┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓史上初!!合体から変身!
┃ 『ウルトラマンオーブ ULTRAMAN ORB』 ┃ テレビ東京系列
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 18:00~18:30
光の力、おかりします!! 覚醒せよ、光の戦士。
┌─―――――――――――――――――――――――┐
|2016(平成28)年11月19日(土) 第20話「復讐の引き金」|
└─―――――――――――――――――――――――┘
登場宇宙人・・・幻覚宇宙人 メトロン星人タルデ(ラウンドランチャー)
ヒーロー大研究
紹介キャラクター・・・幻覚宇宙人 メトロン星人タルデ(ラウンドランチャー)
紹介キャラクター・・・ウルトラマンヒカリ
サブタイを探せ!・・・『ウルトラセブン』第45話「円盤が来た」
脚本・・・内田裕基
監督・・・冨田卓
OP・・・・・♪オーブの祈り♪ 2番:第14話~第24話
ED・・・♪Shine your ORB♪ 2番:第14話~第24話
製作・・・円谷プロダクション テレビ東京 電通
今日のお話・・・惑星侵略連合の仇を討とうと、自らを強化したメトロン星人タルデが執拗にジャグラーを追いかける。傷ついたジャグラーは、逃げる最中、偶然ナオミに助けられる。 悪人と知りつつも、ジャグラーを介抱するナオミ。ガイとの関係を問い直すナオミに対し、ジャグラーはその因縁を話し出す。だがその時、二人の前に姿を現すメトロン星人タルデ。彼の銃口が二人を狙う…!! (C)円谷プロ(C)ウルトラマンオーブ製作委員会・テレビ東京 (from amazon.co.jp prime)
********************* https://www.amazon.co.jp/dp/B01L5ULFRU
OPhttps://www.uta-net.com/song/211408 EPhttps://www.uta-net.com/song/240808
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%96
************************************************************
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ 『ウルトラセブン』実相寺昭雄エピソード ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛第8話「狙われた街」
本作は、モロボシ・ダン(=ウルトラセブン)とメトロン星人との宇宙人同士が畳敷きの部屋で卓袱台を挟んで会見するシーンが有名だが、当時のTBSは、ウルトラシリーズについては海外への作品の輸出を視野に入れたうえで番組製作を行っており、日本を思わせるものは極力入れない方針であった。故に製作開始の時の申し合わせに際しても、関係者に対してこのことは厳守するように伝えていた。しかし実相寺はこの事を敢えて無視し、劇中に卓袱台を登場させ、「局のプロデューサ交替時、どさくさ紛れに撮影した」「あとで散々文句を言われた」と回想している。撮影時は畳に座り込んだ宇宙人の姿があまりにシュールで面白くスタッフも大爆笑、本人も「自分も『用意、スタート』と掛け声を掛けられないほど笑ってしまい、助監督に代わりに言ってもらった」という[9]。放送後にプロデューサーから怒られ[10]、この回及び同時に撮影された第12話「遊星より愛をこめて」(現在欠番・詳細はスペル星人#第12話の欠番についてを参照のこと)の放映後、実相寺はしばらく『ウルトラセブン』の演出を離れ、京都で時代劇の演出を担当することとなる。これはこの卓袱台事件に対しての懲罰人事であったとも言われるが、真相は不明である。本作の脚本は金城哲夫が担当したが、ラストシーンに流れるナレーションは佐々木守によるもの(実相寺が自ら書き加えたという説もある)。後に実相寺は、この話を元に小説『ウルトラセブン ねらわれた星』を執筆している。『ウルトラマンマックス』は旧作との直接的な関連性は無いが、実相寺が演出した第24話「狙われない街」(2005年12月10日放映)は本作の続編的な内容となっている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%9F%E7%9B%B8%E5%AF%BA%E6%98%AD%E9%9B%84#.E7.AC.AC8.E8.A9.B1.E3.80.8C.E7.8B.99.E3.82.8F.E3.82.8C.E3.81.9F.E8.A1.97.E3.80.8D
┏━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ 『ウルトラセブン』の時代設定 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━┛本作の舞台は1987年と設定されているが劇中では明言されていない。SF作品としての設定上、宇宙開発や海洋開発などについては放映当時より進歩している演出があり、ドラマ上でも近代的なビル街や高級な邸宅など、日常的生活感を排した背景が選択されていることが多い。しかし、未来世界の演出は一貫しておらず、1967年当時の日常生活や時代風俗も同時に描かれている。この、近未来設定と当時の風俗が混在する傾向は前作「ウルトラマン」でも見られる。以下、作品世界の設定年代が明確な演出と製作当時の年代が見て取れる描写を記す。
┌─―――――――――――┐
|演出意図の明確な年代表現|
└─―――――――――――┘第8話や第45話では日常生活感の強い下町を意図的に使い、未来世界と日常生活が同居する独特の世界観を演出している。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%BB%E3%83%96%E3%83%B3#.E6.99.82.E4.BB.A3.E8.A8.AD.E5.AE.9A
┏━━━━━━┓
┃ 切通理作 ┃1964(昭和39)年2月21日(金)誕生
┗━━━━━━┛http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%87%E9%80%9A%E7%90%86%E4%BD%9C
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ 『怪獣使いと少年―ウルトラマンの作家たち』 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
┌─――――――――――――┐切通 理作 (著)
①|1993(平成五)年 6月?日(?)|P.318 単 行 本 JICC出版局
②|2000(平成12)年 5月?日(?)|P.397 宝島社文庫 宝島社 改訂版
③|2000(平成12)年 5月25日(木)|朝日新聞14面に書籍広告掲載
└─――――――――――――┘差別・犯罪・初恋・妄執…。四人の作家が怪獣に託した〈孤独〉を〈痛み〉とともに体験し直す渾身の力作
③ウルトラマンシリーズの4人の作家が怪獣に託した<時の断層>を掘り起こす地道な作業を通して、少年が見たものは……
「ウルトラマンと怪獣たちが織りなすドラマ―少年期から青春時代をとおして、著者がそこに見、感じ取ったものとは? 怪獣に夢中になり、時に同化していた少年は、使命を受けたかのように、ドラマを振り返り、その生みの親たる作家たちの軌跡を丹念にトレースする。処女作待望の文庫化なる!」5月25日、朝日新聞14面の書籍広告より
①http://www.amazon.co.jp/dp/4796606718 ②http://www.amazon.co.jp/dp/4796618384
http://www.gont.net/risaku/ISBN4-kaijyu.shtml
『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち 増補新装版』 洋泉社 映画秘宝単行本
四人の作家が怪獣に託した〈孤独〉を〈痛み〉とともに体験し直す渾身の力作! 伝説の名著、ここに完全復活!
