*** june typhoon tokyo ***

FC東京 2025シーズン新体制始動



 心機一転、FC東京のスタイルの礎を築くシーズンに。 

 FC東京は1月10日に2025シーズンの新体制を発表。FC東京公式YouTubeチャンネルにて味の素スタジアムのロッカールームから「2025FC TOKYO新体制発表LIVE」をライヴ配信し、日々野真理アナウンサーとサッカー系インフルエンサーのウンパルンパを司会に迎え、松橋力蔵新監督や新加入選手の紹介、新ユニフォーム披露などが行なわれた。

  川岸滋也社長は体調不良のため欠席し、石川直宏コミュニティジェネレーターが挨拶を代読。タイトル争いに絡めず、東京のチームで後塵を拝したことへの謝罪と、昨季も掲げたFC東京の哲学(フットボールフィロソフィー)“ワンモアゴール”をブレずに目指し、実現し、タイトル争いをするチームになるため、松橋新監督のもとリスタートの1年としていくとした。

 続いて、監督人事や選手編成・補強について、小原光城GMが登場し、言及。まずは、2024シーズンを振り返り、過去8年で最高の1試合平均得点率(1.4)を達成したものの、チャンス構築率などの低下、失点やパフォーマンスの好不調の波が多く、戦術の明確性も欠如するなど、課題が浮き彫りになったと分析。一方で、長友佑都の日本A代表、鳥栖にレンタルしていた木村誠二をはじめ、5選手が代表選出や候補になるなど、若手の成長はポジティヴな要素だとした。

 2025シーズンは攻守における戦術の徹底と明確化により、FC東京独自の攻撃的フットボールスタイルを構築すると明言。相手陣内でのプレータイム、回数、ボール保持率を上げて、よりチャンス数を増加させるとともに、ハイプレスを中心に積極的な守備で相手陣内でプレータイムを稼ぎ、攻守ともに主導権を握ることが“ワンモアゴール”に繋がるとした。


 これを踏まえ、監督選定においては、日本人に限らず、欧州をはじめミーティングを重ねた結果、松橋監督の招聘を決定。新潟のフットボールをそのまま持ち込むのではないことを前提に、〈1〉攻撃的なフットボールスタイルを構築(2022シーズン新潟のJ2昇格時に平均得点1.73得点を記録、相手に脅威を与えるスピードある攻撃を活かす、自陣でのビルドアップの整理、ハイプレス、ミドルプレスの手腕に長けている)、〈2〉選手の能力や特徴を最大限に発揮させ、個人やチームの成長を引き出せるマネジメント力(欧州へ選手を移籍させた実績など)、〈3〉戦術の明確化をスピーディに行なえる関係性(アルベル・プッチ・オルトネダ、ピーター・クラモフスキーというFC東京を指揮した前任者と仕事を共にした経験)、という3点を選定理由に挙げていた。

 選手編成については、一定のポジションバランスは出来つつあるとして、現有戦力を残すことを中心に、核となる選手をさらに補強を進めるとのこと。ディエゴ・オリヴェイラの引退に際して生まれた穴は、同等あるいはそれを上回る選手の補強で対応し、核となる選手の補強は今後も継続していくということだった。

 新戦力としては、そのディエゴ・オリヴェイラの後釜として、鳥栖からマルセロ・ヒアンをレンタルで獲得。また、荒木や原川が抜けた中盤には、エイバルから古巣復帰となる橋本拳人を引き入れた。ライヴ配信では、DFペク・インファン、MF常盤亨太、GK後藤亘、FW山口太陽が若手新戦力として登場(ペク・インファンは金沢からのレンタルバック)。そのほか、鳥栖にレンタル移籍していた寺山翼、木村誠二をはじめ、塚川孝輝、西堂久俊、荒井悠汰がレンタル先から復帰。ジャジャ・シルバは現在交渉中とのことだった。


 松橋監督がどのような戦術、フォーメーションを執るかはこれから分かるところなので何とも言えないが、これまでの4バックであれば、徳元や中村が抜けたサイドバックはやや手薄な気もする。昨季は小泉や岡、安斎と専門ではない選手を起用して対応したが、今季もそれを含めての編成になるのか、今後に噂される室屋成の独からの移籍を目論むのかにも注目したい。
 また、ディエゴ・オリヴェイラや荒木というFC東京の核となっていた選手の存在が大き過ぎたために、その穴を埋めるための補強の数が少ないことに不安を覚えるサポーターも少なくないようだったが、昨季リーグ14得点のマルセロ・ヒアンや実績や経験豊富な橋本拳人の加入で、個人的には現有勢力と合わせてタレントは揃っていると感じている。肝心なのはその選手を適材適所に起用し、連動性や連係を高めるスタイルを構築すること。レンタルバック勢も含め、あらゆるパターンを想定しながら、一辺倒でない、臨機応変な選手起用が求められるところだろう。

