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*** june typhoon tokyo ***

FC東京 vs 熊本【天皇杯】


 鬼門・九州で古巣勢に2発喰らい、今季も下位カテゴリに敗戦で終戦。
  
 2016年に川崎と対戦して以来、FC東京は天皇杯でJ1と対戦していない。

2017年 ✕FC東京 1-1(PK4-5)長野
2018年 〇FC東京 4-2 流通経済大学ドラゴンズ
2018年 〇FC東京 3-1 新潟
2018年 ✕FC東京 1-1(PK6-7)山形
2019年 〇FC東京 1-0 桐蔭横浜大学
2019年 ✕FC東京 0-1 甲府
2021年 ✕FC東京 1-2 順天堂大学
2022年 〇FC東京 2-0 富士大学
2022年 ✕FC東京 2-3 長崎
2023年 〇FC東京 3-1 福島
2023年 〇FC東京 1-1(PK9-8)東京V
2023年 ✕FC東京 0-2 熊本

 これは何を意味するかと言えば(コロナ禍の影響でJリーグからはJ1上位2チームのみの出場となった2020年を除き)、2017年から毎年カテゴリー下位のチームに敗戦している、つまりジャイアントキリングを喰らっているということだ。特に2021年には西が丘での2回戦(FC東京の初戦)で順天堂大学に延長の末敗退。決勝点を決めたのはユース出身の小林里駆で、現・FC東京の寺山翼や北九州の長谷川光基もメンバーに名を連ねていた。昨年は大竹洋平が先発出場した長崎に延長で敗戦。今季は東京ダービーを制して久しぶりにラウンド16に進出するも、ここでも平川怜、松岡瑠夢というFC東京出身の選手にゴールを決められ、あえなく敗退。リーグ戦では福岡、鳥栖など九州勢にめっぽう相性が悪いが、前年の長崎、今年の熊本と、天皇杯でも九州勢との相性の悪さを見せる形となった。

 という相性の話、ジンクスは半分はネタのようなもので、試合内容を振り返れば、FC東京の敗退は特段可笑しなものではなかった。最終ラインの背後をロングボールで突かれまくり、エンリケ・トレヴィザンをはじめとするDF陣の不安定なパフォーマンスにつけ込まれるシーンが多発。開始早々にクリアボールにいち早く反応し、ハーフウェーラインから抜け出した熊本の伊東を、エリア内でGK野澤大志ブランドンが倒してしまいPKを献上。これを平川が決めて、先制点を許したが、野澤大志ブランドンのファールは裏を突かれたGKと1対1という場面でもあり、対処の仕方はまずかったとはいえ、致し方ないところではあった。その後にピンチで好セーヴを連発し、4、5点入っても可笑しくないところを2点で留めたことを考えれば、殊更悪く言うところもない。

 エンリケ・トレヴィザンや移籍後初先発となったSBの白井が不安定ゆえ、しっかりとした守備からの攻撃を生み出せず、また中盤、特にボランチの松木と小泉のコンビネーションがハマらず。これまでは豊富な運動量で駆け回る松木と、それ同様に動きながら、互いに攻守の比重のバランスを保てていた安部柊斗がいたが、この日の松木と小泉では距離感も良くなく、どうしてもスペースを生み出してしまう。その間をスルスルと熊本・平川に侵入され、ボールを捌かれて、熊本の好機を受け続けていた印象だ。

 また、ディエゴ・オリヴェイラへのサポートも遅く、熊本もタイトにマークしたことで、ディエゴ・オリヴェイラも一旦ボールを収めるところまでは行けても、その後にボールを巧く展開させない守備を徹底。FC東京の急所を押さえる教科書のようなマークで、他チームにFC東京攻略法を示したようでもあった。FC東京は全体的にボールを受けてからの反応が鈍く、多少ボールを持てる余裕からなのか、球離れが遅れて出しどころを狙われ、スムーズにパスを受け渡せず。何とか左サイドの俵積田からドリブル突破へと展開しようと試みるも、俵積田もやや迷いがあるのか、それほど効果的な突破は見せられず。ミドルシュートの意識は悪くなかったが、得点には遠かった。

