昨年の12月に、iTunes Storeが年間チャート上位100曲を発表してました。自分はダウンロードで楽曲を入手するという手段はほとんどしない(パッケージになっていないアーティストのアルバムをダウンロードしたことはありますが…ラヒーム・デヴォーン『The Art of Noise』とかね)ので、現在主流の着うたや配信系のチャート楽曲には明るくないと思われますが、では、そのチャートでどのくらいの楽曲を持っているのかということを、ちょっと試しに数えてみました(当然、自分はパッケージ=CDとして持っているものがそれに相当する)。TOP100曲のうちほとんど持っていなかったら時代に乗り遅れている……という訳ではありませんが、主流になっているダウンロード派とどれだけ乖離があるのかということの要素のひとつにはなるのではないでしょうか。
◇◇◇
≪iTunes Store 2009 TOP 100 SONG≫
※ 左から(順位/タイトル/アーティスト)
01 遥か / GReeeeN
02 Butterfly / 木村カエラ
03 歩み / GReeeeN
04 366日 / HY
05 イチブトゼンブ / B'z
06 キセキ / GReeeeN
07 刹那 / GReeeeN
08 My SunShine / ROCK'A'TRENCH
09 Alright!! / Superfly
10 みんな空の下 / 絢香
11 夢を味方に / 絢香
12 桜 / FUNKY MONKEY BABYS
13 ありあまる富 / 椎名林檎
14 春夏秋冬 / ヒルクライム
15 My Best Of My Life / Superfly
16 Garden feat. DJ KAORI, Diggy-MO', クレンチ&ブリスタ / May J.
17 Share The World / 東方神起
18 キミに贈る歌 / 菅原紗由理
19 恋する瞳は美しい / Superfly
20 Someday / EXILE
21 愛唄 / GReeeeN
22 君のすべてに feat. JUJU / Spontania
23 今夜はブギー・バック / TOKYO No.1 SOUL SET + HALCALI
24 Come Back To Me / Utada
25 優しい光 / EXILE
26 やさしい気持ちで / Superfly
27 愛をこめて花束を / Superfly
28 Everybody / JAY'ED
29 扉 / GReeeeN
30 STAY / コブクロ
31 アイシテル / MONKEY MAJIK
32 Ti Amo / EXILE
33 Beautiful World / 宇多田ヒカル
34 純恋歌 / 湘南乃風
35 虹 / コブクロ
36 赤い糸 / コブクロ
37 小さな恋のうた / MONGOL800
38 20センチュリー・ボーイ / T. Rex
39 Poker Face / Lady GaGa
40 WILD / 安室奈美恵
41 Story / AI
42 Straight Through My Heart / Backstreet Boys
43 いますぐに・・・ / AZU
44 三日月 / 絢香
45 さよなら / かりゆし58
46 I Gotta Feeling / Black Eyed Peas
47 一粒大の涙はきっと / Hi-Fi CAMP
48 Sunrise ~LOVE is ALL~ / 浜崎あゆみ
49 ふたつの唇 / EXILE
50 New Divide / Linkin Park
51 We Are the World / U.S.A. for Africa
52 For You / lecca
53 ラバソー~lover soul~ / 柴咲コウ
54 碧いうさぎ / 酒井法子
55 Just Dance / Lady GaGa featuring Colby O'Donis
56 home / 木山裕策
57 伝えたい事がこんなあるのに / INFINITY16 welcomez 若旦那 from 湘南乃風 & JAY’ED
58 時の足音 / コブクロ
59 蕾(つぼみ) / コブクロ
60 LIFE / キマグレン
61 さよならをキミに... feat. Spontania / Tiara
62 It's all Love! / 倖田來未 × misono
63 AM11:00 / HY
64 どうして君を好きになってしまったんだろう? / 東方神起
65 Celebration / Madonna
66 Dr. / 安室奈美恵
67 そばにいるね / 青山テルマ
68 Boom Boom Pow / Black Eyed Peas
69 ニホンノミカタ-ネバダカラキマシタ- / 矢島美容室
70 最愛 / KOH+
71 M / つるの剛士
72 FIREWORKS / EXILE
73 睡蓮花 / 湘南乃風
74 Winding Road / 絢香×コブクロ
75 忘れないよ / 青山テルマ
76 Viva La Vida / Coldplay
77 Switch / mihimaru GT
78 アベマリア / MINMI
79 The Light feat. Kj from Dragon Ash, 森山直太朗, PES from RIP SLYME / Miss Monday
