球に生き残った最後の人類の行軍のようにも見える。
今回発表される映像作品『SHOGO HAMADA ON THE ROAD 2015-2016』 は、最新アルバム『Journey of a Songwriter ? 旅するソングライター』の楽曲をベースにしながら、最新アルバムの発表から35年も以前のアルバム『Home Bound』に収められた歌が「家路」をはじめ4曲もあり、それぞれが出色の仕上がりとなっている。
たとえば「終りなき疾走」。
浜田省吾の代表曲、とくにステージでのそれを選ぶのであれば、最上位近くに挙げられるはずの歌だ。熱心なリスナーであれば、
これまでに何十回となくライブで聴いているだろうし、ライブ映像作品にも複数回にわたり収められている。
しかし、何度も観ているはずの曲にもかかわらず、くり返し観たくなるのが、今回の「終りなき疾走」だ。
イントロがはじまると同時にカメラは、踊る、いや躍るバッキングボーカルの女性ふたりを、オルガンプレーヤーを、ドラマーをとらえる。
ソロを弾くギタリストの前にかがみ込み、テナーを抱えながらからかうような笑顔で見上げるサックスプレーヤー。
ドラムの前あたりに置かれた360度カメラでとらえられた、片手を挙げつつ左右に揺れるボーカリストの後ろ姿、アリーナ会場にいる2万人近くの観客側からは見えていなかったその姿は、失礼ながら少年のように無防備で可愛らしくも見える。
すべてのシーン、カットが歌と共に躍動していて素晴らしい。
それにしてもこの曲、こんなにハッピーな歌だっただろうか。
「終りなき疾走」が浜田省吾の代表曲中の代表曲だとすれば、同じ『Home Bound』に収められ、35年後に代表曲に急浮上したのが
「今夜こそ」だ──。
しかし、その話の前に、2015年から今回の映像作品に至るまでの浜田省吾を、時系列にしたがって記しておく。
2015年4月29日に発表されたアルバム『Journey of a Songwriter ? 旅するソングライター』は、オリコン週間アルバムランキング初登場1位を記録(5/11付)。オリジナルアルバムとして18年半ぶりの首位獲得ということで、これは“インターバル歴代1位”という珍しい記録となり、さらに翌週も連続1位で(5/18付)、これも最年長記録となった。
そんな記録を伝える『スポーツニッポン』の見出しは「浜省凄ぇ」。
テレビをはじめ、新聞や雑誌などのメディアに登場することがほとんどない浜田省吾に対する世間一般の人たちの気持ちをあらわした、距離感がありながら敬意の感じられる、秀逸な見出しだった。
そのアルバムをたずさえ、同年の秋から全国を巡ったのが、ホールツアー『ON THE ROAD 2015 “Journey of a Songwriter”』。
ニューアルバムのタイトルを冠したツアーというのは珍しくないが、浜田省吾はこのステージの第一部で、新しいアルバム全15曲のうちの14曲を一挙に歌ってしまった(残ったもう1曲はアンコールで歌われた)。
こうしたライブのスタイルは、たとえばブライアン・ウィルソン『ペット・サウンズ』完全再現ツアーのように、長い期間を経てリスナーに浸透した歴史的名盤でしか成り立ちにくいのでは、浜田省吾でいえば『J.BOY』完全再現ツアーとか……などと勝手な心配もしたが、これが気持ちよく盛り上がった。
翌2016年の秋からは、ソロデビュー40周年のアリーナツアー『ON THE ROAD 2016 “Journey of a Songwriter” since 1976』がスタートする。デビュー曲「路地裏の少年」を、当時のアレンジを再現する形で歌うオープニングからアンコールまで、常にピークと言ってもいいような怒濤の名曲ラッシュ。
ソロデビュー40周年に加え、アルバム『J.BOY』発表から30周年の意味も込められていたが、メインタイトルは 最新アルバムから“Journey of a Songwriter”。チャートにおける記録や新しいファンの獲得、そしてもちろんツアーのスタイルや音楽性においても、常に自己のそれまでを更新しているという浜田省吾の自負、けっして懐古的な世界に身を任せないという覚悟が感じられるタイトルだ。