 1点ビハインドで迎えた後半から流れを変えたかったものの、後半開始から交代選手は投入せず。松岡に2点目を決められたところで、塚川を野澤零温に、俵積田をアダイウトンに代えて、フレッシュな選手で活路を見出そうとしたが、なかなか前線へ効果的なボールが回らない。それでもCKを多く獲得し、セットプレーでゴールを狙うなかで、64分に最大の絶好機を迎える。アダイウトンのスルーパスに抜け出した野澤零温が、GK田代との1対1となるも、シュートは枠の右に外れてしまった。これまで出場した試合で野澤零温はゴールへの意識は高いのだが、ゴール前で精度に欠く場面が多く、この日でもシュートが枠を大きく外す場面があるなど、得点を奪うために途中出場する前線の選手としては、厳しい評価をせざるをえない。それはアダイウトンやペロッチも同様で、アダイウトンの推進力は武器ではあるが、なかなか今季は思うような足元のコントロールが出来ず。相手DFへ仕掛ける際も容易にボールを阻まれて、カウンターの餌食になるパターンが散見される。

 2点リードでゴール前を固めた熊本に対して、効果的な攻撃はあまり見せられず、ボールを周囲で回す間に熊本の前線がプレスを仕掛けて、ボールを後ろに下げさせられること多数。東、徳元も起爆剤にはなれず、終始アグレッシヴなパフォーマンスを完遂した熊本の前に勝敗も内容も劣って、今季の天皇杯が終わりを告げた。

 東京ダービーに勝ったものの、一部のゴール裏のやらかしでケチがつき、8強へ名乗りを上げるどころか、6年連続でジャイアントキリングを喰らうという体たらく。早速安部柊斗の穴を露呈し、新加入の白井への期待値も修正が必要か。クラモフスキーの交代策にも起爆剤となるものが見えず、このままでは"監督交代ブースト”終了とともに再び低迷への道を辿ってしまいそうな流れではある。シーズンも半分を過ぎ、1試合ごとに終盤をより近く感じるようになるが、この夏を乗り切れないと、アルベル体制低迷期の状態へ逆戻りにもなりかねない。猛暑で集中力や体力が奪われる季節をいかに戦うか。問題意識を高く持って、負の流れを素早く断ち切りたい。

◇◇◇

天皇杯 ラウンド16
2023年8月2日(水)19:03KO えがお健康スタジアム
入場者数:6,286人
天候:晴 / 気温:30.5℃ / 湿度 58%
主審:上村篤史 / 副審:八木あかね、塩津祐介
第4の審判員:上田隆生

 FC東京 0(0-1 / 0-1)2 熊 本

【得点】
FC東京:
熊 本:平川怜(4分、PK)、松岡瑠夢(54分)

〈試合経過〉
03分  警告 東京 野澤大志ブランドン
04分  得点 熊本 平川 怜
08分  交代 熊本 伊東 俊 → 道脇 豊
29分  警告 東京 松木玖生
45+2分 警告 熊本 大西遼太郎
54分  得点 熊本 松岡瑠夢
56分  交代 東京 塚川孝輝 → 野澤零温 / 俵積田晃太 → アダイウトン
60分  警告 熊本 平川 怜
71分  交代 東京 小泉 慶 → 東 慶悟
71分  交代 熊本 松岡瑠夢 → 東山達稀 / 竹本雄飛 → 藤田一途
72分  交代 東京 長友佑都 → 徳元悠平
76分  交代 東京 ディエゴ・オリヴェイラ → ペロッチ
83分  交代 熊本 大西遼太郎 → 酒井 匠 / 大本祐槻 → 田辺圭佑


【FC東京】
〈スターティングメンバー〉
GK 41 野澤大志ブランドン
DF 04 木本恭生
DF 05 長友佑都
DF 44 エンリケ・トレヴィザン
DF 99 白井康介
MF 07 松木玖生
MF 35 塚川孝輝
MF 37 小泉 慶
FW 09 ディエゴ・オリヴェイラ
FW 11 渡邊凌磨
FW 33 俵積田晃太

〈控えメンバー〉
GK 01 児玉 剛
DF 17 徳元悠平
DF 32 土肥幹太
MF 10 東 慶悟
FW 15 アダイウトン
FW 22 ペロッチ
FW 42 野澤零温

〈監督〉
ピーター・クラモフスキー


◇◇◇

【天皇杯 FC東京試合日程・結果】
2回戦 06月07日(水)19:00〇FC東京 3-1 福 島(H・味スタ
3回戦 07月12日(水)19:00〇FC東京 1-1(PK9-8) 東京V(H・味スタ
4回戦 08月02日(水)19:00✕FC東京 0-2 熊 本(A・えがおS


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