goo blog サービス終了のお知らせ 

*** june typhoon tokyo ***

LISA@O-EAST

Lisabest LISA、デビュー14年目にして初のワンマン・ライヴ、LISA LIVE PREMIUM 2007 “THE GOD SISTA”@Shibuya O-EASTへ参戦してきた。スペシャル・ゲストとして、当初VERBAL(m-flo)とRyoheiのm-floファミリーがアナウンスされていたが、後ほど☆Taku(m-flo)の参加も決定。m-flo時代の曲や“loves”した曲のアクトが確実な布陣。仕事を終えてO-EASTへ到着すると、入り口には多くの花が。m-floはもちろんのこと、SOUL'd OUTや倖田來未らの名前もあった。

 m-floを脱退してソロ・シンガーとしてやってきたLISAですが、m-floがLISAが在籍していた3人時代以上に爆発的な人気を博している現在を考えると、LISAはリリース面では必ずしも成功したと断言できる位置にはいないのも事実。シンガーは売り上げが一番だということはないけれど、m-flo時代での人気を思うと、正直ちょっと寂しいと思うところも。
 今回のベスト・アルバム『LISABEST』をリリースしてのツアー、彼女にとって初のワンマン・ライヴとなる訳ですが、そこで内容はともかく、どれだけ集客できるかということも、彼女にとっては今後を左右する大きな命題だったのではないかと。その意味からも、このベスト・アルバムやワンマン・ツアーにかける彼女の思いは、並々ならぬものがあったと推察出来るし、ファンにとってもそれを見定める機会になるのではないか……そう考えながら、会場へ足を運んだ。

 ステージはDJ HORIIのターンテーブルが中央にセットされるのみというシンプルなもの。バックは円形の映像スクリーン、前にせり出したアーム・タイプのスポットライトが左右2機。ただ、そのアーム部分でステージ右前列にいた自分からは、あまりバック・スクリーンが見えなかったが。スクリーンとターンテーブル・セットには、“GOD SISTA”の文字。

 幕がバッと降りると、アルバム『LISABEST』カラーでもある紫色のレザースーツ風衣装でLISAが登場。“Yeah~(↓)、Yeah~(↑)、YeahYeahYeah!”のフレーズがフックの「I, Rhythm」、哀愁あるスパニッシュ風ギターをアクセントにしながら、サビフレーズのコール&レスポンスで盛り上がる「It's On」というアッパーな展開でスタート。一気にパーティを熱くしようというLISAの心意気が感じられる。オーディエンスもそれに呼応し、ヴォルテージがあがる。

 「わたしはレゲエも好きでさぁ」というフリから“ティンガリガリン…”のコールを促すピースフルな「Peace in Love」、そして「これをANIKIが聴いたらどうおもうかなぁ~…」「まさかこの歌をここで歌うとは思わなかったよ」といって「とんぼ」へ。「この曲はみんな知ってんだろ~」との煽りでオーディエンスもサビフレーズを大合唱。「こっから…わかってるよねぇ?」とのフリで“オーオーオーオオ、オオオオ、オー”LIKE A 清原の応援歌風にオーディエンスも呼応。それに指でOKをつくってLISAも笑顔だ。

 一旦、ステージ・アウトしてキーボードと譜台が用意され、キーボーディストとギタリストが登場。2人によるインストゥルメンタルで「Best wishes」「Stay Forever」を披露。演奏後温かい拍手に包まれる。その後、白いミニにカットされたドレス風の衣装にチェンジしたLISAがステージ・イン。「時間の関係とかでたくさんの曲が出来ないけど、その代わり2人にインストだけど『Best Wishes』『Stay Foever』を弾いてもらって、みんなに聴いてもらおうと思った」とLISA。続いて、LISAが歌手になるきっかけとなった最初の曲(実家前に建ったビルに音楽事務所があって、その社長が実家の“やきとり天国”に飲みに来た時に両親が『今、うちでゴロゴロしてるけど、娘歌うまいよ』と紹介し、その後、じゃあ何か歌ってみてと言われて歌った曲)、シンディ・ローパーの「Time After Time」を。数多くのアーティストにカヴァーされるこの曲には、何かシンガーを虜にする魅力が多く詰まっているのだろう。LISAとは年齢が異なるが、彼女が影響を受けたというシンディ・ローパーやマドンナ、ホイットニー・ヒューストンらをリアルタイムで聴いていた自分も、シンディの「Time After Time」には何かこう神秘的な力すら感じる何かがあるような気がしてならない。また、そのように思えるということは、LISAが歌う「Time After Time」には魂(ソウル)が詰まっているということの証左にもなるだろう。
 時間の関係かアコースティック・セットで歌われた曲の多くはフル・ヴァージョンではないような気がしたが、そのアクトでの肝は、ベスト・アルバムのリリースに際して新録された「Our Story」と「言えなくても…」のバラード。大阪のライヴでは感極まって泣いてしまったというこの曲だったが、泣かずに歌えた。「泣かずに歌えた~乗り切ったぞぉ~!」と思わず出た言葉に、彼女のこのステージにかける意気込みを大いに感じた。