著者:切通理作 著
2015/04/03(金) ISBN:9784800306159 4-6・400ページ 本体2,400円+税
http://www.yosensha.co.jp/book/b194602.html
┏━━━━━━━━━┓
┃ 怪獣使いと少年 ┃
┗━━━━━━━━━┛調査を終えた郷は事の次第を伊吹隊長に報告する。「少年の名前は佐久間良。1958(昭和33)年4月5日(土)生まれ。父徳三母よねの長男として江差に生まれる。1963(昭和38)年鉱山閉鎖とともに徳三は国を出て、出稼ぎにいったまま蒸発。1965年よね死亡。その直後良行方不明。父親を慕って東京に出てきたんでしょうね」http://jaro.exblog.jp/2681599/
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ 『ウルトラセブン』ハイビジョンリマスター版 ┃2012(平成24)年12月21日(金)アップ
┃ 映画秘宝 presents セブンコラム ┃世界初公開!
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛WOWOWプライム
ウルトラセブンに関係する著名人たちがセブンを熱く語りますヨ(=^◇^=)
┌─――――――――――――――――――――――――┐
|第2回 ウルトラセブン初心者のための侵略宇宙人講座 |文/友井健人
└─――――――――――――――――――――――――┘『別冊映画秘宝 ウルトラセブン研究読本』編集・ライター
写真◆「狙われた街」は『別冊映画秘宝 ウルトラセブン研究読本』の人気エピソード投票で第1位に選ばれた。メトロン星人の知的で冷静な声は『トリビアの泉』のナレーターで知られた中江真司氏の名演。
『ウルトラセブン』の魅力は、ヒーローやウルトラ警備隊のカッコよさに加えて、ユニークな侵略宇宙人たちの姿と意表を突く作戦にある。中でも、もっとも人気の高い宇宙人の一体が、鬼才と言われる実相寺昭雄監督が演出した第8話「狙われた街」に登場するメトロン星人だ。モロボシ・ダンとのちゃぶ台を挟んだ対話は、シリーズ最大の珍場面かつ名場面として知られている。メトロン星人は人間同士を争わせる赤い結晶体をタバコに仕込んだ。それは人間を自滅させ、ウルトラセブンともウルトラ警備隊とも戦わずして、ラクラクと地球を手に入れようという、恐ろしい計画だった。地球侵略に、もっとも有効かつ最強の武器は、「薬物」と判断したわけである。その計画をモロボシ・ダンに嗅ぎ付けられ、アジトに乗り込まれたメトロン星人は、悪びれるでもなく、抵抗して攻撃するでもなく、「どうだ、いい考えだろう?」そう嬉しそうに自慢するのが、西日の差す四畳半で、ちゃぶ台を挟んで対話するこのシーンである。言うまでもなく現実社会で薬物の問題は深刻である。蔓延すれば人類の破滅は絵空事ではない。『ウルトラセブン』は45年前の子供番組だが、薬物による社会の崩壊という、とんでもないネタを扱っているのだ。メトロン星人の「幻覚宇宙人」という別名もそのものズバリだ。どぎつい原色でサイケデリックな体も、ラストの真っ赤な夕景での戦いも、ドラッグによる幻覚をイメージしたかのようだ。街を濛々と包む工場の煤煙。 見方によっては、まるで街全体が阿片窟のようである。この退廃したSFイメージは『ブレードランナー』を遥かに先取りしたものだ。この話は薬物を扱っている。しかし、最後に、もっと強烈な毒がある。有名なラストのナレーションだ。実に身も蓋もない現実を、ナレーションで語り、濛々とした煤煙ただよう街に沈む夕日とともに、逃げるように幕を閉じる。最後の最後にそれまでのドラマすべてが吹っ飛んでしまう。このナレーションを最初に言えば、作品は20秒で終わっていただろう。ちゃぶ台で有名なこの作品のラストは、実相寺昭雄監督による、壮絶なちゃぶ台返しで幕を閉じるのだった。そう考えるとラストの夕日は、監督のちゃぶ台返しで空高く跳ね上げられたちゃぶ台が、ギラギラと輝きつつ人間を見下ろして、あざ笑っているようだ。なおメトロン星人は、まず姿を見せず、声だけで登場する。そして「我々にとって君を倒すのは問題ではない」とダン=セブンに対して余裕を見せる。しかし、いざ、面と向かって話すと「怖いのは、ウルトラセブン、君だけだ」と、ペタペタと逃げるように襖の向こうに消えていく。虚勢を張っていたんだ。やっぱり怖かったんだ。思わず本音が漏れたようで、実にかわいい。そんなメトロン星人を、我々は愛さずにいられないのだ。「狙われた街」は作品全体が、実相寺昭雄監督の毒気に満ちたセンスに彩られている。まさに、何度でも見たくなる中毒性がある。子供向けSFドラマの中で、社会の脆さと人間の本質をさらして見せるメトロン星人、恐るべし。
┌─―――――――――――――――――――――――――――――┐
|第5回 45年前の視聴者の目『ウルトラセブン』モニター報告書 |
└─―――――――――――――――――――――――――――――┘
まず、現在も『ウルトラセブン』の大きな特徴、魅力とされる、ドラマ面について。
「双方とも悪意はないのにかかわらず、お互いに自分の世界を守るために、相手の世界を破壊しようとする地球とスラスト星(おそらく「ペガッサ星」の聞き違い)の話は、ちょうど現在の共産・自由の両陣営の世界を象徴しているよう」(第6話「ダーク・ゾーン」)
「ドラマの中の赤い粉末がなくても、日常この様な暴徒によるなんらかの事件が新聞紙上をにぎわしているだけに、フィクションとは思い乍らも実感として、興味を持ち易い」(第8話「狙われた街」)
「超兵器を作ることのダン隊員の悲しいマラソンであるという言葉は日常にも通用するようで胸をうった」(第26話「超兵器R1号」)
近未来を舞台としたSFドラマながら、現実社会にも通じるテーマとリアリティが、大人の視聴者の興味を集めていたことが伺える。
