2戦連続120分。
シュート数はFC東京18本に対して千葉は8本。それでも120分間でPKによる1ゴールという乏しい内容が、結果的に苦しい試合へと陥らせた。
森重、権田を日本代表により欠く一方で、ベンチには廣永、河野、林に加え、2010年4月以来約3年半ぶりに平松がベンチ入りを果たした。
千葉はケンペスが出場停止となるため、森本の1トップ。谷澤がサブに入った。
千葉は流れの中での得点を土壇場で生み出した。FC東京は米倉の攻撃参加を抑え、DFの背後のスペースを突く戦術で攻勢をみせる。千葉の選手がボールを持つと速いプレッシャーをかけ、それによりミスパスやボールロストを誘発させた。だが、再三シュートを放つも正確性を欠き、またいつもよりボールを持てる、パスが通るという優位性が余裕を持ち過ぎることになったのか、ワン・テンポ、ツー・テンポ、シュートへの意識が遅い。シュートはことごとく相手DFにブロックされ、アイディアも乏しくなっていった。
90分の試合終了が近づくにつれ、千葉の粘り強さになかなか打開策を生み出せないでいるうちに、千葉のゴールを奪うしかないという意識が動きを良くさせたのか、右サイドや中央での突破を試みていた千葉。90分に、途中出場の深井が大塚の縦パスを受けた町田がヒールで落としたところに走り込み、的確に枠を捉えたシュートで同点に追いついた。
FC東京は受け身とはならなかった。だが、千葉が東京のパスミスや判断ミスを活かせずに慌ててミスで返すようなところも少なくなく、これがJ1の上位チームであったなら危険な場面となったのではと考えると、J2のカテゴリーにいる千葉の質に助けられたところも大きかった。さらに、延長を経てPKまでもつれこんでしまったのは、その千葉のサッカーに合わせてしまった東京の意識にも問題があると言わざるを得ない。
フレッシュな選手を使って、ただ勝つという目的を達成すればよいというのならば、結果として勝ち切って終われたのは良いのかもしれない。だが、リーグ前節で鹿島に完敗し、ふたたび上位へ食らいつく正念場としてのスタートを切らなければならない試合だとしたら、この試合内容は全くもって不満だ。
120分走り続けたルーカス、すぐさま相手のチャンスの芽を潰しに走った米本、速くプレッシャーを掛ける姿勢を見せた長谷川らが奮闘した一方、やや独りよがりとなってしまった三田、終盤でほとんど動きを失ってしまった東あたりは、頭と身体を一度クリアにして次に臨むようにしてもらいたい。また、途中出場し、中途半端なPKで止められた高橋は、もっと自信持ってプレイ出来るように猛省し、切り替えてもらいたい。
とりあえず、4回戦への進出は何とか掴んだFC東京。課題が多いが、それを一つずつ克服していけば質の高いサッカーを体現出来ると信じて、残り少ないリーグ、天皇杯の試合へ全力で挑みたい。
◇◇◇
≪天皇杯 3回戦≫
【日時】2013/10/13 19:04
【会場】フクダ電子アリーナ
【観衆】 9,347人
【天候】晴、無風
【気温】20.0度
【湿度】55%
【審判】(主審)今村義朗(副審)高橋佳久、川崎秋仁
【結果】
千葉 1(0-1、1-0、EX0-0、0-0、PK5-6)1 FC東京
【得点】
(千):深井(90分)
(東):ルーカス(41分、PK)
【FC東京メンバー】
GK 01 塩田仁史
DF 02 徳永悠平
DF 05 加賀健一
DF 16 丸山祐市
DF 06 太田宏介
MF 07 米本拓司
MF 08 長谷川アーリアジャスール
MF 36 三田啓貴 → MF 04 高橋秀人(61分)
MF 38 東慶悟 → MF 17 河野広貴(106分)
MF 49 ルーカス
FW 09 渡邉千真 → FW 13 平山相太(82分)
GK 21 廣永遼太郎
DF 15 平松大志
MF 32 ネマニャ・ヴチチェヴィッチ
FW 23 林容平
監督 ランコ・ポポヴィッチ
◇◇◇

美しいフォルムのフクアリ。

晴れ空に飾られるフラッグ。

天皇杯“カップを奪い取れ”。

東京ゴール裏。

千葉ゴール裏。

意気揚がるFC東京ゴール裏。

120分で決着つかずにPK戦へ。

“ユルネヴァ”で鼓舞するFC東京サポーター。

徳永のゴールが決まり、勝利に喜ぶFC東京の選手たち。

PK戦6-5で辛くも勝利。

ジェフの選手たち。なかなかいいサッカーを展開。

サポーターに挨拶するFC東京の選手たち。
◇◇◇
【天皇杯】ジェフ千葉×FC東京 PK戦
塩田のファインセーヴ連発は素晴らしいけど、3:30頃から高橋の無様なPKが…。

