
前回の〈マイ・フェイヴァリッツ・ライヴ・アウォード〉から少しばかり時間が経ってしまいましたが、独断と偏見で決める〈マイ・フェイヴァリッツ・アルバム・アウォード〉の2015年版をお送りします。
毎年言っておりますが、個人的な嗜好上、R&B、ソウル、ファンク、ヒップホップなどのブラック・ミュージック系やダンス、J-POP等にかなり偏っていますので、ロッキンなものを期待して拙ブログに飛んできてしまった
また、本来なら選ばれてもいいクオリティの作品を「新作をチェックする時間や機会があまりなかった」という言い訳のもとスルーしていることが多々ありますが、そのあたりもご容赦を。ひとまず、現時点で思い出せるだけのものから、今のテンションでセレクトしたマイ・フェイヴァリッツの上位作品を列挙していきたいと思います。
まずは、2015年で特に気になったアルバムをご紹介。
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01 Angie Stone/Dream
02 Bilal/In Another Life
03 Brandon Williams/XII
04 Christian Rich/FW14
05 Dam Funk/Invite The Light
06 Dornik/Dornik
07 The Foreign Exchange/Tales From The Land Of Milk And Honey
08 The Internet/Ego Death
09 Janet Jackson/Unbreakable
10 Jarrod Lawson/Jarrod Lawson
11 JD73/Make Your Move
12 Lalah Hathaway/Live
13 Portia Monique/Portia Monique
14 Raheem Devaughn/Love Sex Passion
15 The Steve Mcqueens/Seamonster
16 Tony Momrelle/Keep Pushing
17 Tortured Soul/Hot For Your Love Tonight
18 Tuxedo/Tuxedo
19 Vivian Green/Vivid
20 Especia/Primera
21 久保田利伸/L.O.K
22 CICADA/Bed Room
23 水曜日のカンパネラ/ジパング
24 一十三十一/The Memory Hotel
25 LIBRO x 嶋野百恵/オトアワセ
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買い忘れ、チェックし忘れ、聴き忘れの作品多数あり。机の上や横にCDがタワーのように積み重なり、これが本当のタワーレコード、なんてくだらないことを言いたくなるくらいの体たらくですが、ひとまずこの25作品をエントリー。
おそらくそこらじゅうでラインナップされるケンドリック・ラマーは買いましたが、各メディアが称賛するほどなのか? と思った次第。駄作ではないけれど。アデルは単に個人的な嗜好と合わないので。ハイエイタス・カイヨーテは試聴した段階では、前作ほどのインパクトはなかった気がしたし、ひっそりとリリースされたデュラン・デュランの新作はまだ聴いてません(苦笑)。
といったところで、過去の受賞作品をおさらいしておきます。
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□ 2005年
ERIC BENET『HURRICANE』
□ 2006年
NATE JAMES『SET THE TONE』
□ 2007年
洋楽部門:LEDISI『LOST & FOUND』
邦楽部門:AI『DON'T STOP A.I.』
新人賞 :CHRISETTE MICHELE『I AM』
功労賞 :ICE
□ 2008年
洋楽部門:Raheem DeVaughn『Love Behind The Melody』
邦楽部門:有坂美香『アクアンタム』
新人賞 :Estelle『Shine』
□ 2009年
洋楽部門:CHOKLATE『To Whom It May Concern』
邦楽部門:該当作品なし
新人賞 :RYAN LESLIE『Ryan Leslie』
□ 2010年
洋楽部門:ERIC BENET『lost in time』
邦楽部門:久保田利伸『TIMELESS FLY』
新人賞 :JANELLE MONAE『THE ARCHANDROID』
特別賞 :『SR2 サイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム オリジナルサウンドトラック』
□ 2011年
洋楽部門:KELLY PRICE『KELLY』
邦楽部門:MISIA『SOUL QUEST』<“77 Minutes Of MISIA”Mixed By MURO>
□ 2012年
洋楽部門:SY SMITH『Fast And Curious』
邦楽部門:AISHA『I,Shout!!!』
□ 2013年
最優秀作:Joe『Doubleback:Evolution Of R&B』
特別賞 :Maxine Ashley『MOOD SWINGs』(配信作品)
□ 2014年
最優秀作:Jesse Boykins III『Love Apparatus』
新人賞 :Tinashe『Aquarius』
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2015年はジェシー・ボイキンス・3世『ラヴ・アパラタス』を最優秀作、ティナーシェ『アクエリアス』を新人賞としました。ティナーシェは今年5月に単独来日公演が予定されていて、2ndアルバム『ジョイライド』とともに期待されます。
2015年は、個人的な嗜好という意味では突出したアルバムはそれほどなかったと思いますが、質の良い作品が揃っているという印象を受けました。したがって、非常に“この一枚”を選ぶのが難しかったとも言えます。そのうえ、チェックしていない作品も数多くあり、そのあたりも候補に入っていたら、さらに頭を悩ませること必至だったと思います。