一方で、ハードタッチの『セブン』は子供向け番組として、疑問という意見もある。
http://www.wowow.co.jp/drama/ultra/ultraseven/column/index.html
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ 『ウルトラセブン』ハイビジョンリマスター版 ┃円谷プロ×WOWOW
①┃ ダン(森次氏)×アンヌ(ひし美氏)特別対談 前編 ┃ 共同プロジェクト
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 構成/友井健人
┌─―――――――――――――――――――――――――――――――――――┐
|枯葉が舞っても雪が積もっても1年間楽しかった『ウルトラセブン』のスタジオ|
└─―――――――――――――――――――――――――――――――――――┘
森次:●メトロン星人も、キングジョーも、またキレイな色で見られるなんて、最高じゃないの。全体の色が明るい。撮影当時よりもキレイだね、ハイビジョンは。
ひし美:私たちだけが、古くなっていくのよね。ハア~~(笑)。
森次:変わらなかったらオバケでしょって(笑)。僕らにできることは、カッコよく、年を取っていくことだよ。
写真◇モロボシ・ダン役の森次晃嗣さん
┌─―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――┐
|モロボシ・ダンを狙って美女宇宙人が続々と襲来!戦いの中に隠されたアンヌの意外なNG?|
└─―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――┘
ひし美:覚えてる? 「狙われた街」(第8話)の喫茶店で、ダンとアンヌがグラスやカップを持って会話するじゃない? あのときは「はい(グラスを)上げたー!」「下げたー!」って、その場で指示が飛んでたの。本番中によ。
森次:実相寺(昭雄)監督だね。
ひし美:実相寺監督は構図にこだわるから。私たちが持つグラス越しに窓の外を撮ったりして、それで私たちの手の、微妙な動きも大切だったのね。
森次:そうやって指示が飛ぶ撮影も、オール・アフレコだからできたんだな。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓2012(平成24)年12/7(金)公開
②┃ ダン(森次氏)×アンヌ(ひし美氏)特別対談 後編 ┃ 構成/友井健人
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
2012(平成24)年11月22日(木) ダン(森次氏)×アンヌ(ひし美氏)トークショー
┌─――――――――――――――――――――――――┐
|ヒロイン・アンヌから見たヒーロー・ダンの魅力とは?|
└─――――――――――――――――――――――――┘
ひし美:あと新聞記事で「猛暑の中の撮影でアセモができます」とも言ってる。やっぱり制服は暑かったみたいね~(笑)。
森次:だって、真夏に空調もないスタジオで照明をガンガンたいてるんだもの(笑)。
ひし美:真夏は、外に出た方が「あ~涼しい」ってね(笑)
┌─―――――――――――――――――――――――――――――――――――┐
|クサくないのがダンとアンヌの芝居の良さ。でも「封印」したい時期もあった?|
└─―――――――――――――――――――――――――――――――――――┘
ひし美:正直にいえば、最初の放送が終わって何年かは「ウルトラセブンの話はやめて欲しいな」「恥ずかしい」って思った時期もあったの。だって、ニキビがアップで映ってたりするじゃない(笑)。
森次:実相寺監督の「狙われた街」だね。
ひし美:近所のおばさんに「『ウルトラセブン』の地谷子ちゃん(本名)は、オヘチャでカワイイわよね」って言われたりして「も~~っ恥ずかしい!」ってときもあったのね。オヘチャって、アンパンみたいに丸い顔に目と鼻、みたいな意味よ(笑)。
森次:若かったからねえ(笑)。
①http://www.wowow.co.jp/drama/ultra/ultraseven/interview/interview01.html
②http://www.wowow.co.jp/drama/ultra/ultraseven/interview/interview02.html
※ついでになるが、いわゆる「作家論」の危険性についても書いておきたい。DVDでは金城の二面性を強調しようとしてか、第8話「狙われた街」についても触れている。
メトロン星人は言う。
「われわれは人類がお互いにルールを守り、信頼しあって生きていることに目をつけたのだ。地球を壊滅させるのに暴力をふるう必要はない。人間同士の信頼感をなくすればいい。互いに敵視し、傷つけ合い、やがて自滅していく」
ところがこの「人間同士の信頼感」はエンディングのナレーションでは一転してこう語られることになる。
「メトロン星人の地球侵略計画はこうして終わったのです。人間同士の信頼感を利用するとは恐るべき宇宙人です。でもご安心下さい。このお話は遠い遠い未来の物語なのです。え、何故ですって? われわれ人類は今、宇宙人に狙われるほどお互いを信頼してはいませんから」DVDではここに、金城が抱えていた内面の「葛藤」を見ようとしているわけだが、実際にはこのナレーションは金城哲夫が書いたものではない。これを書き加えたのは監督の実相寺昭雄だいうことだ。実相寺昭雄なら納得だ。彼は他人を信頼できない人間だったのだろう。しかし金城哲夫が書いてもいないものを元に、金城哲夫を語ることの危なさはどうだろう。「迷走」していたのは果たして金城哲夫だったのだろうか?