80 two友 / ゆずグレン
81 残酷な天使のテーゼ / 高橋洋子
82 僕らの夏の夢 / 山下達郎
83 One Way / NAO
84 今でもずっと feat. 伊藤由奈 / Spontania
85 Song for… / HY
86 天体観測 / BUMP OF CHICKEN
87 青いベンチ / サスケ
88 NAO / HY
89 ゴールデンタイムラバー / スキマスイッチ
90 Kiss Kiss Kiss / BENI
91 Rule / 浜崎あゆみ
92 おかえり / 絢香
93 銀河鉄道999 / EXILE feat. VERBAL (m-flo)
94 ハナミズキ / 一青 窈
95 愛 / 大塚 愛
96 SAKURA -ハルヲウタワネバダ- / 矢島美容室
97 Infinity / GIRL NEXT DOOR
98 Lick me / 倖田來未
99 Brave vibration / 土屋アンナ
100 音のない世界 / My Little Lover
…知っている曲や聴いたことがある曲はあるんですが、持っているということになると、Utada、ブラック・アイド・ピーズ、AI、安室奈美恵、USA for AFRICAくらいですか。10曲いきませんでした。まぁ、元々2009年は邦楽をさっぱり聴かなかったということもありますが。
◇◇◇
■ 2009年 iTunesで最もダウンロードされたアルバム TOP 100
ついでに、アルバムでもやってみましょうか。
こちらだったら、もうちょっとあると思うんですよ、ええ。
◇◇◇
≪iTunes Store 2009 TOP 100 ALBUM≫
※ 左から(順位/タイトル/アーティスト)
01 Box Emotions / Superfly
02 The E.N.D. (The Energy Never Dies) [Bonus Track Version] / Black Eyed Peas
03 ayaka's History 2006-2009 / 絢香
04 ディス・イズ・ザ・ワン (Japan) / Utada
05 カフェ・ミュージック・セレクト・30・ソングス・プラス / Various Artists
06 塩、コショウ / GReeeeN
07 ハイファイ新書 / 相対性理論
08 The Fame / Lady GaGa
09 三文ゴシップ / 椎名林檎
10 静かな夜のカフェ ~BGM JAZZ~ / Various Artists
11 アルトコロニーの定理 / RADWIMPS
12 ABBA Gold / ABBA
13 REGGAE FLAVOR R&B Original Best / Various Artists
14 The History of Blue Note - 70th Anniversary / Various Artists
15 シフォン主義 - EP / 相対性理論
16 Ne-Yo:ザ・コレクション / Ne-Yo
17 Celebration (Deluxe Version) / Madonna
18 ザ・クラシック 70 / Various Artists
19 HOUSE FLAVOR R&B Original Best / Various Artists
20 21st Century Breakdown (Deluxe Version) / Green Day
21 EXILE BALLAD BEST / EXILE
22 カフェ・ミュージック・セレクト・30・ソングス・2 / Various Artists
23 冬ボッサ~温かいカフェに合うボサノヴァ / アトリエ・ボッサ・コンシャス
24 BEST A.I. / AI
25 This Is Us / Backstreet Boys
26 No Line On the Horizon (Deluxe Version) / U2
27 MF10 -10th ANNIVERSARY BEST- / m-flo
28 Carpenters: Gold - Greatest Hits / Carpenters
29 Viva La Vida or Death and All His Friends / Coldplay
30 Grammy Nominees 2009 / Various Artists
31 北欧スタイル - スムース・ジャズ - / Various Artists
32 BEST FICTION / 安室奈美恵
33 Superfly / Superfly
34 ファンキーモンキーベイビーズ 3 / FUNKY MONKEY BABYS
35 out of noise / 坂本龍一
36 Brahms: Symphony No. 1 / Sir Simon Rattle/Berliner Philharmoniker(サイモン・ラトル/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団)
37 アロマ - EP / ウェルビーイング・シリーズ
38 ALL SINGLES BEST / コブクロ
39 Jazz Connects the World "50 Selections" / Various Artists