 Ryoheiが登場すると、LISAの顔に安堵の色が。尊敬するLISAとこうやってステージでやることが出来て幸せだと関西弁(京都弁?)で語るRyohei。「でも考えてみると、朝から仕事や学校に行って、それ終わってここに駆けつけてくれてるみんなのが凄いなぁ~と思ったよ」と観客に思わず逆リスペクト(!?)。Ryoheiの“R”と尊敬するLISAの“L”をタイトルに込めたというフリから「ReListen」へ。どちらかというとソフトでハスキーで繊細と思われているだろうRyoheiの声だが、このステージではグンと前へ踏み込むような、そして凛としながらも温もりを感じさせる歌唱でLISAとのステージを楽しんでいる様子が窺えた。Ryoheiのナイーヴな印象が少しは変わった人もいるのかも、とも思えた。そして、何よりこの2人は“感謝”という心で繋がっているのだなぁ、とつくづく感じたアクトだった。

 DJ HORIIのアクトから場内にスモークが立ち込める演出で、今度は黒のミニタキシード&ホット・ミニ・パンツ風スタイルでram jam world時代の「planet earth」を。☆Takuと出会う前に歌った曲で、「普通キーを下げたりするんだけど、原曲のキーのままで歌えた!」と嬉しい顔をみせるLISA。そして、終盤はふたたびアッパーな展開へ。ラストは、新曲「tomorrow」で本編は幕。

 アンコールは、DJ HORIIが「TRIPOD BABY」をセットしてすぐはけると、VERBAL、LISA、☆Takuが登場し一気にステージへと観客が押し寄せる。「LISAのファンは、ヤバイね~」と☆Taku。「あたしは☆Takuの歌うパートが大好きで、☆Takuが歌う時ずっと見てんの。で、そのパートが終わると(ジェスチャーしながら)クル・クル・パーってやってやんの。いい意味でクレイジーだって意味で」とLISA。「え、それ今流行ってんの?」と食いつく2人。「いや、流行ってるっていうか、☆Takuはもう本当にクル・クル・パーだなーって。あのフレーズを真面目に歌ってるなんてクレイジーでしょ?」とLISA。それに対して☆Takuが「申し訳ないけど、あれ歌ってる時は、(観客のみんなじゃなくて)LISAだけに向けて歌ってるから」……3人が揃うとファミリーというかホームへ帰ってきたという雰囲気が流れる。そのためか、グダグダなチル・トークへと繋がることもあるが。(苦笑)
 で、 「この3人がここにいるということはぁ~?」「あの曲をやっちゃうってことですか~」とVERBALが煽って、お約束(笑)の「come again」へ。スキルなどは関係ない、そこにはただこの時間を3人で向かえることが出来たという悦びが、ステージを満たしていたようだった。

 「本当に今日はありがとう。次でラストになっちゃうけど」というと、「エーッ」というオーディエンス。すかさずLISAが、「さっきもいっただろー。It's OK?」というと、一斉に「Rock'n Roll!!!!!」とレスポンスして、「バビロンの奇跡」へ。手を天高く突き挙げてロックオンしたアクトは、満面の笑みと充実感をもって終了。「よぉし、アルバム出したらツアーやるしかないだろ!」「アルバム・ツアーやってやるぅ!」と自分に言い聞かせるようにしてステージ・アウト。
 ここで終了と思ったら、再度LISAが駆け足で登場。観客に感謝の言葉を述べて礼をして帰っていった。ライヴ前は神経質になったり、不安が募っていたのだろう。ワンマン・ライヴをやり遂げることが出来たということと多くのファンに囲まれてライヴが出来たことに、いてもたってもいられず感謝したくて出てきたのかもしれない。

 「人生はロックンロールなんだよ」
 「神様は地球人に喜怒哀楽っていう素敵なものを持たせてくれたんだから感謝しなきゃ」
 「もっと感じる、FEELということを大事にして。日本人は特に」
 「人生はアップ&ダウン。嫌なことをしてくるヤツもいるけど、心の中でそうしてくれてアリガト。これでまたアップしていけると思えばいい」
 「あたしも(恋愛で)傷ついた。確かに辛いけど、でもこれで歌が書けるじゃんって。相手には悪いけどぉ」



多くの言葉を伝えていったLISA。
そして、「言えなくても…」を涙なしに歌いきったが、ラストの曲を歌う前のMCではとうとう涙声に。
苦難の道のり。それは誰にでもある。
ただ、それを乗り越えたところに、至極の時間が待っているのだ。