最新の話題は、2018年2月にTOHOシネマズを中心に全国77の映画館で公開された浜田省吾初の音楽映画『SHOGO HAMADA ON THE ROAD 2015-2016 旅するソングライター “Journey of a Songwriter”』。
前記のホール&アリーナツアー、“ON THE ROAD”と呼ばれる演奏旅行のステージを絶妙な音楽的カメラワーク&編集でとらえた映像を基本としながら、そこに浜田省吾の旅を重ねた、板屋宏幸監督による“コンセプチュアル・ライブ映像”。
コンサート会場と同様の楽しみかたを歓迎するスタンディング上映もあり、ワイドショーなどでも話題となったので、熱心な浜田省吾ファン以外にも「浜省凄ぇ」を印象づけたのではないだろうか。
今回の【通常盤(劇場上映版)】は、劇場上映の映像と音をそのまま再現したものだ(Blu-rayではドルビーアトモスも体験できる)。映画サイズといえる約2時間に収めたその映像と音に、ホール&アリーナツアーの興奮を伝える新たな5曲を本編に加えた【完全生産限定盤】には、ライブ映像とミュージックビデオ合わせて11曲という膨大な量の特典映像と、アルバム『Journey of a Songwriter ? 旅するソングライター』全曲のライブテイクが収められた2枚組CDが付属している。
ヴェネツィアの運河を走る水上タクシーのルーフに身を乗り出して歌う浜田省吾。
ボストンの、グリーンモンスターで有名なフェンウェイパークだろうか、野球の試合を立ち見する浜田省吾。
牧草地のような場所で木のフェンスにもたれながら、気持ちよさそうに風に吹かれるその旅姿は、珍しいショートパンツ。
ステージ映像に、そんな言葉通りの“旅するソングライター”を重ねながら、本作は時間を越えた旅にも出る。
たとえば、2011年から現在に至る、東日本大震災からの旅。
2015年に新しいアルバム(オリジナルアルバムとしては10年ぶりだった!)を発表したとき、浜田省吾は「あれから3年経った昨年になって、やっとそのことについて歌が書けるようになりました。直接そのことを歌っていなくても、ある意味では全ての歌のバックグラウンドにそのことがあります」と語った。
「光の糸」「誓い」などにその思いははっきり描かれているが、「夢のつづき」のステージ映像に重ねられた、奥松島・月浜で歌う浜田省吾の姿も印象的だ。おだやかな入江だが、ギターを弾く浜田省吾が背中をあずけているのは、鉄板で作られた臨時の防潮堤。
「あの美しい海岸に、悲しいほどの茶色の鉄板が立っている。切ない現実だなあと思うけど、その思いも含めて撮影しました」と浜田。
もちろん、1976年から現在に至る、浜田省吾ソロミュージシャンとしての旅も重ねられている。町支寛二にギタリストとしてのプレイだけでなくマネージャー役も任せ、たったふたりで地方を回っていた70年代後半。その旅の様子とファンとの交流を再現した寸劇が懐かしくも切ない「Midnight Blue Train」。
発表された1986年から現在に至るステージまで、たくましい肩から腕を露わにしたタンクトップ姿の浜田省吾、白いTシャツにブルージーンズの浜田省吾、ロングヘアーを後ろでまとめた浜田省吾、雨天順延という画期的な計画で行われた野外ステージの浜田省吾……これらを一挙に観ることができる「J.BOY」。
しかし、どの時代より際立っているのが、冒頭に記した1980年発表の『Home Bound』の楽曲だ。まだアナログ盤しかなかった頃、LPレコードの帯に大きく記されていたのは、こんなコピーだった。
戻ってくるために離れることが必要だった。
それは、表面的には、TOTOのギタリストであるスティーヴ・ルカサーや、ローリング・ストーンズのアルバムやツアーへの参加などで知られるピアニスト、ニッキー・ホプキンスらを招いて行われた、はじめてのロサンゼルス録音のことを指している。
しかし、そのコピーは、1976年のソロデビュー後、アルバム2枚目から4枚目までのポップ指向なサウンドから、自分の原点ともいえるバンドサウンドのロック/R&Bに回帰すること、そしてヒットチャートのナンバーワンを目指すのではなく、ライブ会場に集まった観客と一緒にその空間と時間を楽しいものにする、まさに「終りなき疾走」で歌われている世界を目指す決意を語るものだった。
ロックへの回帰の代表曲が「終りなき疾走」だとすれば、R&Bへのそれが「今夜こそ」だろう(アナログ盤では前者がA面の1曲目、後者がB面の1曲目だった)。