2009/08/18(火) 03:24:14 | URL | KY #mQop/nM. [ 編集
人間が信頼しあうなら
そもそも「ルール」なんて必要ないのでは?「人間は互いを信頼できない」が為にその保証策としてルールなり法律を作ってそれを守らせ、破った場合には罰則が伴うのではないでしょうか?
やはり学生になってから「狙われた街」のラストシーンのナレーションを思い返すたびに「それって逆じゃないか?」と突っ込んでた私はひねくれているのでしょうか?
http://takenami1967.blog64.fc2.com/blog-entry-41.html
「怪獣使いと少年」は、帰ってきたウルトラマンの中でも、ひときわ異彩を放つ作品です。製作者の意図が、作中のあちこちに隠されており、かなり凝った作品になっているという印象を受けます。私が思うに、この作品で製作者が描きたかったことは、「正義の持つ限界」と「差別問題」ではなかったかと思います。怪獣(ムルチ)も、星人(メイツ星人)も、それを描くために登場しているわけで、托鉢僧姿の隊長と郷(帰マン)が登場する問題のシーンも、多分に比喩的な描写を含んでいるものと思われますし、額面どおりには受け取れないものと思います。隊長が郷に、戦うように促すシーンは、自分達が誤っていることを知りつつも、なお戦わなければならない「正義の持つ限界」を描写したものではないかと私は思っています。出題者様が言うように、隊長のセリフは、郷=帰マンであることを知っているかのようなセリフになっていますが、人間の側であるMATの隊長にそれを言わせることによって、人間の上に立つ神的な存在であるウルトラマンだって、結局は、誤った側の味方をせざるを得ないのだという、正義の内包する矛盾と限界とを、強く表現しようとしたのではないでしょうか。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1148757421
この件に関しては先代の加藤隊長役、塚本信夫氏も悩んだそうです。
1987年講談社刊「ウルトラマン大全集Ⅱ」の「帰ってきたウルトラマン座談会」では
塚本氏「私がとても悩んだことは隊長は郷がウルトラマンであることを知っているかということです。隊員達は怪獣と戦っているとき郷がいないと「郷は一体何をしているんだ!」というでしょう、そのとき隊長はどういう顔をすれば良いのか、とても困りました。」
団氏「私も思いました。(中略)戦いが終わって皆が集まっているところにね、夕日の中から走って来るんです。何回もそういうことがあるから変な感じでしたね。」
と、演者さんも「話題」にしています。
結局スタッフ間では「やっぱり隊長は知っている」という結論になったそうですが、子供達の為にもモヤをかけておいた方が良いだろうと、画面上では「隊長も知らない」で描くことにしたそうです。
よって加藤隊長も含めて、MAT隊長は「知っているが特に話題に出さない」が正解の様です。
ですがあの時の伊吹隊長は「お忍び」とはいえ托鉢僧と、当時でも既にあまり街中では見ない存在。逆に目立ちます。
一部では「アレは隊長ではない。似ている坊さん」「郷の妄想」等と云われてもいます。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1194078791
ウルトラセブン8 考察と評価
2005年10月12日
①第8話で明らかになった事実 ・アンヌの叔父は日本民間航空きっての名パイロットだった。
②初登場の武器・兵器 ・特になし。
③ポイント
・初放映当時の少年には昔懐かしい音がいっぱい詰まっている。
パトカーのサイレンの音、工事現場の重機の音、野球中継など。
・明と暗の映像世界が絶妙。ラストの特撮シーンに入るまでは全体的に暗いイメージ
だがそれがサスペンスタッチで作品に重厚感を与えている。
シルエットのシーンも多数。メディカルセンターやアンヌの叔父の家、基地内の殆
んどのシーン等。
宇宙船の内部は一転して明の世界。眩しいほど明るい。特撮シーンに至っては少し
怖いイメージのオレンジ色の世界。見る者の目に焼き付く事は間違いない。
・アンヌのヘアースタイルがショートに。こちらもキュート。
・キリヤマ隊長に叔父の話を持ち出され泣きべそ顔を見せるアンヌ。全体的に顔のア
ップが多い。それでも暗い分、ハッキリと表情が見えない点が視聴者を画面に惹き
つける。
・ライフル魔に突進するフルハシ。しかしこれは無謀。ソガの策が賢明でしょう。
・第4分署の刑事は穂積隆信氏。この時はまだ「積木くずし」を書く事になるとは夢
にも思っていないでしょう。
・フルハシがメディカルセンターに運ばれた後、カメラのシャッター音に似た効果音
と共にソガに画面が切り替わる。この辺りもサスペンス風で絶妙。
・アンヌの叔父の家の住所は北川町245-3。
・自動販売機が置いてある駅は後半のダンから本部への連絡のシーンから北川町南駅
である。北川町駅ではない。
・最後の浦野氏のナレーションで初めて宇宙人がメトロン星人であることが判明。
④セブン変身方法
・墜落していく宇宙船内で変身。標準型。
⑤決め技
・飛び立ったメトロン星人に宙返りざまにアイスラッガーを放ち真っ二つ。すぐさま
ウルトラビームで空中爆破。
⑥ダンがセブンでいる時間(セブンが出ている時間)・・・・・約1分10秒
⑦評価(7段階)
脚本 ★★★★★★★ 7
演出 ★★★★★★★ 7
特撮 ★★★★★★★ 7
総合 ★★★★★★★ 7
