
今季三度浦和に逆転負けを食らい、ルヴァンカップ決勝進出は崖っぷち。
ルヴァンカップ準決勝の1stレグは、後半に浦和が逆転して勝利。アウェイゴール2得点を決めて、決勝進出に有利な展開へ進めた。
前半は序盤から浦和のペース。FC東京は幾度となくピンチを迎えるも、秋元のビッグセーヴや浦和攻撃陣のシュートミスなどによって辛うじて無失点のまま、長く耐えしのぐ時間が続く。
後半開始直後はFC東京が東の惜しいFKなどでペースを取り戻し、チャンスを演出すると、49分に右サイドに進出した室屋のニアへのクロスを羽生がバックヘッドでそらしたところへファーサイドに走り込んだ東が頭で押し込み先制点を挙げる。最近の試合では得点直後に失点を喫するパターンが多かったが、ここでは失点に細心の注意を払って守備を固めながら、カウンターに重心を置いた攻撃で追加点を狙う。だが、得点機をものに出来ないでいると、選手交代をしながら浦和が反撃。FC東京はボランチが最終ラインに吸収され、ズルズルと下がる場面が多くなると、77分に左サイドのボックス外で興梠との連係で中央へカットインした高木にミドルシュートを決められ同点に。さらに、3分後の80分には橋本が不用意にボールを奪われてから、平川の右サイドからのグラウンダーのクロスを武藤に決められ逆転。FC東京は平山、ネイサン・バーンズと攻撃の交代カードを切るも、決定機をなかなか生み出せず、6分のアディショナルタイムも浦和に巧く時間を使われて敗戦。決勝進出には痛いアウェイゴール2得点を与えて終了した。
これで今季浦和と対戦した3試合全てに逆転負け。FC東京、浦和ともども日本代表に選出されたキープレイヤーを欠く布陣だったが、FC東京が守備の要の森重と丸山の二人CBと怪我でしばらく戦列を離れるSBの徳永の穴を埋められなかった一方で、浦和にGK西川、DF槙野、MF柏木を埋められる層の厚さの違いを見せつけられた形だ。
しかしながら、浦和が素晴らしい出来だったかというと、そうでもなかった。FC東京は浦和の前線にハイプレスを掛けるのはいいとしても、そのセカンドボールが奪えずに浦和にロングフィードで打開される展開に苦心。特にボランチが時間が経つとともに振り回される場面が多くなり、後半に同点とされる前後から疲労の色が隠せなくなると、瞬時の判断や球離れも鈍り、最終ラインい吸収されて浦和への攻勢の流れを強めてしまった。今季、幾度となく目の当たりにした光景だが、そこを改善しない限り、ハイプレスを掛けて先制しても、終盤に逆転されるという構図は崩れそうにない。
全体的に言えるのは、幾度となく言ってきているが、相手陣内へ攻め込むスピードと球離れや判断など瞬時のスピードが相変わらず遅いことだ。攻撃一つをとってみても、ビルドアップの段階でボールを足元に入れてからルックアップ、出しどころを探すというタイムロスを常に抱えていては、相手も対応しやすくなる。カウンターで一気に相手陣内へボールを運び、守備の枚数が揃わないなかでシュートを撃ち切れず、結局ボックス付近でボールをこね回したり、カットインして相手DFを振り切ろうとするも振り切れずにシュートチャンスを失う場面が散見。また、攻撃も単調なものが多く、スペースがある左サイドでボールを待ち受ける小川へのサイドチェンジなどヴァリエーションに富んだ展開も皆無。中島の個人技に多くを頼る戦術だけでは、なかなか浦和へ波状攻撃はかけられない。そして、攻撃で攻め切れないツケがその倍となって急造ディフェンスに襲いかかり、またしても90分間耐え切れずに同じ結果を招いてしまったとしては、課題を修正出来ていないと言われても致し方がない。
ただ、考え方を変えれば、どの試合も先制は出来ている。つまり、思っている以上に浦和に圧倒されている訳ではないということだ。短い時間で立て続けに失点を喫しているため、実力差が顕著になっているような印象だが、どちらかというと自らが崩れてしまって畳み掛けられる展開が多いだけで、得点機は生み出せている。問題はゴールへの執念をいっそう高められるかということで、ゴールが見えたらシュートを撃って終わる、素早いボール回しで相手を動かし続けるということを連続して仕掛けられるかということがカギとなってくるはずだ。
アウェイゴール2得点を奪われたFC東京は、2ndレグは最低でも2得点差、2-0や3-1以上でないと決勝へは進めない。得点を積み重ねていかなければダメというある意味シンプルな状況をポジティヴに考えて、90分間ゴールを奪い続けるサッカーで意地を見せたいところだ。
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【YBCルヴァンカップ 準決勝第1戦】
2016年10月05日/味の素スタジアム/19:34キックオフ
観衆:13,354人
天候:曇のち雨、中風
気温:25.0度/湿度:80%
主審:家本政明/副審:八木あかね、中野卓/4審:中井恒/追加副審:村上伸次、福島孝一郎
FC東京 1(0-0、1-2)2 浦 和
得点:
(東):東慶悟(49分)
(浦):高木俊幸(77分)、武藤雄樹(80分)
≪スターティングラインアップ≫
47 GK 秋元陽太
06 DF 室屋成
04 DF 高橋秀人
29 DF 吉本一謙
25 DF 小川諒也
27 MF 田邉草民
37 MF 橋本拳人
22 MF 羽生直剛 → 河野広貴(68分)
38 MF 東慶悟
39 MF 中島翔哉 → ネイサン・バーンズ(82分)
20 FW 前田遼一 → 平山相太(80分)
≪サブスティテューション≫
31 GK 圍謙太郎
10 MF 梶山陽平
17 MF 河野広貴
34 MF 野澤英之
48 MF 水沼宏太
09 FW 平山相太
16 FW ネイサン・バーンズ
≪マネージャー≫
篠田善之
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【YBCルヴァンカップ】
≪準々決勝≫
第1戦 2016/08/31(水)19:30△FC東京 1-1 福 岡(H・味スタ)
第2節 2016/09/04(日)19:00〇FC東京 2-0 福 岡(A・レベスタ)
≪準決勝≫
第1戦 2016/10/05(水)19:30×FC東京 1-2 浦 和(H・味スタ)
第2節 2016/10/09(日)14:00 FC東京×浦 和(A・埼 玉)
≪決 勝≫
第1戦 2016/10/15(土)13:05 未 定×未 定(埼 玉)


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