少年時代に60年代のR&Bに親しみ、そこからスウィングするように踊ることのできるチャーミングな側面をすくいあげてオリジナル曲を制作するというのは、同時代を生きているブルース・スプリングスティーンやサウスサイド・ジョニー&アズベリー・ジュークスなどにも通じる。
ただ、ホーンセクションの重要度が高いそのサウンドは、ステージでいつも再現できるとは限らない。しかし、2015年からのツアーには、いつものサックスプレーヤーに加え、トランペット&トロンボーン奏者という、強力なメンバーがそろった。
そこに、ライブならではの楽しい偶然も重なる。
「今夜こそ」はアリーナツアーの当初、日替わり曲のひとつで、最初に歌われたのは長野ビッグハットからスタートしたツアーの2日目だった。「懐かしい歌をやるよ。知ってるかな、この曲?」と語りかけながらはじまったそのときの観客の反応に驚かされつつ、笑ってしまった。
コール&レスポンスのようなやりとりで歌われる「今夜こそ」。冒頭で“仕事が終わりベルが鳴る時 君は自分を”と歌った浜田省吾が観客にマイクを向けると、返ってきたのは「知ってるに決まってるじゃないか!」という怒りさえ含んだ弾けるような笑顔の大合唱──“取り戻す”。
やがてこの曲は、日替わりではなく毎回歌われるようになる。
本作には「1980年の夏、きみは誰に恋してた?」と語る浜田省吾が収められている。本編映像に、いわゆるMCを入れないというストイックな構成のなか、貴重な瞬間だ。
浜田省吾がロサンゼルスで『Home Bound』を制作していた1980年の夏、「きみはどこにいた?」「何を夢見ていた?」「誰に恋してた?」。そう問いかけられて、遠い1980年の夏の記憶をたどる。ただし、ここ数年で大きく増えた新しいファンのなかには、その頃まだ生まれていなかった人も多いだろう。
浜田省吾は『Home Bound』について、かつてこう言ったことがある。「ある意味じゃ、俺の本当のデビュー・アルバムって気がします」。
“旅するソングライター”が、自身の“旅”を自覚した、それが『Home Bound』だった。そんなことも描いているのが、今回の映像作品なのだろう。
“旅するソングライター/Journey of a Songwriter”──。
ジャーニー/Journeyは、英語圏においても、トリップやトラベルに比べ“長い旅”を指す言葉として使われているようだが、じつは“journey”の“jour” の語源は“day”と同じである。
journalismのjourも、フランス語のjour(bonjour=「こんにちは」などのjour)も同様で、元々は「日々の」「一日の」を意味する。journeyは、元をたどれば「一日の仕事」という意味に使われていたというから面白い。
余談になるが、「一日の仕事」で思い起こされるのは“今日のわざを なし終えて 心軽く 安らえば”と歌われる「遠き山に日は落ちて」
である。ドヴォルザーク『新世界より』から生まれた歌曲「Goin’ Home」に、「アヴェ・マリア」などの訳詞で知られる堀内敬三が日本語の歌詞をつけて親しまれた歌。
「Goin’ Home」まさに「家路」
ソングライターの旅は、遠い地を訪れることだけではなく、日々の仕事を終えてたどる家路でもあると言えるのではないだろうか。
「家路」のエンディングの広大な海辺の映像に、一瞬だけアリーナツアーの観客が重なる場面があって、なぜかドキッとさせられる。
それは、ソングライターだけでなく、誰もが、旅する映画監督であり、旅する新入社員であり、旅する少年少女、旅するおとうさんおかあさん、旅する料理人、旅する人類であるという、浜田省吾と板屋宏幸監督からのメッセージではないだろうか。
最後に、【完全生産限定盤】に付属する特典映像について。
本編には収められなかった「路地裏の少年」なども貴重だが、本編ではホールツアー映像だったある曲のアリーナツアー版も収録され、「女性を応援するために作った歌」という浜田省吾の言葉が思い起こされる観客席の反応が、一瞬だが印象的に挿入されている。
ステージ本番当日、楽屋であるものに書いたコード譜をもとにアドリブのように観客と合唱した「永遠の恋人」の映像は、前述のようにMCや楽屋裏のシーンなどをあえて封印したストイックな本編映像と対照的で微笑ましい。