【短評】
音響効果と映像の世界を堪能できる秀作。ポイントにも記したが明と暗の映像効果は
作品に重厚感を与えた。奇怪な事件に対する描写が暗なのに対しクライマックスでは
明になる。どこぞの映画の宣伝文句ではないが「赤と黒のファンタジー」と言える。
見た人の目には間違いなくオレンジ色の夕陽が印象として残るだろう。
更に、名場面である夕陽を背に空中でのストップモーション。私はこのシーンを後に
出てくるホーク1号と宇宙船の戦いと同時進行であるとの意味合いで成されたと解釈
している。皆さんはどうお感じか。
そしてこれらの手法は、実は第12話でも使用されており実相寺監督の当時の拘りが窺
える気がする。
暗の部分では映像と共に音響効果が密接に結びついている。
私はこの第8話の全編に幾度となく流れるもの悲しい挿入曲を幼い頃のセブンの記憶
として鮮明に憶えている。大人になってセブンを見直した時、この曲が極めて秀作と
いわれる本作品や「超兵器R1号」の重要なシーン、「盗まれたウルトラアイ」のラ
ストシーンにも流れている事に改めて感銘を受けた。
また、種々の懐かしい音はこのブログの副題でもある遠い記憶の彼方へ私を誘ってく
れる。物語始めの「アンヌさ~ん、アンヌさ~ん」とヒロシ少年が叫ぶ声もなぜか私
の耳から離れない。
そんなひとつひとつを記憶に焼き付ける実相寺昭雄という監督のマジックに今もって
魅せられる。
脚本も然り、ストーリーを書いていて省けるところがない。すべてが重要な要素にな
っている。
特撮然り、ラストのセブンのアイスラッガーを見せられては、多少のピアノ線の見え
隠れなど全く問題ではない。
まさしく三拍子揃った満点評価のセブンである。
最後に浦野光氏風に締めくくる事にする。(笑)
『え?幻の第12話をますます見たくなったって?そうでしょう。実相寺監督の魔術に
嵌ればそこから抜け出せない人が大勢いるのですから。明日の朝、朝刊を見てみて
ください。ひょっとすると第12話の封印が解けているかもしれませんよ』
16:16 | Comment(2) | TrackBack(2) | ウルトラセブン 考察と評価
この記事へのコメント
私がベスト1と考える、第8話。‘省けるところがない’全くの同感です。作り方がまさに映画なみ。本編映像、効果、音楽、特撮映像・・イチからオーダーしたようなきめ細かな造りです。セブンとメトロンの対決シーンはストップモーションで省略化されていますが、夕日に立つメトロンを水に映った姿からもってくる部分に時間をさくなんざ実相寺さん、やってくれますなぁ。最後のナレーションのために二十数分費やしたんか!っていう感じです。最後の一瞬で、うなってしまう満点三乗(!)のセブン最高作品と思います。
さて、メトロンはアパートでダンと話すときに肩の(いやアゴか?)ラインがリレー点滅するのでしゃべると光るのか?と思ったが、夕日に立つところではしゃべってなさそうだがリレー点滅する。しかも逆方向の点滅・・・これはテレパシーの時は逆なのか??などと勝手に思ったりもした。(余談)
※12話は微かな記憶しかなく、全く映像としてはわからず、比較できません。
Posted by 341号 at 2005年10月15日 23:00
341号さん、コメントありがとうございます。
ブログでストーリーを書く。でも他のサイトでもストーリーを語っているところはたくさんあります。
途中で挫折しそうになる時もあります。
しかし解って書いているつもりが意外と解っていなかった・・・なんてところが多いんですよ。
今は自分の勉強にもなっています。
私は特に実相寺愛好家ではないのですが今回の事を機にその影響を受けつつあります。
ウルトラヒロイン伝説の対談でメトロンとの戦いはもっとちゃんと撮りたかったと監督が言っていました。でも341号さんの言う通りストップモーションのあのシーンは省略と受け止める事もできるし、私のように同時進行と解釈する事もできるはず。
省略したとしても省略と感じさせないところもまた素晴らしい。
341号さん絶賛と言う意味がよく解りました。
実は私もこの作品に1票入れたんです♪
Posted by 恒点観測員337号 at 2005年10月16日 00:18
http://ultraseven.seesaa.net/article/8031211.html
怪獣使いと少年 その1 :帰ってきたウルトラマン
差別と迫害
『帰ってきたウルトラマン』で最も有名なエピソードは、何と言っても第33話「怪獣使いと少年」だろう。『帰ってきた帰ってきたウルトラマン』(辰巳出版)のなかでこの作品について訊ねられた上原正三は、やや自嘲ぎみにこう答えている。
これは、良い意味でも悪い意味でもずっと引きずってきましたね(中略)現在では、よくやってくれたという人はたくさんいますし、『帰ってきたウルトラマン』はこの作品さえあればいいという極端な人もいますよね
また、おそらくこの作品を一躍有名にした原動力となったであろう作家・切通理作さんの名著『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』のなかには、こんな一説もある。
TBSの橋本プロデューサーのもとには、この作品を社会科の教材にしているという中学校の先生などから今でも手紙が寄せられるという
ではそんな「怪獣使いと少年」とはどんな物語だったか。
一言で言ってしまえば、弱いものへの差別と、人間に潜む残虐心がこの作品のテーマだった。