それでは、2015年のマイ・フェイヴァリッツ・アルバムの発表です。
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【MY FAVORITES ALBUM AWARD 2015】
【第5位】

タキシード『タキシード』
(Tuxedo/Tuxedo)
メイヤー・ホーソーンとジェイク・ワンによるディスコ/ファンク・ユニットの1stアルバム。近年のファンク/ブギー路線を見事に継承してヒットを放つ。来日公演もソールドアウト続出。サマソニでも喝采を浴びた。洋楽の中では一番聴いたアルバムかもしれません。
【第4位】

LIBRO×嶋野百恵『オトアワセ』
ラッパーのLIBROとシンガー・ソングライター嶋野百恵とのコラボレーション・ミニ・アルバム。互いに思いを伝え合うような形式で、ヒップホップとR&B作風のJ-POPとを行き交うさまが静かな興奮を生む。“モエ”こと嶋野百恵は相変わらずいいムードを創り上げるのに長けた歌手ですな。
【第3位】

CICADA『BED ROOM』
このところ急激に注目を浴びている5人編成のユニットの初アルバム。オルタナティヴR&B、ヒップホップ、ジャズなどを包含したサウンドが心地よい。紅一点のヴォーカル、城戸あき子の歌唱も世界観の創出に貢献。
【第2位】

レイラ・ハサウェイ『レイラ・ハサウェイ・ライヴ』
(Lalah Hathaway/Lalah Hathaway Live)
父ダニー・ハサウェイの名盤『ライヴ』と同じスタジオでレコーディングしたレイラ念願のライヴ・アルバム。父のマスターピース「リトル・ゲットー・ボーイ」のカヴァーも。惜しくも〈マイ・フェイヴァリッツ・ライヴ〉との二冠はならず。
それでは、第1位、最優秀アルバムの発表です。
【第1位・最優秀作品】

ドーニク『ドーニク』
(Dornik/Dornik)
英ロンドン・クロイドン地区出身のシンガー・ソングライターのデビュー作が第1位、2015年の最優秀アルバムを獲得。ジェシー・ウェアとさまざまなツアーを周った後、ジェシ―のほかディスクロージャーやジュリオ・バッシュモアほか現在のUKシーンで注目を浴びるアーティストが多数所属する名門レーベル〈PMR〉と契約し、卓越したソングライティングとゆるやかでソウルフルな歌声が“マイケル・ジャクソンへのUKからの返答だ”(ザ・ガーディアン紙)と言わせたほど。
正直、マイケル・ジャクソンへの返答とは思わないが、ファルセットで繰り出す繊細なヴォーカルワークやファンキーなグルーヴなどはマイケルと似ている部分もあるかも。
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先ほど、洋楽の中では一番聴いたアルバムはタキシード『タキシード』かもしれないと述べたが、ちなみに邦楽では断然Especiaの『プリメーラ』でした。5位以内にも入れたかったのですが、邦楽においては、完成度という意味では僅かの差でCICADA『Bed Room』やLIBRO×嶋野百恵『オトアワセ』に及びませんでした。昨年もEspeciaの『GUSTO』を最もヘヴィローテーションしてたはずで、Especiaは2年連続でランクインにあと一歩でした。2016年のアウォードでは、今年2月の新作『CARTA』に既発作品以上の期待をしちゃいましょうか。
それでは、最優秀作品ドーニク『ドーニク』収録の「ストロング」のヴィデオを見ながら終わりたいと思います。
Dornik - Strong
2016年もグッド・ミュージックに出会えることを期待して。