 今回、ライヴ構成の点からみると、改良すべき箇所もあったと思う。
インスト・セクションへの流れは決してスムースだったとはいえない。キーボードや椅子、譜面台のセッティングなどで間があったし、そこからインスト2曲というという流れもそう。(インスト・パートが悪いというわけではなくて、衣装チェンジタイムだと明らかに伝わってしまう雰囲気が出てしまうのではないかという観点で)
アコースティック・セクションも、多くの曲をやるに越したことはないが、LISAの歌唱力の素晴らしさを伝えるなら曲を絞り込んでフル・ヴァージョンでやった方が良かったと思うし。(その分、「言えなくても…」により魂を込めていて、大阪では涙してしまったのかもしれないが)

 だが、ソロ・シンガーとしてワンマン・ツアーをやり遂げることが出来たその充実感。それを彼女が得たということに今回は尽きるのではないか。「正直、このツアーが始まる前、ビビッてた…」とこぼしてしまった言葉こそ彼女の本音だ。それは、1人ライヴすることの恐さではなくて、このままソロ・シンガーとして、歌い手としてやっていくべきなのだろうか、という自問自答だったと思う。ソロ・シンガーとしてデビューした彼女だが、実質はm-floのヴォーカリストというのが世間の認識するところ。ソロに際しては、時に辛辣なバッシングなども受けたことだろう。彼女の意志とは違う憶測も飛び交い、多くの根拠のない、彼女にしてみればいわれのないことに悩まされ続けたと思う。セールスに結びついて大成功を収めているならまだしも、m-floを脱退したことがネガティヴな因子としてずっと語られ続けていたのだから。

 そこで原点に回帰したLISA。歌うこと…単純でありながら実に続けることが難しいこの行為に取り組んでいくしかない、そう決意しての今回のライヴだったと思う。いろいろな考えが巡って、結局は彼女が感じたこと=FEELINGに賭けたのだ。彼女を救い助けた音楽を求めようと、そして多くの思いをリスナーに届けたいと。

 MCで、「デビューして14年。ソロ・アルバムも出したけど、やっと初めてワンマン。遅くな~い?」と腕時計を指差すジェスチャーで語り、「握手会の時、ファンにソロ・ライヴはいつやるんですかって聞かれて、その場にいたマネージャーにどう?って聞いたら、あっけなく『いいっすね』だって。こんなに待ったのに、軽~く『いいっすね』って…って、アタシも気づけって話だけど」と笑いながら話したLISA。人生はあっという間、だからこそ瞬間瞬間を大切にしたい……という思いがヒシヒシと伝わってくる。
 確かに時間はかかった。まだソロ・アーティストとして足りない部分もあろう。だが、ここからが第一歩。その第一歩を刻めたという意味では、非常に意義のあるライヴだったと思う。そして、彼女が「やっていこう」と強く思えた、その支えとなったのが協力してくれるミュージシャンたちであり、スタッフ・関係者であり、そして会場へ足を運びまた彼女の曲を聴くリスナーであるのだ。だからこそ、彼女は感謝の意を何度も何度もこめたのだと思う。音楽に生かされることが出来る悦びを得たLISA。これをリスナーに数多く還元していくことが、彼女の使命なのだから。

 もがいてボロボロになった人間が上を向いて走り出す時ほど強く恐いものはない。彼女のソロ・アーティストとしての真のスタートは、これからだ。そう、“羽ばたいていく for tomorrow's another kiss…”という「tomorrow」の歌詞のように。


◇◇◇

Lisa_1 会場の2F席は「みんなチルしちゃってるね~」@LISAな状態だったが、「一人だけめちゃくちゃ盛り上がってる人が。名前を出したらすごいことになるのでいわないけど…」というのは、倖田來未だったよう。
 無理だろうな、とは思っていたけど、出来れば「SWITCH」やって欲しかったなぁ。個人的にはLISAの曲で一番好きな曲だったので。まぁ、Heartsdalesが解散しちゃったからね。Ryoheiにラップ・パートをしてもらう訳にはいかないだろうし。(爆)

 それと、m-flo時代を知らないだろう年齢層、特に女子が多くいたのは意外。でも、それはLISA自身の曲に惹かれてやってきているということで、いいことだと思うけども。

 あと、ステージ激近くからみたLISAのバストはド迫力でした。(爆)

◇◇◇

<SET LIST>

00 INTRO
01 I, Rhythm
02 It's On
03 My Dearest
04 So Beautiful
05 Peace in Love
06 とんぼ

≪Acoustic Set≫
07 Best Wishes(inst.ver.)
08 Stay Forever(inst.ver.)
09 Time After Time
10 Eternal Flame
11 Our Story
12 言えなくても…

13 ReListen feat. LISA (with Ryohei)
~DJ HORII SECTION~
14 planet earth
15 I'm all you
16 Superstar
17 move on
18 tomorrow
≪ENCORE≫
19 TRIPOD BABY (m-flo loves LISA)
20 come again (m-flo)
21 バビロンの奇跡


DJ: DJ HORII
Key: JUNKO
G: Takashi Yamaguchi

LISABEST-misson on earth 9307-(DVD付)/LISA

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「ライヴ」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事