MY FAVORITE “MJ” PART2

　俺のマイケル・ベスト企画、“マイMJベスト”の第2弾。
今回は『バッド』と『デンジャラス』のそれぞれから、マイMJベストを3曲ピックアップしていこうと思います。

◇◇◇

■ バッド（BAD）



Bad
The Way You Make Me Feel
Speed Demon
Liberian Girl
Just Good Friends
Another Part of Me
Man in the Mirror
I Just Can't Stop Loving You
Dirty Diana
Smooth Criminal
Leave Me Alone


　クインシー・ジョーンズ三部作のラスト。とはいえ、それまでのソウル然としたナンバーは少なくなり、ジリジリとした緊張感が全篇に漂うある程度の疲労を強いられる濃密なアップと、端麗さと荘厳さが感じられる美メロ・バラードという明確な楽曲群がパッケージされたアルバム。タイトル・チューン「Bad」をはじめ、ダイアナ・ロスと思われる名前を冠にし、グルーピーにうんざりする心情を歌った「Dirty Diana」など、攻撃的で尖っている楽曲が多いのも特徴だ。
　
　そういったハード・エッジな楽曲としては、「Bad」「Speed Demon」「Another Part of Me」「Dirty Diana」「Smooth Criminal」となるが、ここには聴きやすい（歌いやすいといってもいいか）という楽曲はあまりない。詞の内容はともかく、マイケルの主義・主張を一方的に押し付けてくるようなイメージばかりで、マイケルのアルバムのなかでもとっつきにくい楽曲が詰まったものといえよう。それゆえ、ことさらコレ！ と選定するのが難しくもある。

　前作のソウル・グルーヴの陰がチラリと窺えるといえるのが「The Way You Make Me Feel」「Leave Me Alone」だが、これが『Bad』を象徴するナンバーとするのはちょっと毛色が異なる感じもするので、惜しみつつ選外に（と、こういう風にしていかないと絞り込めないんですよ……）。

　ということで、最も自身が聴いた曲のひとつに入るであろう「Bad」と、シンセ・ベースが特色のファンキー・ナンバー「Another Part of Me」、その後の一連のコンシャスでピースフルな楽曲の明確な端緒ともいえる「Man in the Mirror」を『Bad』のマイ・ベスト3としておきます。


「Bad」


「Another Part of Me」


「Man in the Mirror」


では、続いて、『デンジャラス』にいってみますか。


■ デンジャラス（Dangerous）



Jam
Why You Wanna Trip on Me
In the Closet
She Drives Me Wild
Remember the Time
Can't Let Her Get Away
Heal the World
Black or White
Who Is It
Give in to Me
Will You Be There
Keep the Faith
Gone Too Soon
Dangerous


　クインシー・ジョーンズと決別し自身がエグゼグティヴ・プロデューサーとなった、前作『Bad』から約4年3ヵ月ぶりのアルバム。プロダクションとしては、リード・シングル「Black or White」を共同制作したビル・ボトレル、エンジニアにブルース・スウェディーンの名があるが、（個人的にも）このアルバムの最大のトピックは、GUYのテディ・ライリーの参加だろう。ブックレットを開くと飛び込んでくる“THE DANCE”の見出し。エイズで死んだライアン・ホワイト少年に捧げた「Gone Too Soon」や現代の（商業的）エコ・ブームに先駆けて発信したともいえる「Heal the World」といったメッセージ・ソングもハイライトとだと思うが、90年代に入りダンスが各シーンを席巻するなかで、満を持して“マイケルの進化系ダンサブルR＆B”を提示しようとしたアルバムなんじゃないかと思う。

　冒頭の「Jam」から「Can't Let Her Get Away」まで、テディ・ライリー印のサウンドが連続する訳だが、NJS（ニュー・ジャック・スウィング）を好物として過ごしてきた自分にとっては、そこかしこにツボな部分が隠されていて、本当に選定に困る。大見得を切るような明白なコーラス・パートはそれほどないのだが、ややダークな色合いを持ちながらビートを基調としたトラックによるクールなダンス・ナンバーは、グッとくるものがある。

　「Jam」は同系統だったら『ヒストリー』収録の「2BAD」のがいいかもと思えるし（と同アルバム内での比較という原則を早速破る……ってこうでもしないと選べん）、「Black or White」はギターのループのアレンジという意外と単純な構造だけど、インパクトでいえばプロモーション・ヴィデオを相当見ていて「気に入らない」という要素が全くないし……と、あーでもないこーでもないと悩んだ結果、『デンジャラス』からのマイMJベストはこの3曲に決定！
　

「Remember the Time」


「Can't Let Her Get Away」


「Black or White」


　あまりにもベタですみません。でも、バラード入れないところが自分らしいでしょ（とフォローにならないフォローをしてみたりする）。
　次回のシリーズ3回目は、『ヒストリー』と『インヴィンシブル』からそれぞれ3曲を選びたいと思います。ダッダッ！ チコチコッ！