 奮起を期待したいのは、まずは、怪我で多くの時間を費やし、稼働率が低かった小柏バングーナガンデ山下土肥あたり。次にレンタルからの復帰組のうち、塚川西堂荒井あたりは、結果を出さないとFC東京では生き残れない瀬戸際といえるか。そして、グレミオからの完全移籍となったエヴェルトン・ガウディーノ。ほぼインパクトを残せないまま終わった昨季から変貌し、前線のポジションの一角を奪うような活躍が出来れば、チームの底上げを見込めることは間違いない。GKは波多野野澤大志ブランドン小林後藤と4選手とも190センチ以上というスケールの大きさは魅力。児玉が抜けてヴェテランが不在となり、精神的なバックアップの面で脆さが露呈するのではという不安の声もなくはないが、長友森重などヴェテランDFからの助言やDFとの連係をより高める練習を重ねることで、課題を克服していきたい。

 小原GMは具体的な目標の明言は避けたが(目標自体はあり、共有しているが、公表は控えるという形)、個人的にはFC東京がなすべきサッカーの構築が今後常にタイトルに絡むチーム作りに繋がるための最重要事項だと考えているゆえ、2025年はすぐに優勝やACLに届かずとも良いと思う。この先5年までにリーグで優勝争いを演じ、常にタイトルに絡むために、FC東京の明確なスタイルを築き上げることが先決だ。結果に一喜一憂せず、トライを恐れない姿勢を継続して欲しいと願っている。

◇◇◇
【2025シーズンFC東京トップチーム編成】
<選手>
■GK
13 波多野豪
31 小林将天
41 野澤大志ブランドン
58 後藤 亘 ★(←FC東京U-18)
■DF
03 森重真人
04 木本恭生
05 長友佑都
06 バングーナガンデ佳史扶
30 岡 哲平
32 土肥幹太
44 エンリケ・トレヴィザン
47 木村誠二 △(←鳥栖)
66 ペク・インファン △(←金沢)
99 白井康介
■MF
07 安斎颯馬
08 高 宇洋
10 東 慶悟
17 寺山 翼 △(←鳥栖)
18 橋本拳人 ★(←西・エイバル)
22 遠藤渓太
27 常盤亨太 ★(←明治大学)
33 俵積田晃太
35 塚川孝輝 △(←京都)
36 西堂久俊 △(←岐阜)
37 小泉 慶
48 荒井悠汰 △(←富山)
■FW
11 小柏 剛
14 山下敬大
19 マルセロ・ヒアン ★(←鳥栖)
28 野澤零温
39 仲川輝人
88 山口太陽 ★(←FC東京U-18)
98 エヴェルトン・ガウディーノ

★:新加入 / △:復帰



<スタッフ>
■監督
松橋力蔵
■コーチ
奥原 崇
時崎 悠
小林 稔
小倉裕介
山下渉太(GKコーチ)
井上亮太(アシスタントGKコーチ)
■アナリスト
藤 宏明(ヘッドオブアナリシス)
池澤波空(コーチ兼アナリスト)
江頭司峻(テクニカルアナリスト)
白水優樹(データアナリスト)
浅原啓人(データアナリスト)
■フィジカルコーチ
早川直樹
安野 努
ギレルメ(コンディショニングダイレクター)
宮間幸久(フィジオセラピスト)
■トレーナー
三枝正人(アスレティックトレーナー)
青木直文
香城洋平
小澤佑介(アスレティックトレーナー)
■マネージャー
本谷健太(チーフマネージャー)
飯野一徳(マネージャー兼通訳)
リカルド・アキラ(通訳兼エキップ)
佐藤隆也(マネージャー兼エキップ)
■ホペイロ
山川幸則
■チームパフォーマンスアドバイザー
福富信也
■GKプロジェクトリーダー
高桑大二朗



◇◇◇

【FC東京 新体制発表に関する記事】
2009/01/24 【FC東京】 2009年新体制
2010/01/24 FC東京 2010
2014/02/04 FC東京 2014 陣容&日程
2015/01/17 FC東京 2015年 トップチーム編成発表
2016/01/14 FC東京 2016シーズン体制発表
2017/01/15 FC東京 2017シーズン体制発表
2018/01/14 FC東京 2018シーズン トップチーム編成発表
2019/01/12 FC東京 2019シーズン新体制発表
2020/01/24 FC東京 2020シーズン スケジュールからみる展望
2021/01/25 FC東京 2021シーズン新体制発表 ~ LIFE with F.C.TOKYO
2022/01/15 FC東京 2022シーズン新体制発表
2023/01/11 FC東京 2023シーズン新体制発表
2024/01/16 FC東京 2024シーズン新体制始動
2025/01/10 FC東京 2025シーズン新体制始動(本記事)

◇◇◇



ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「FC東京」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事