どこかの河川敷でひとりの少年がもくもくと穴を掘っている。少年、佐久間良は、1年前にこの場所近辺で怪獣ムルチに襲われたが、それを救ってくれたのが「地球の風土・気候を調べるために」来訪し、宇宙船を地中に隠した直後のメイツ星人だった。それ以後、良とメイツ星人は奇妙な共同生活を続けていたが、やがてメイツ星人の体は汚染された地球の大気の影響で蝕まれていく。良はメイツ星人が隠したUFOを探し出して一緒にメイツ星に旅立つべく、あちこちに穴を掘っているのだった。
しかしそんな良にはいつしか、超能力を使う宇宙人が化けた子どもだという噂が立てられるようになる。不良中学生らによる苛烈なイジメが始まり、街ではパンすら売ってもらえない。郷秀樹は少年が宇宙人ではないことを証明しようと北海道にまで調査に向かうが、その留守の間に悲劇は起きた。中学生たちが良を襲わせようとけしかけた犬が、突然に爆死してしまったのだ。
そんな事件はつゆ知らず、帰隊した郷から佐久間良の不幸な境遇の報告を受けた伊吹隊長は言う。
「日本人は美しい花を作る手を持ちながら、一旦その手に刃を握るとどんな残忍きわまりない行為をすることか・・・」
そして伊吹隊長の予感は的中し、惨劇が起こる。
超能力で犬を爆死させられた中学生たちが街の人々をともなって良を捕まえにきたのだ。警官に連行されようとする良。郷は止めに入るが、恐怖に逆上した人々にその声はとどかない。そこに姿を現したのがボロボロにやつれた老人姿のメイツ星人だ。メイツ星人は超能力を使った宇宙人は自分だと告白する。人々の怒りはメイツ星人にむかい、ついには警官が発砲し、メイツ星人は死ぬ。
するとメイツ星人に封じ込められていた怪獣ムルチが出現し、工場や街の破壊を開始する。早く怪獣を退治しろとわめく民衆に、郷は心の中でつぶやく。
「勝手なことをいうな。怪獣をおびき出したのはあんたたちだ。まるで金山さん(メイツ星人)の怒りがのり移ったようだ・・・」
あらすじが長くなったが、情報量としてはこれでも足りない。この作品に込められた貧困と差別についての描写は、実際の映像を見ないことには始まらないだろう。特に、佐久間良の顔が問題だ。つりあがった一重の目は、メイツ星人の偽名「金山」とあわせて、彼らが在日朝鮮人の象徴であることを暗示している。と、いろんなところに書いてある。また、佐久間良の出身地、北海道・江差は少数民族「アイヌ」を表しているという説もある。さらには河川敷に住むということから、いわゆる「被差別部落」を読み取ることもできるそうな。
つまり「怪獣使いと少年」は、1971年当時では「タブー」とされていた「在日朝鮮人」や「被差別部落」や「少数民族」への差別問題に正面から取り組んだ作品として、今でも高い評価を受けているということだ。もちろんここには「沖縄」への差別も含まれていたのだろう。上記『怪獣使いと少年』の本のなかには
上原さんは沖縄人のイメージで書いたんだと思う。当時沖縄は日本に置換されていなかったですから
という東條監督の談話が掲載されている。
在日朝鮮人や、部落や、沖縄人を差別し、迫害する日本人・・・。しかもその日本人は、「一旦その手に刃を握るとどんな残忍きわまりない行為をすることか・・・」であり、その愚行の結果として封印されていた怪獣ムルチを復活させたあげく、早く退治しろと自分勝手な主張をわめき散らす・・・。
こうしてみると、たしかに『帰ってきたウルトラマン』随一の「名作」といわれるこの作品には、沖縄人上原正三の怨念が込められているように見える。しかも『怪獣使いと少年』には上原のこんな発言もある。
自分のなかに、どうしても虐げられた者に視点が向くものがある
・・・うう、なんだか日本人であることが嫌になってきたよ・・・・。
日本人は弱い者をみれば差別し、迫害するろくでもない民族なんだ。ぼくは日本人であることが恥ずかしい・・・。
子どもの頃、あんなに熱中し、声援を送ったウルトラマンを作った人は、実はぼくら日本人に差別されたという深い恨みを持っていたのか・・・なんてこった・・・。
・・・と思いたくなる気持ちは分かるが、実は上原正三は同じインタビューのなかで、こうも答えている。
よく、沖縄人が差別されてるっていうけど、沖縄人のなかにも差別はあるわけです。那覇があって、他の島々があって、那覇を中心に商売やってきたわけだから、僕の小さい頃ってのは、周りの(島の)連中をどんどんバカにしたもんですよ。言葉も全然違って、こっち(那覇)からするとすごい違和感があるんでそれを口真似してみたり。しかし自分たちがそれを日本人からやられると今度は『差別だ』って思うわけでしょ。(『怪獣使いと少年』)
実際、戦後の沖縄には有名な「差別」が存在した。
沖縄の奄美差別
あるいはお隣の韓国にはこんな「差別」が存在する。
韓国の地域対立
中国にもチベットやウイグル弾圧等の「差別」があるが、何と言ってもこの同民族内の階級差別が際立つ。
六四天安門事件
もちろんここでこれらを列挙することで、日本人だけが「差別」をするわけじゃないと言い逃れがしたいわけじゃない。
ぼくが言いたいのは、「差別」はどこにでもあり、ある場所では「差別」される人が、別の場所では「差別」する側に回ることなんて、ごくありふれた光景だということだ。
そして問題は、差別された人が「自分は差別されたのだ」と叫び回っても、それは何の解決にもならないということだ。だから上原は続けて言う。
「だから僕が本土に来ることじたい、ここで沖縄人として生きてみよう、自分の肌で感じる差別、それが何なのか突きとめてみようという決意の元でしたね」(『怪獣使いと少年』)
