最近、またまた、でっかい目ヤニの塊が瞼の上下左右から何かの嫌がらせのように大量に発生している(あんまり寝てないからか?)野球狂。です、どうもー。
遅ればせながら、YOSHIKAの新作アルバム『REDWOOD TREE』を購入しました(オレの好きな丸顔だー、きゃーきゃー)。
「HMV渋谷・HMV池袋メトロポリタンプラザ・HMV銀座インズにてアルバムをお買い上げのお客様にはその後のサイン会にもご参加頂けます(先着)」ということだったのですが、購入したアルバムにはHMV渋谷でのインストアミニライヴ参加券はついていませんでした。残念(HMV渋谷で買えばよかったかな……)。って、そもそも当日(2/13)に行けるかどうか微妙なんですが。(苦笑)
さて、新作ですが、キャッチコピーとして「悲しすぎる世界を見たYOSHIKAが作り上げた 最高に温かい最新型メロウ・フォーク・アルバム」とあるのですが、確かに、メロウなフォークといえる楽曲が並んでいます。でも、これは、『STRAIGHT AHEAD』から聴いてきた自分にとっては、ある意味原点回帰というか、彼女が一番想いを込められるスタイルなのではないかと思ったりするんですね。だから、新鮮という感覚ではなくて、返った、あるいは出産を経験し母としての日常を送るなかで、生命を感じながらシンガーとしての原点に“孵った”という感じがします。
タイトルのレッドウッド・トゥリーというのは、カリフォルニアにあるセコイアの木のことで、友人に会いにカリフォルニアに行った時にその“切り株”に出会って、その想いをぶつけたといいます。「何千年も何万年も生きていたであろうその木を、人は見つけて切り落とし、その上で踊って祝った。この木は生きていたら、今どんなに素晴らしい命の形となっていただろう。その大きさでいくつの命を見守り包んでいただろう。そんな母なる姿を想像したら胸が苦しくなりました。本当に最悪だと思いました」という思いから、このアルバムが創作されたとのこと。母となり、生命ということにより意識しながら生きているYOSHIKAらしい発想というか、信念から生まれた作品といえるでしょう。
そもそも、YOSHIKAの詞世界はネガティヴな視点が多いとは思うんですが、本作では単にネガティヴではなく、本来そのものが持っている強さを感じながら、悲劇的な部分や看過している部分にフォーカスを当てているような気がします。タイトルひとつとっても、オープナーの「水」や「消えてしまう」、「Won't Cry」など、本来意識して向き合わなければならないことや警鐘を鳴らさなければと感ずることについて真摯に綴っていると思われる言葉が並びます。そこには、強く意を込めて伝えたいという想いがあるという気概が見え隠れしているようです。
ただし、サウンドは彼女の瑞々しく潤いのある歌唱を活かしたオーガニックで混り気のないハートウォームなサウンド色に統一されています。シルキーで滑らかな綺羅のごとき声色でゆったりと溶け込むように心に浸透する楽曲群は、流行や動向を追わない普遍的なものとして訴えてきます。無駄な装飾を削ぎ落としているからこそ誤魔化しの利かない、優しい肌あたりながらも説得力に長けた、人間の本質として迫っているのが素晴らしいところです。
前作『World』が生命をたたえるとするならば、この『REDWOOD TREE』は生命を危惧するもの。純度の高いスタンダードなポップ・アルバムの誕生といえるでしょう。こういう作品が多く聴かれるようにならないと、邦楽の、J-POPの浄化は進みません。必聴です。
YOSHIKA - Someday
ああ、丸顔って素晴らしい。(爆)