天皇杯の4回戦、ラウンド16のうち3試合がミッドウィークに開催。シードされてこれが初戦となるFC東京は、J2の水戸と味スタで対戦。水戸は現在J2で19位と残留争いの真っ只中におり、リーグから中2日と条件は非常に厳しい。週末のリーグを優先して、多少メンバーや布陣を変更して臨んできた。
迎える東京は森重、丸山、バーンズが代表のため不在となるが、今週末は試合がないため、それほど大幅な変更はなし。中島、三田が先発に名を連ねたほか、GKには榎本が復帰。また、ベンチには田邉がスペインから復帰後、初めてメンバー入った。
水戸は東京の両SBをほぼフリーにする3バック陣形だったため、左の太田、右の徳永が自由に持てる時間が続く。さらにプレッシャーもそれほど厳しくないゆえ、相手が食いついてきたところで逆サイドへ大きく展開して揺さぶり、水戸の体力を奪っていく。水戸はミドルシュートは放つものの、東京の危ない場面はほぼ皆無。セカンドボールの奪取も圧倒的に東京に軍配が上がり、東京の時間が続く。すると、前半14分に左から攻めあがった太田のクロスに前田がニアで頭で合わせて先制。これでだいぶ楽に試合を展開することが出来た。
その後、水戸はフォーメーションを変更して4バックにするなどして対抗。一時、水戸がボールを持つ時間が増え、シュートチャンスも生まれ出すものの、決定機までには至らず。これに東京も陣形を変えて無難に対処し、最後のところで“やらせない”守備で相手の攻撃を断ち切っていく。
試合は東京のペースで進むも、1点のみだと何があるか分からないと気になりだした57分、三田に代わって投入された橋本が、交代直後に右エリア外からスーパーミドルを炸裂させて追加点を挙げると、勝敗は決した。
確かに安定した戦いぶりではあった。だが、正直なところ、得点もそうだが、もっと圧倒する内容で勝ちたかったのが本音だ。水戸はパスミスやGKのフィードミスも多発し、プレッシャーのスピードもJ1レヴェルとしては厳しいといわざるを得ないクオリティだったことを考えると、やはり得点が足りないのも否めないところ。ゴールへ攻め上がった際はシュートで終わる攻撃を増やしていきたかったところだ。特に1点入って余裕が出来たのかもしれないが、全体的にやや流して試合をしていた時間帯もあり、相手に合わせたところもあった。浦和と町田戦を単純に比べることは出来ないが、浦和は格下相手に7得点挙げて大勝。東京も少なくともあと2得点は積み重ねるくらいの気概が欲しかった。相手が格下だとしても、取れる時にゴールを取り、相手のペースに合わせることなくパフォーマンスをする部分がいま一つ欠けていたようには思う。
要するに、相手に合わせて緩いペースで試合をしてしまうと、今後強敵と対峙する時に思うように脳と身体が反応出来なくなる可能性もあるということ。今週末には試合がなく、大事なリーグ最終節までの試合間隔があるならば、なおさらだ。
次の相手は広島。リーグではFC東京よりも上位の強敵であり、それ以上に第93回の天皇杯では国立での準決勝でPK戦で敗れたというリヴェンジを果たす意味合いもある。一ヵ月ほど試合は先になるが、リーグ、CSなどを経て、味スタでの決勝戦進出へ向けて、一つずつあらゆることの精度を高めていってもらいたい。
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【天皇杯 4回戦】
2015年11月11日／味の素スタジアム／19:00キックオフ
観衆：7,294人
天候：曇
気温：21.2度 湿度：38％
主審：村上伸次／副審：八木あかね、清水崇之
FC東京 2（1-0／1-0）0 水 戸
得点：
（東）：前田遼一（14分）、橋本拳人（57分）
（水）：
≪スターティングラインアップ≫
13 GK 榎本達也
02 DF 徳永悠平
29 DF 吉本一謙
33 DF 奈良竜樹
06 DF 太田宏介
04 MF 高橋秀人
07 MF 米本拓司
08 MF 三田啓貴 → 橋本拳人（53分）
20 FW 前田遼一 → 林容平（90+1分）
38 FW 東慶悟
39 FW 中島翔哉 → 河野広貴（62分）
≪サブスティテューション≫
46 GK ブラダ・アブラモフ
50 DF 松田陸
22 MF 羽生直剛
27 MF 田邉草民
37 MF 橋本拳人
17 FW 河野広貴
23 FW 林容平
≪マネージャー≫
マッシモ・フィッカデンティ
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【天皇杯】
４回戦 11月11日(水)〇 FC東京 2-0 水 戸（H・味スタ）
準々決 12月26日(土) FC東京×広 島
準決勝 12月29日(火) （FC東京×広島）×（鳥栖・山形×川崎・G大阪）
決 勝 01月01日(金)
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