久しぶりに楽器庫の更新です。
私の楽器、Holton TR156 Jay Friedman Model(実際Friedman氏が使っていたのはこの156のベルカットモデル)をご紹介します。
この楽器を入手したのは数年前のこと、当時この楽器のことを知ってどうしても欲しいと探していましたが今となってはあまり流通しないメーカーで且つ少ないモデルでしたので手を尽くしてもなかなか見つからず半ばあきらめていたところ、日本のとある楽器屋で発見しました。しかし丁度あきらめてお金を他に流用したところだったので持ち合わせもなく、指をくわえて見ているのみとなってしまったのでした。
通常WEBにも売り出していたこともあり、すぐに売れてしまうだろうと思っていましたが半年経っても買い手は現れずまるで私を待っているかのよう。ついには楽器が私に「買って~」と言っているかのような妄想を抱くことになったため、こりゃいかんと決心し手元の某国産のトロンボーンや手持ちのフルート、クラリネット、マウスピース、ついにはエ○ワーズのスライドまでかき集めて叩き売り、残金は女房に黙ってローンを組んでようやく入手となりました。(おかげで未だに女房には「勝手なことしくさって!」とグチられていますが、そんなの知ったこっちゃない!)
楽器の状態はあまり良くはなく、156はニッケルのスライドのはずがどう見てもブラスの色。楽器店の人に聞いてもブラスですと断言。どうやらこのモデルのことは何も知らない様子。ラッカーはボロボロで見た目はきちゃない!でも試奏した感じは希望通りの抜群の音色で即買いでした。
家に持って帰って早速お風呂へ直行。汚れが良く落ちるスポンジで磨くとラッカーはきれいに剥がれ、スライドはニッケルの色が出てきました。どうやらヤニの色だったらしい。。ひとっ風呂浴びたところで楽器はピカッピカ!スライドもよく動いていたので中古楽器としては上々の程度となりました。
その後数か月はいい状態だったのですが、Holtonの泣き所である造りの雑さが出てスライドのハンダがとれたために丁度いいやとスライド調整と若干あったヘコ取りのために修理に出して今の状態となりました。
やはりHoltonの音色はいい。私の主観ですがBachが鉄の棒のような芯の周りを倍音の革で何重も巻いたような音、CONNは大量の真綿のような倍音の中から芯がスっと出るような音だとしたらHoltonは丁度その中間。Friedman氏が数々の名演を残しているのは丁度このHoltonを使っていた時。また同じシカゴ響で2番トロンボーン奏者のCrisafulli氏もHoltonを使っていましたので、黄金期のシカゴ響トロンボーンパートは1、2番がHoltonだったこともあり、あの重厚はシカゴサウンドはHoltonが作っていたとも言えます(ちょっと言い過ぎ?)
有名なシカゴ響French Horn奏者のファーカス氏もやはりHoltonで自分のモデルを作っていて、未だに販売中であることからもHoltonの音色での信用は厚いと言えるでしょう。(残念ながら最近はあまりトロンボーンに力を入れていないような気もしますが。。。)
スペック
.547/.562 Dual Bore Nickel Slide
8.5inch-Red Brass Bell
新しい楽器や高級な楽器もいろいろありますが、新しい=良いとは限らないところが面白いところですね。
さて長くなりついでにもう一つ。
今それに合わせて使っているマウスピースはこれです。
変な形でしょ?