さらに、『Journey of a Songwriter ? 旅するソングライター』全曲のライブテイクを収めた2枚組CD。DVDやBlu-rayを観る環境にもよるのだろうが、オーディオ専用の機器で聴くライブ録音の、その音の気持ちよさに驚かされる。
音楽的快感だけでなく、肉体的な快感さえ呼び起こす、厚みとやわらかさ。ライブの開放感。圧倒的なボーカル力と演奏力。“Talk”と題された部分に収められた、ここだけでしか聴くことのできないコーラスワーク。
ニューアルバム制作当時2枚組にするアイデアもあったと語っていた浜田省吾。その2枚組CDも含めた本作は、『Journey of a Songwriter ? 旅するソングライター』の完成形とも言える。
“出港”は、4月25日(水)。
“旅するソングライター”と共にみなさん、よい旅を!
【完全生産限定盤】LIVE MOVIE & LIVE CD
SHOGO HAMADA ON THE ROAD 2015-2016 "Journey of a Songwriter"
[BD版] Blu-ray+2CD / SEXL218-220 / 11,000円 +税
音声スペック:リニアPCM 96kHz-24bit / DTS-HDマスターオーディオ(5.1ch サラウンド)
[DVD版] 2DVD+2CD / SEBL2018-2021 / 11,000円 +税
音声スペック:リニアPCM / ドルビーデジタル(5.1ch サラウンド)
※三方背スリーブケース・デジパック仕様
※オリジナルポストカード・52Pカラーブックレット・12Pブックレット・対訳ブックレット
※5か国語字幕
●Blu-ray/DVD
01. 永遠のワルツ (Instrumental)
02. 光の糸
03. 旅するソングライター
04. マグノリアの小径
05. 美しい一夜
06. サンシャイン・クリスマスソング
07. きっと明日
08. 瓶につめたラブレター
09. ハッピー・バースデイソング
10. 夢のつづき
11. 夜はこれから
12. 丘の上の愛
13. ラストショー
14. Edge of the Knife
15. DJお願い!
16. バックシートラブ
17. 今夜こそ
18. 終りなき疾走
19. Midnight Blue Train
20. On The Road
21. J.Boy
22. アジアの風 青空 祈り
part-1 風
part-2 青空
part-3 祈り
23. 誓い
24. こんな夜は I Miss You
25. I am a Father
26. 家路
SPECIAL FEATURES
〇Live Visuals
01. 旅するソングライター (Orchestra Version)
02. 路地裏の少年
03. きっと明日
04. 永遠の恋人
05. 五月の絵画
06. 恋する気分
07. 永遠のワルツ
〇Music Videos
01. 光の糸 (Re-edit 2018)
02. 旅するソングライター (Re-edit 2018)
03. マグノリアの小径
04. 夜はこれから (Long Version)
●CD
ON THE ROAD 2015 "Journey of a Songwriter" (Live Version CD)
[Disc 1]
01. 光の糸
02. 旅するソングライター
03. Talk 1
04. マグノリアの小径
05. 美しい一夜
06. サンシャイン・クリスマスソング
07. 瓶につめたラブレター
08. Talk 2
09. 五月の絵画
10. Talk 3
11. ハッピー・バースデイソング
12. 夢のつづき
13. 夜はこれから
14. 恋する気分
15. きっと明日
[Disc 2]
16. アジアの風 青空 祈り
part-1 風
part-2 青空
part-3 祈り
17. 誓い
18. 永遠のワルツ
19. All Songs from Journey of a Songwriter Piano Solo Medley
http://www.sonymusic.co.jp/Music/Info/ShogoHamada/otr20152016