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*** june typhoon tokyo ***

FC東京 vs 北京国安【ACL】

 “三度目の正直”ならず。ACL8強の壁厚く、FC東京がACL敗退。

 2012年、2016年とACL出場時はいずれもグループステージを突破しているものの、その先へ進めていないFC東京。この2度とも中国勢に敗れており、今回は“三度目の正直”なるかと期待していたが、惜しくも北京国安に敗れ、またもや8強入りを逃した。

 序盤こそFC東京はゴールへ迫る回数を重ねていたが、中盤でのトラップミスやパスミス、アタッキングサード以降のパスや共通意識のズレが頻発。攻勢を仕掛けようとした時にレアンドロや東のドリブルが上手く足元に収まらずに相手にカットやブロックされたり、エリア付近のパス交換からスペースへボールを出して打開しようという意思は感じたものの、その途中でパスが弱く、プレスを掛ける相手に奪われたりと、パスの精度の欠如と距離感や判断が掴めないままだったのは、疲労の蓄積もあるだろう。
 それでも勝たねばならないという試合は、自身のコンディションを認識した上で適切な判断とパフォーマンスを行なう必要がある。そういった適応力という意味では、北京国安に劣っていたようだ。

 そして、今季終始課題として付きまとった決定力。8分の左CKからの渡辺のヘディング、前半終了直前でのエリア外右からのレアンドロのFKなどのセットプレーや、前半最大の決定機だった23分、中村拓海と東で右サイドから作ったチャンスにレアンドロのシュートはクロスバー上を越えてしまうなど、先制を奪えそうで奪えないでいると、守備ではレナト・アウグストをはじめとする北京国安の外国人勢の攻撃を封じるものの、推進力が減退するというジレンマに。

 相手ボールを奪取して攻勢に移ろうとする矢先にもたついて、思い描いたようなカウンターを発動させられず、ボールを相手へ与えてしまうパターンが続くと、ボールを獲られて自陣へ戻るスプリントが増え、ストレスと疲労が蓄積されていく。特に小川、中村拓海の両SBのアクション、攻撃時はクロスやパスを出すタイミングが遅れ、守備時は相手陣内でボールを奪われてからの帰陣も遅れるなど、それぞれで体力を使わされると、安部や森重も必要以上のサポートで疲労を溜めて、次第に中盤にスペースが生まれてくる。さらにワイドに、サイドへボールを集めて突破を図る北京国安は、50分のレナト・アウグストの縦への抜け出しからの折り返しの決定機をアランが外してしまうが、攻撃の糸口を掴んだようで、小川のサイドを再三突かれた後、右サイド奥に進出したレナト・アウグストが小川を振り切り折り返すと、渡辺のプレスが遅れ、森重もシュートコースへ戻ろうとするも、アランが冷静にゴールを決めた。

 先制を奪うと強いが、逆に奪われると時間とともに意気消沈したかのようにパフォーマンスの質が落ちてしまう“クセ”がここでも露見したか、中盤には広大なスペースが生まれ、バタバタする展開に。高萩、アダイウトン、さらには紺野を入れてドリブルで相手を崩すという選択肢をもたらそうとしたが、ゴールに近づいたところでの判断の冷静さを保てず、焦りがパスミスやズレを生み、シュートまでも持ち込めない状況に。質の高いクロスを求められるも、北京国安のボールキープとカウンターに翻弄させられた小川は85分に内田と交代、中村拓海に代わって入った中村帆高も右サイドを上がっていくものの、効果的なプレーは出せず仕舞い。パワープレーを出す気力もないほどの疲労困憊だったのか、アディショナルタイム4分でも、カットインした紺野が枠外ミドルを放ったくらいでシュートチャンスすら作れず、後半は北京国安の外国人勢のテクニックでいなされ、時間を費やされて試合終了。日本勢のラウンド16の初陣を飾れず、アジアでの戦いの幕を閉じた。

