■ タワーレコード新宿店15周年大感謝祭~N/E/W/H/O/T/E/L~@新宿LOFT
タワーレコード新宿店の15周年を記念したライヴ〈タワーレコード新宿店15周年大感謝祭 怒涛のライブ15連発〉の、15連発のうちの第2弾となる“~N/E/W/H/O/T/E/L~”公演に。会場は新宿LOFT。
当初、Especiaのワンマンではないので行くかどうか決め兼ねていたが、後日Orlandが出演することが判明したので、足を運ぶことにした。その時にはタワーレコード新宿店で販売されていたチケットは完売していたようなので、プレイガイドからチケットを購入。開場時間10分ほど前に現地に到着すると、道路脇に多くの人垣が出来ていた。
OrlandやEspeciaのライヴはもちろんだが、もう一つの目当てとしてはEspeciaのアナログ盤「ミッドナイトConfusion」を手に入れることだったので、入場後早速物販の列へ。列に並ぶ人の多くがアナログ盤を購入しているのを見て、少しばかり焦ったが、無事に1枚ゲットすることが出来た。
フロアはギュウギュウ詰めとまではいかなかったものの、かなりの人だかり。意外と女性も2、3割ほどいた。本編開演までやステージチェンジの間は、CHERRYBOY FUNCTIONやnorinori70のDJ陣が80、90年代の歌謡~ニューミュージック・テイストの楽曲を流してオーディエンスの身体を揺り動かしていた。
トップバッターは、目当てのOrland。名古屋発のインディ・バンドで、シンセサイザー3人とドラムという独自の編成。シンセ3人がトライアングルに向き合い、その背後にドラムという配置も面白い。左サイドのシンセ/ヴォーカルはトークボックス使い。キャッチーなシンセとセンチメンタルなメロディを押し出した、アーバン・レトロやサマー・クルージングなダンス・チューンを中心に展開していく。80~90年代のアーバン感覚、“コンピューター・エイジ”とか“ヴェイパーウェイヴ”といったフレーズが似合いそうなところは、Especiaに共通するところだ。
ザップのようなファンクではないが、AOR/フュージョン風味を巧みに採り入れたトークボックス使いの楽曲などには、非常に惹きつけられるものがあった。
Orland - The Twilight Hour
ミポリン出演(笑)のヴィデオも楽曲とナイス・シンクロ!
ミニFMでDJ、後ろに“ハムの人”こと別所哲也……ってことは、中山美穂&織田裕二主演映画『波の数だけ抱きしめて』ですかね。バック・トゥ・ザ・91!(笑)
Orland - Stardust
わたせせいぞう使うとか、アラフォー以上にいちいちツボなところがイイ。
ここに銀色夏生の詩とかエッセイが加わったらパーフェクト!(爆)
Orland - Stardust live
ライヴはこんな感じ。
Orland - Because Of You
2013年8月リリースの1st EP「Because Of You」のタイトル曲。
ブラコン(ブラック・コンテンポラリー)テイストのエレクトロ・ディスコって感じですか。いやー、かっこいい。
1曲スペシャル・コラボとして、OrlandをバックにNegiccoが「相思相愛」を歌う場面も。
2組目は星野みちる。“名は体を表わす”のか、スペーシーな映像をバックに宇宙服テイストの衣装で登場(ライヴでは2本の触覚をつけた宇宙人!?モード)。ちょっと不思議系な匂いもしたが、ショルダーキーボードに据え置きのキーボードと演奏もこなす。楽曲は、かつてニューミュージックといわれていた時代の作曲家がアイドル歌謡曲を手掛けたといった感じの正統派アイドル・ソング風。元AKB48のメンバーだったとのことだが、歌唱力もしっかりとしている。ふわふわとした肌あたりの優しいヴォーカルも含めて、デビュー当時のフカキョン(深田恭子)っぽい印象だ。
彼女の面白さは天然さと妙に軽いネガティヴ感覚。登場していきなりマイクに歯をぶつけたり、MCでは次のようなやり取りも。
星野「男の人は、女の人もそうなんですけど、浮気をするものなんですよ」
星野「この中で浮気してる人ー! いるでしょー」
星野「私は3人までは浮気を許すっていってるんですけど、だから、私を(ファンの)本命でなくていいから、浮気リストに入れてほしいです!」
星野「今日、誰のこと見に来ましたかー?」
観客「…ほ、星…みちるちゃーん!」
星野「どうせ嘘なんでしょ。negiccoさんとか、Especiaさんとか観に来たんでしょ。こんな大勢の人にあからさまな嘘つかれたの初めて」
星野「ニコニコ生放送で『今夜もちるアウト』という番組をやってます。今度は…なんと再放送です。生放送なのに」
