巨人が予想外の3連敗で中日が日本シリーズ進出に王手。中日は延長10回表、堂上剛が勝ち越しタイムリーを放ち、接戦をものにした。巨人は6回裏に高橋由の2ランで追いつくも、その後、ソーサ以降の投手から快音は聞かれず、抑えの西村が力尽きた。
ここまでを振り返ると、中日に勢いとともに運もあるようだ。ホールトンの思い込みもあったが、伊藤のボテボテのゴロがタイムリー内野安打になったり、昨日の8回裏の巨人・石井の鋭い打球も井端がファインプレイで阻んだり、いい当たりを打たれるも野手の正面だったり。大島のライナーは寺内が飛びつくもボールが上手い具合にライト前を転々としその間に2塁を落とし入れることに成功したりと、完全に流れは中日だ。
一方、巨人はもう負けられないプレッシャーからなのか、だんだんと伸び伸びしたプレイが少なくなってきている。また、それに追い討ちをかけるように、後手に回った選手起用が、流れを自陣に呼び込めない原因にもなってきているかもしれない。
たとえば、6回裏。高橋由伸が2ランで同点にした後、ボウカーがヒットで出塁する。二死1塁でバッターは寺内。2回にタイムリーを放っていはいるが、長打が打てる打者を代打に送って勝負しても良かったのではないか。流れが来ている時に一騎果敢に攻めなければ、逆転には繋がらない。また、7回裏、一死から長野が投手のソーサへの強襲ヒットで出塁。打球を追ってやや膝を痛めたようなソーサだったが、ここでベンチは谷に送りバントを選択。見事に二進させるも後続の坂本が倒れて得点出来なかった。打球に当たり、状態も微妙だったソーサに対して、簡単に犠打でアウトを与えてしまい、かえってソーサを楽にしてしまった。8回裏では、二死から村田が四球で出塁したが、左の小林正に対して、左のボウカーをそのまま打席に送った。こちらもヒットを放っているとはいえ、決してタイミングが合っていた打撃ではなかった。ここは矢野なり代打を送って勝負を賭けるべきだった。
巨人はもう後がなくなった。だが、期待された阿部の打撃不調は深刻さを増しているように見える。自分が決めなければという重圧からか、タイミングが全く合っていない。投手のリードにも苦心しているし、負担を減少させるためにも、4番阿部を再考してもよいかも知れない。当初はあたりがなかった村田に一発出たことは明るい材料ではあるが、まだまだ堅いところがある。
そして一番の問題は、主導権を握れない投手陣にある。中日の圧倒的な打撃に押されているという感じではなく、自分でボールカウントを悪くして球種を絞られてヒットを打たれているという感じだ。さらに、四球もあり、失点はどちらかというと自滅といったものに近い。
日本シリーズへ進出するためには、もう負けは許されない。いろいろ考えあぐねても仕方ないので、ここまできたら投手も打者もガムシャラに食らいついて、泥臭くでも良いから勝利を掴み取ることだ。巨人は一ついい勝ち方が出来れば一気に流れを変えられる力を持っているだけに、次は采配も攻めの一手で、勝利をもぎ取ってもらいたい。
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巨人×中日
CS 3回戦 東京ドーム(18:00~)
中日 021 001 000 1 5
巨人 010 102 000 0 4
【勝】
(中):武藤(1勝0敗0S)
【敗】
(巨):西村(0勝1敗0S)
【S】
(中):岩瀬(0勝0敗1S)
【本塁打】
(中):和田(6回表ソロ)
(巨):村田(4回裏ソロ)、高橋由(6回裏2ラン)
【バッテリー】
(中):山本昌、田島、ソーサ、小林正、武藤、岩瀬-谷繁
(巨):宮國、福田、高木京、マシソン、山口、西村-阿部
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今日こそは勝利を……の思いを胸に声援を送る。

高橋由伸の同点弾に沸くスタンド。

オレンジタオルがグルグル回る。

7回の“闘魂こめて”で逆転を願うが……。

中日の勝利に沸くレフトスタンドのドラゴンズ応援席。

選手たちを出迎える中日ベンチ。
あー、それにしても、3夜連続で負け試合を観戦するはめになろうとは……。