そんな上原が、果たして『帰ってきたウルトラマン』のグランドデザインを、沖縄人の怨念によってのみ構築していったのか、ぼくには疑わしいものであるように思える。
長いので、怪獣使いと少年その2へつづく
http://takenami1967.blog64.fc2.com/blog-entry-45.html
キミがめざす遠い星 (『怪獣使いと少年』その2)
メイツ星人とムルチ
※前回の記事(怪獣使いと少年 その1)からの続き
ところで、『帰ってきたウルトラマン』第33話「怪獣使いと少年」について聞かれるとき、上原正三はいつもこんなふうに答えていたようだ。
あの作品は僕のなかの差別に対する反発がちょっと出すぎていて、自分としては気に入っていません。いつもはもうちょっと自分の本音は殺して書くんですけれども、あのときはナマ過ぎたというか」(『怪獣使いと少年』/切通理作著)
上原がこのような発言をする背景には「ファンがことさらにこの作品ばかりにこだわる傾向があった」(『24年目の復讐』脚本解説/会川昇)という点もあったようだが、さらにはそれが、上原の脚本からかなり逸脱したものとして放映されたせいもあるだろう。
実際、いま手元にある宇宙船文庫『24年目の復讐ー上原正三シナリオ傑作集』におさめられた元の脚本を読むと、「怪獣使いと少年」の一種異様な雰囲気が、実はそこには存在していないことに気がつく(なお、原題は「キミがめざす遠い星」という意外と軽い命名がされている)。
では「怪獣使いと少年」の特異性とは何かと言えば、なんといっても『帰ってきたウルトラマン』には不可欠なはずの、坂田家の風景とMAT隊員たちが一切出てこないことだろう。それがこの作品に、何だか今回はいつもと様子が違うぞ、という印象を与えているのだとぼくは思う。
ところが「キミがめざす遠い星」には、両方ともいつもどおり、いつもの姿で登場する。坂田健は毎度おなじみの昔話を始め、それを聞いた郷が何かを悟って飛び出していくのも、いつもの通りだ。
もちろん坂田アキも登場する。アキは、パン屋で食パンを売ってもらえなかった佐久間良少年に、にっこり笑って自分のパンを譲ってあげる役だ。アキの笑顔は良を癒し、視聴者の心に救いをもたらしたはずだった。
そしてもっとも決定的なのは、
「日本人は美しい花を作る手を持ちながら、一旦その手に刃を握るとどんな残忍きわまりない行為をすることか・・・」
という伊吹隊長のセリフは「キミがめざす遠い星」には全く存在しないということだ。
脚本ではこうだ。
ユリ子「良君はお父さんがほしかったのよ。お父さんを捜すために家出したんだわ」
南「うん、きっとそうだ」
伊吹「花の松前、紅葉の江差、開く函館菊の紋・・・(呟く)」
上野「なんです?(伊吹を見る)」
伊吹「なあに昔の唄さ。郷」
郷「ハイ」
伊吹「佐久間君に関しては君にまかせる。早く宇宙人説から解放してやり給え」
郷「わかりました!」
見てのとおり、いつものMAT基地の会話がそこにはあり、日本人批判のかけらもない。
さらにもう一つ付け加えるなら、脚本ではあのとき市民に襲われたのは、佐久間良とメイツ星人だけではなかった。それを制止しようとした郷秀樹も投石によって血を流し、さらには次郎くんまでもが木切れを投げつけられて倒れている。
つまり上原の準備稿にはあったはずの、坂田家の人々だけは良少年とメイツ星人の味方であろうとした、という部分は映像では全てカットされているわけだ。
となれば「怪獣使いと少年」の癒し難さや救い難さは、上原正三本人が当初から意図したものではなかったことが分かる。上原正三の「キミがめざす遠い星」から、癒しや救いを取り除いたものが「怪獣使いと少年」だということだ。
この点については『24年目の復讐』の解説で会川昇さんが書いていることが正鵠を射ているだろう。
上原氏がためらいつつも本音として沖縄等の問題を強く描いた事実上最後の作品であり、その意味をくみあげて自分なりの映像で作りあげたのが東條昭平監督であったことをふまえて(※脚本を)読んでいただきたい。脚本と映像は必ずしも同一でなくてもよいのだ、という事実も。
ついでに書いておくなら、「怪獣使いと少年」には結構見落とされがちな問題点がいくつかあると思う。まず第一点は、舞台となっている日本は「平時」の日本ではないということ。あちらこちらで怪獣が出現し、宇宙人がひんぱんに侵略にやって来る状況というのは平時とは言えず、むしろ「戦時」と言っていいだろう。そのような状況で、人々が疑心暗鬼に苛まれることは理解できなくはないことだ。そしてそんな状況で「地球の風土、気候を調べていた」というメイツ星人。彼の目的は何だったのだろうか。彼は何のために地球の調査をしていたのだろう・・・。
・・・いや、つまらぬ揚げ足取りはこんなところにしておこう。
ぼくが言いたいのは「怪獣使いと少年」という物語が、日本人の沖縄差別を告発してやろうという上原正三のドロドロとした怨念からだけ生まれたものではない、ということだけだ。本来はそこには、坂田家の人々のやさしさや、MATの人々の人間理解なども含まれていた。ただ、最終的な映像を作った東條監督が、上原脚本からそういった要素を取り除いてしまったから、やたらとネガティブな面だけが強調される作品となってしまった。
では、そうやって上原作品のモチベーションから沖縄人としての日本本土への怨念や遺恨を除外してみたとき、そこに見えてくるテーマは何だろう?