など、緩くて憎めない部分も。楽曲や歌唱はピュアで清廉されているから、トークとのギャップで注目されるかもしれない。
3組目はもう一つの目当てのEspecia。「海辺のサティ」のリミックス・ヴァージョンから幕を開け、前半は「X・O」などのミドル~スローな楽曲を。恒例のフロア・キラー「Good Times」あたりからはアッパーな楽曲と、静と動、クールとホットを対照させた構成でのステージだ。
MCはステージ・アウト前の時だけ。見るたびにチームとしてのパワーと歌唱&ダンスに成長が窺え、上昇期であることが分かる。リーダー・冨永悠香と脇田もなりの安定感ある2トップだけでなく、それ以外の4人も2トップに急速にスキルが高まっている。もちろん、ハイレヴェルまでにはまだまだ課題はあるが、6人としての一体感と場慣れによる余裕も薄っすらと見えてきた。
この日はメンバー杉本暁音の誕生日ということもあって、白いサイリウム/ペンライト(ケミカルライト)が振られたり、パフォーマンス中に観客から花束が渡されたりと、タワーレコード新宿店のアニヴァーサリーと重なるハッピーなフレイヴァに包まれていた。
ラストはT-Palette Records(タワーレコード内のアイドル・レーベル)所属、Nao☆、Megu、Kaedeからなる新潟発の3人組アイドルNegicco。ファンが持つ先端だけ緑色で残りは白という“ネギ”をモチーフにしたサイリウム/ペンライト(“ネギライト”というのか?)がフロアで揺れていたのが印象的だった。また、トリということもあったのか、掛け声が一番アイドル・ファンならではのものだった。
個人的には小西康陽が手掛けた「アイドルばかり聴かないで」くらいしか彼女の楽曲を知らなかったのだが、爽やかでキャッチー&リズミカルな良曲ポップスが多いと感じた。これはほとんどの楽曲を手掛けているconnieの影響が大きいのか。左のKaedeがやや弱い気もするが、全体的には声も出ているし、何よりライヴ慣れしているところが見受けられた。軽快でリズミカルなダンスと上品なポップ曲風の組み合わせは、3人組ならではのバランスの良さも手伝って、ユニット名とは正反対な泥臭さのない、こじゃれた都会的な雰囲気も感じられた。
アンコールでは、タワレコ15周年、Especiaの杉本暁音、Negiccoのレーベルメイトのアップアップガールズ(仮)の森咲樹と、それぞれの誕生日を祝しての「ハッピー・バースデイ・トゥ・ユー」も。また、ステージ、フロアともに隣同士で肩組んで歌ったり(早慶戦の学生席を思い出した…笑)、面白い発見がいろいろあった。
普段はなかなか対バン形式のライヴへは行かないので、なかなか興味深い体験をした。また、この日のアーティストや曲構成が80~90年代の薫りを漂わせる(DJ含めて)セレクトだったことも、興味深さに繋がったと思う。その時代の楽曲要素にも今に受けるものが多く潜んでいるのだなと、改めて認識したイヴェントだった
◇◇◇
<SET LIST>
≪Orland≫
The Twilight Hour
Magic
Stardust
相思相愛(Special collaboration with Negicco)
Because Of You
※ 順不同、後日修正予定
≪星野みちる≫
01 私はシェディー
02 もうランデブー
03 オレンジ色
04 いじわるダーリン
05 ワンダランド
06 OUTRO~一緒に旅する君へ(a cappella)
≪Especia≫
01 海辺のサティ
02 センシュアルゲーム
03 X・O
04 ステレオ・ハイウェイ
05 Good Times
06 ミッドナイトConfusion
07 ナイトライダー
≪Negicco≫
01 イミシン☆かもだけど
02 アイドルばかり聴かないで
03 ニュートリノ・ラヴ
04 ネガティヴ・ガールズ
05 圧倒的なスタイル
06 Negiccoから君へ
≪ENCORE≫
07 パーティーについて。
◇◇◇
やはり、Orlandはかっこよかった。次に東京で単独ライヴあるなら、観に行ってみたい。
ライヴ終了後、フロアで物販が展開されたのだが、Especiaの写メ会が幅を利かせていたり、星野みちるがサインしたりするなかで、かなり手持ち無沙汰だったOrland。という訳ではないけれど、ニット帽を購入してみた。いや、懐に余裕があったら、Tシャツも買おうかと思ったんだけども。デザインセンスがいいので。次に行った時は、Tシャツも2枚くらい買おうかと思った次第(真剣に)。
それよりも、CDをゲットしなくてはだけども。