1986年にシカゴ響来日時にFriedman氏が使っていたマウスピースのレプリカです。
来日当時グレイスシンフォニーの主宰である大山先生がFriedman氏から譲り受けたもので、それをお借りしてコピーしたものです。
これは最近売り出されたDVDのマーラー5番の映像にそれが映し出されています。。
Friedman氏は恐らくこのマウスピースをSchilkeに発注していると思われますが、このモデルは販売されていませんので実際のスペックは謎です。
ただ大山先生に伺ったところでは「リムはSchilke 51Bでカップをそれより深くしたもの」とのことですが、物はそんなに単純ではなく形状の奇抜さに加えて音色はダークで芯の通った音であり、1番吹きには最適な音ではないかと思われます。
追記2013.1.29:この写真から見ると、この頃のFriedmanの楽器は残念ながらHoltonではなく元のNew York Bachのようですね。
だんちょ
私の楽器、Holton TR156 Jay Friedman Model(実際Friedman氏が使っていたのはこの156のベルカットモデル)をご紹介します。
この楽器を入手したのは数年前のこと、当時この楽器のことを知ってどうしても欲しいと探していましたが今となってはあまり流通しないメーカーで且つ少ないモデルでしたので手を尽くしてもなかなか見つからず半ばあきらめていたところ、日本のとある楽器屋で発見しました。しかし丁度あきらめてお金を他に流用したところだったので持ち合わせもなく、指をくわえて見ているのみとなってしまったのでした。
通常WEBにも売り出していたこともあり、すぐに売れてしまうだろうと思っていましたが半年経っても買い手は現れずまるで私を待っているかのよう。ついには楽器が私に「買って~」と言っているかのような妄想を抱くことになったため、こりゃいかんと決心し手元の某国産のトロンボーンや手持ちのフルート、クラリネット、マウスピース、ついにはエ○ワーズのスライドまでかき集めて叩き売り、残金は女房に黙ってローンを組んでようやく入手となりました。(おかげで未だに女房には「勝手なことしくさって!」とグチられていますが、そんなの知ったこっちゃない!)
楽器の状態はあまり良くはなく、156はニッケルのスライドのはずがどう見てもブラスの色。楽器店の人に聞いてもブラスですと断言。どうやらこのモデルのことは何も知らない様子。ラッカーはボロボロで見た目はきちゃない!でも試奏した感じは希望通りの抜群の音色で即買いでした。
家に持って帰って早速お風呂へ直行。汚れが良く落ちるスポンジで磨くとラッカーはきれいに剥がれ、スライドはニッケルの色が出てきました。どうやらヤニの色だったらしい。。ひとっ風呂浴びたところで楽器はピカッピカ!スライドもよく動いていたので中古楽器としては上々の程度となりました。
その後数か月はいい状態だったのですが、Holtonの泣き所である造りの雑さが出てスライドのハンダがとれたために丁度いいやとスライド調整と若干あったヘコ取りのために修理に出して今の状態となりました。
やはりHoltonの音色はいい。私の主観ですがBachが鉄の棒のような芯の周りを倍音の革で何重も巻いたような音、CONNは大量の真綿のような倍音の中から芯がスっと出るような音だとしたらHoltonは丁度その中間。Friedman氏が数々の名演を残しているのは丁度このHoltonを使っていた時。また同じシカゴ響で2番トロンボーン奏者のCrisafulli氏もHoltonを使っていましたので、黄金期のシカゴ響トロンボーンパートは1、2番がHoltonだったこともあり、あの重厚はシカゴサウンドはHoltonが作っていたとも言えます(ちょっと言い過ぎ?)
有名なシカゴ響French Horn奏者のファーカス氏もやはりHoltonで自分のモデルを作っていて、未だに販売中であることからもHoltonの音色での信用は厚いと言えるでしょう。(残念ながら最近はあまりトロンボーンに力を入れていないような気もしますが。。。)
スペック
.547/.562 Dual Bore Nickel Slide
8.5inch-Red Brass Bell
新しい楽器や高級な楽器もいろいろありますが、新しい=良いとは限らないところが面白いところですね。
さて長くなりついでにもう一つ。
今それに合わせて使っているマウスピースはこれです。
変な形でしょ?
1986年にシカゴ響来日時にFriedman氏が使っていたマウスピースのレプリカです。
来日当時グレイスシンフォニーの主宰である大山先生がFriedman氏から譲り受けたもので、それをお借りしてコピーしたものです。
これは最近売り出されたDVDのマーラー5番の映像にそれが映し出されています。。
Friedman氏は恐らくこのマウスピースをSchilkeに発注していると思われますが、このモデルは販売されていませんので実際のスペックは謎です。
ただ大山先生に伺ったところでは「リムはSchilke 51Bでカップをそれより深くしたもの」とのことですが、物はそんなに単純ではなく形状の奇抜さに加えて音色はダークで芯の通った音であり、1番吹きには最適な音ではないかと思われます。
追記2013.1.29:この写真から見ると、この頃のFriedmanの楽器は残念ながらHoltonではなく元のNew York Bachのようですね。
だんちょ