 変則日程による疲労の蓄積、上海申花の試合でのチン・ション(秦昇)の悪質プレーでディエゴ・オリヴェイラが負傷・離脱というアクシデントもあった。だが、これでディエゴ・オリヴェイラ頼みのサッカーからの卒業をしなければ、さらなる高みを得られないということも一目瞭然となったはずだ。敗戦は悔しいが、それでも林の怪我によってほとんどの試合でゴールマウスを守った波多野の成長、グループステージ終盤で見せた品田や紺野の可能性、原のゴールへの意識、そして運動量豊富であらゆるスペースに顔を出し、攻守に奮闘したFC東京でのMVP級の活躍をした安部は言わずもがなだが、若手を中心にアジアの地でプレー出来たことは、貴重な経験と自信になっただろう。

 だが、大切なのはこれをよき経験で終わらせずに、リーグに活かせるかどうかだ。チーム内でのポジション争いに高い競争意識が芽生えれば、今回帯同出来なかった国内待機組への十分な刺激を与えることとなり、チームの底上げにも繋がっていくはずだ。

 攻守において物足りなさが残ったことは否めないが、これを晴らすためには地道な積み重ねと勝利しかない。ひとまずは疲労回復、コンディションを調整して、無事の帰国を祈りたい。そして、国内組はリーグ残り2戦で力を出し惜しみすることなく、ピッチで躍動してもらいたい。

◇◇◇

【AFCチャンピオンズリーグ2020 ラウンド16 第1戦】
2020年12月6日(日)19:00試合開始 エデュケーションシティ スタジアム
入場者数 無観客
天候 晴 / 気温 29℃ / 湿度 51%
主審 アリレザ・ファガニ / 副審 モハマド・レザ・マンスーリ、モハマド・レザ・アボルファズリ / 4審 アブドゥルラフマン・アルジャシム

 FC東京 0(0-0 / 0-1)1 北京国安

≪得点≫
(東): 
(北): アラン(59分)

◇◇◇

【FC東京】
≪スターティングメンバー≫
GK 13 波多野豪
DF 03 森重真人
DF 04 渡辺 剛
DF 06 小川諒也  → 内田宅哉(85分)
DF 22 中村拓海  → 中村帆高(79分)
DF 32 ジョアン・オマリ
MF 10 東 慶悟  → 高萩洋次郎(69分)
MF 20 レアンドロ → 紺野和也(79分)
MF 31 安部柊斗
FW 11 永井謙佑  → アダイウトン(69分)
FW 24 原 大智

≪サブスティテューション≫
GK 01 児玉 剛
DF 37 中村帆高
DF 05 丹羽大輝
MF 15 アダイウトン
MF 28 内田宅哉
MF 38 紺野和也
MF 44 品田愛斗
MF 07 三田啓貴
MF 08 高萩洋次郎
FW 27 田川亨介

≪監督≫
長谷川健太

◇◇◇

【AFCチャンピオンズリーグ2020 FC東京 試合日程】
PO  01月28日(火)19:00〇FC東京 2-0 セレス・ネグロス(フィリピン)(H・東スタ)

≪グループステージ グループF≫
第01節 02月11日(火)19:30△FC東京 1-1 蔚山現代(韓国)(A・蔚山文殊)
第02節 02月18日(火)19:00〇FC東京 1-0 パース・グローリー(豪州)(H・東スタ)
第03節 11月24日(火)19:00✕FC東京 0-1 上海申花(中国)(H・エデュケーションシティ・スタ)
第04節 11月27日(金)22:00〇FC東京 2-1 上海申花(中国)(A・エデュケーションシティ・スタ)
第05節 11月30日(月)19:00✕FC東京 1-2 蔚山現代(韓国)(H・エデュケーションシティ・スタ)
第06節 12月03日(木)19:00〇FC東京 1-0 パース・グローリー(豪州)(A・エデュケーションシティ・スタ)

【グループF 順位表】※12/3現在
1 蔚山現代 16/6/5/1/0/14/05/+9
2 FC東京 10/6/3/1/2/06/05/+1
3 上海申花 07/6/2/1/3/09/13/-4
4 パースG 01/6/0/1/5/05/11/-6
(※勝点/試合数/勝/分/負/得点/失点/得失点)

≪ラウンド16≫
第01戦 12月6日(日)19:00✕FC東京 0-1 北京国安(中国)(エデュケーションシティ・スタ)

◇◇◇



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