とは言え、そこに上原正三が体験してきた沖縄と日本のありようといったものが、全く反映されていないということも考えにくい。
そこでまず、切通理作さんの名著『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』から、上原正三が「沖縄」「日本」「戦後」について語った部分を、時系列的に引用してみることにしたい。
「僕にとってアメリカ軍は解放軍に思えました。なにしろ空爆に怯えないですむし、沖縄が戦場ではなくなった。そして食べ物や物資を配ってくれるアメリカはニライカナイの神々に匹敵したんじゃないかな」
「なんで沖縄でのみ地上戦が行われたかといえば、沖縄が日本じゃないからですよ。戦後、日本のアメリカ軍の軍事基地の七四%は沖縄にあるけど、そんなこと、日本人が本当に沖縄のことを日本だと思っていたら許しておくはずがないでしょう。あなたも含めて。沖縄が遠くにあるから自分たちは安心だという日本人。東シナ海の海溝はやはり相当に深いと思います」
「結局人は殺し合って滅びていくんじゃないかという予感はありますね。僕のなかには常に戦時状態があるような気がします。もちろん平和にこしたことはないんだけど、平和ってのが本当にこの世に存在してるのかっていう疑問があるんですね。思い込んでいるだけなんじゃないか。だって沖縄は今、平和じゃないですよ。アメリカ軍の精鋭部隊が常駐しているわけでしょう」
「沖縄は日本の植民地なんだ・・・。そのことをまずハッキリさせて、(沖縄人は)そういうものにめげない異民族としてのアイデンティティを確立しないと・・・。日本と一緒になれば何もかも良くなるんだと思うと必ずしっぺ返しを食らう。日本に復帰して二十年になるけど、今でも僕のなかには常に『沖縄は日本か?』という疑問がある。強引に日本国に組み込まれた植民地ではないのか、というね。
だから僕は日本復帰のときなんかなんの感動もなかったね。砂川の基地闘争のデモには行っても、本土復帰運動には一切参加しなかった」
何となく読むと、日本人にもアメリカ人にも、さらには沖縄人にまでも腹を立てて悪態をついている、ただの恨みがましいオッサンのようにも見えるが、要点はこうだろう。
沖縄は平和ではない。沖縄は植民地である。と。
しかし前回の記事で引用したように、上原はこうも言っているわけだ。
だから僕が本土に来ることじたい、ここで沖縄人として生きてみよう、自分の肌で感じる差別、それが何なのか突きとめてみようという決意の元でしたね。
つまり、上原正三はずっと日本本土で生きてきた人間だった。ただしその人間は、沖縄人の目を持っていた。そして沖縄人の目は、ふるさと沖縄が平和と呼べる状態ではなく、一種の植民地であることを見抜いていた。
ではその沖縄の目は、彼が暮らす日本本土を、どのように見抜いたというのだろうか?
【関連記事】「怪獣使いの遺産」ーウルトラマンメビウス
http://takenami1967.blog64.fc2.com/blog-entry-46.html
「怪獣使いの遺産」ーウルトラマンメビウス
怪獣使いの遺産
2006年に放映された『ウルトラマンメビウス』の第32話は「怪獣使いの遺産」。
ぼくらが幼少期にみた「怪獣使いと少年」の後日談だ。
(大ざっぱなあらすじ)
30年前に地球人に父を殺されたメイツ星人のビオは、宇宙船に怪獣ゾアムルチを積んで地球へやってくると、賠償として「地球の大陸部の20%の割譲」を要求してきた。防衛隊のGUYSは当然これを拒否、両者は戦闘状態に突入した。
子どもたちのやさしさも、話し合おうというミライ(ウルトラマンメビウス)の声も、頑ななビオの心には届かない。「我らの痛みを思い知れ」と叫び、いよいよ戦闘は一般市民を巻き込む市街戦に発展してしまう。
ここでビオに語りかけたのが、「あの少年」を知る女性だった。
あの頃、メイツ星人(金山)と親子のように暮らしていた佐久間少年は、金山が殺害されたあとも、円盤を探して河川敷を掘り返し続けていた。それはいつの日かメイツ星へ赴いて、彼らと友好を交わすためだった。少女時代に少年と知り合い、異星人間の深い友情に感銘を受けたその女性は、ビオの父が地球の子供に残した「愛情という遺産」を伝えるため、今は保育園の経営をしているのだった。
はじめて父の心を知ったビオは煩悶するが、結局は地球人への憎しみの心を消すことが出来なかった。GUYS隊員の差し出す右手に首を振ると、「握手は父の遺産が咲かせた花を、見届けてからにしよう」と言って、メイツ星へと帰って行った。
特に説明はいらないと思うが、ここで描かれているものこそが「歴史認識」問題の本質だと言えるだろう。ビオは、父親が地球人に殺されたことだけは知っていたが、父がどんな思いで地球で暮らしていたかは知らなかった。ビオは父の、半分だけしか理解していなかった。
もしもビオが30年前に、父の周りで起きたことの全てを知っていたら、彼が地球に復讐しに来ることはなかっただろう。反対に、父が残した「遺産」が地球人に広まるための運動に協力したかもしれない。「歴史」を正しく捉えることが本当の友好の第一歩だと、子どもたちに教えているのが「怪獣使いの遺産」だとぼくは思う。
※ 歴史を知るための参考記事
「2013年3月8日衆議院予算委員会 質疑の動画です。:中山なりあき オフィシャルブログ」
【質疑の要旨】(教育問題は38分あたりから)
①朝鮮半島の社会インフラ(鉄道・地下鉄・鉄橋・学校など)は、統治時代の日本が作った。日本は朝鮮を「植民地」扱いはしていなかった。
②「創氏改名」は希望制であって、強制はされなかった。
③「従軍慰安婦」に官権の関与はなかった。知事の全員、地方議員の8割、警察上層部がみな朝鮮人という体制の中で、強制連行は不可能だった。
④尖閣諸島は日本固有の領土である。
といった歴史の真実が、当時の写真や新聞記事などの、証拠となりうる資料を提示しながら説明されている。
http://takenami1967.blog64.fc2.com/blog-entry-188.html