愛媛県の松山道後温泉430/1200レピータに続き、今年5月、岐阜県に下呂温泉430レピータが開局した。日本で2カ所だけの「温泉」の名称が付くレピータ間の交流として、6月2日に下呂市で開催された「防災フェアin萩原」では、下呂温泉レピータと松山道後温泉レピータ間でゲート越えの記念交信が行われた。防災フェアin萩原のパンフレット。「D-STAR(デジタル化されたアマチュア無線通信網)を紹介します。防災アマチュア無線デモンストレーション」と記載されている。下呂市は、旧益田郡の下呂町・萩原町・金山町・小坂町・馬瀬村が合併し2004年3月に誕生した。合併前は各町村毎の行政と地元のアマチュア無線家が協力して非常通信訓練等が活発に行われていたが、合併後はアマチュア無線による非常通信訓練が行われなくなり、携帯電話の普及と共にアマチュア無線から遠ざかる者も出ていた。しかし近年の防災意識の高まりと全国的なD-STARの普及を背景に、2017年10月、地元のアマチュア無線家や防災士会も交えD-STARの勉強会を実施。その後カムバックハムも増え、日本三名泉として有名な下呂温泉を抱える地元の安全安心に役立つよう、2019年5月、下呂市内にD-STARレピータを開設した。下呂温泉レピータは当初「下呂レピータ」の名称にする予定だったが、2018年11月に「松山道後温泉レピータ」が開局したことから、同じ有名温泉を抱える観光地に設置するレピータとして、名称を「下呂温泉レピータ」とした。「災害時の通信の補完」をテーマに会場内に設置した下呂市アマチュア無線クラブ(JA2YTU)のブース。看板には『私たちは、趣味であるアマチュア無線通信で、大災害時に途絶えるかもしれない携帯電話などの通信の補完手段として、「社会に貢献できれば」と考えて活動しています』と書かれている。防災フェアin萩原当日、道後観光案内所2階にある道後温泉旅館協同組合の事務所で、道後温泉アマチュア無線クラブ(JR5YGC)の越智氏(JJ5PDA)が下呂市アマチュア無線クラブ(JA2YTU)からの呼びかけに応答した。呼びかけに応答する道後温泉アマチュア無線クラブ(JR5YGC)の越智氏(JJ5PDA)交信はまず、情報共有訓練の一環として下呂市と松山市の天気や温度の情報を伝え合った後、道後温泉アマチュア無線クラブが「道後温泉のレピータは道後地区にお泊りいただいたアマチュアの免許をお持ちの方へのサービス向上と、道後温泉に興味を持たれた方がゲート越えで気軽に道後のお問い合わせもできるようにと開設いたしました。もちろん、大規模な災害発生時の通信確保の役割も担っていただくことも目的の一つとなっています。皆さんに気軽に使っていただけるレピータになればと思っております。」とアピール。これに対し下呂市アマチュア無線クラブが「レピータ名に温泉の文字が付いていることから、これをご縁によろしくお願いいたします。下呂温泉430も皆さんに親しまれるレピータになればと思っていますので、今後ともよろしくお願いいたします。」とあいさつを交わして交信が終了した。またその後、道後温泉駅周辺を訪れていたアマチュア無線家が「道後温泉に遊びに来ていますが、交信を聞いているうちに、次は下呂温泉にも行きたくなりました」として、道後温泉で撮影した写真を下呂市アマチュア無線クラブに向けて画像伝送する姿も見られた。道後温泉は“安心安全の観光地作り”を進める一環として、広域災害を想定し地域全体での防災訓練を組合でも行っており、さらに各旅館に1人ずつ防災士とアマチュア無線技士を置くという取り組みを進めている。(https://www.fbnews.jp/201903/technical/index.html) 道後温泉旅館協同組合の有志の方々もアマチュア無線の資格を取得し、D-STARに対応したID-31PLUSを持ち歩いている。松山道後温泉レピータ(JP5YCO)は430MHz/1200MHz帯DVモードの他、1200MHz帯のDDモードにも対応。道後温泉を訪れる観光客の中には、1200MHzに対応した無線機を持ち込むアマチュア無線家も。
FBニースより
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