40 魂のゆくえ / くるり
41 あいのわ / ハナレグミ
42 “FISH ALIVE” 30min., 1 sequence by 6 songs - SAKANAQUARIUM 2009 @SAPPORO / サカナクション
43 eight-hundreds / MONGOL800
44 HOCUS POCUS / 木村カエラ
45 Relapse / Eminem
46 Piano Dance 2 / The Standard Club
47 あっ、ども。おひさしぶりです。 / GReeeeN
48 Celebration / Q;indivi Starring Rin Oikawa
49 Come Away With Me (Deluxe Version) / Norah Jones
50 絆 / SA.RI.NA
51 Memoirs of an Imperfect Angel / Mariah Carey
52 Debut / 辻井 伸行
53 Invaders Must Die / The Prodigy
54 ハウス・ディズニー / Various Artists
55 the ジブリ set / DAISHI DANCE
56 FREEDOM / Dragon Ash
57 Year of the Gentleman / Ne-Yo
57 MESSAGE / MONGOL800
59 ALL MY BEST / 倉木麻衣
60 ベストやねん / ウルフルズ
61 Nike+ Basic Run [LSD] / DJ AKI
62 Mamma Mia! (The Movie Soundtrack) / Various Artists
63 カフェ・サウダージ - 25 Mellow Selections - / Various Artists
64 つるのうた / つるの剛士
65 French Jazz Cinquante (フレンチ・ジャズ・サンカント) / Various Artists
66 The Very Best of Michael Jackson With the Jackson 5 / Jackson 5 & Michael Jackson
67 キミに贈る歌 - EP / 菅原紗由理
68 BIG POPPER / lecca
69 The Circle (Bonus Track Version) / Bon Jovi
70 LOVE! ~THELMA LOVESONG COLLECTION~ / 青山テルマ
71 Circus (Deluxe Version) / Britney Spears
72 JOURNEY / Rip Slyme
73 ONE / BONNIE PINK
74 The Rose - I Love Cinemas - / 手嶌 葵
75 Amalfi / Sarah Brightman
76 Shaka Rock / JET
77 MUSICATION / JAY'ED
78 Deckstream Soundtracks 2 / DJ Deckstream
79 Re-clammbon - EP / Clammbon
80 カラヤン/グレイテスト・ヒッツ / Herbert von Karajan/Berliner Philharmoniker(カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団)
81 PIANO DANCE Classic Cancer / The Standard Club
82 R.O.O.T.S. / Flo Rida
83 ガール! ガール! ガール! / Crazy Ken Band
84 Monkey Business / Black Eyed Peas
85 BIG FUN / TOWA TEI
86 A BIRD / 大橋トリオ
87 Utada Hikaru: Single Collection Vol. 1 / 宇多田ヒカル
88 Velvet Ballads / Cradle Orchestra
89 The Resistance / Muse
90 my Classics! / 平原綾香
91 RADWIMPS4 ~おかずのごはん~ / RADWIMPS
92 HeartY / HY
93 CMようこ 2 / 菅野よう子
94 Humbug / Arctic Monkeys
95 シンシロ / サカナクション
96 This Is My Shit / 80Kidz
96 French Jazz Cinquante Numero Deux - French Jazz Quarter 2008 / Various Artists
98 We Sing. We Dance. We Steal Things. / Jason Mraz
99 SPEEDLAND -The Premium Best Re Tracks- / SPEED
100 無罪モラトリアム / 椎名林檎
…(この企画失敗したな……)。
えー、12枚でした。しかも、純粋な意味で2009年に発売されたものに限ってしまうと、全然ないです。ブラック・アイド・ピーズ、Utada、マライア、m-flo、安室奈美恵……ってSONGと変わらないじゃないか。しかも邦楽はベスト盤だし。あ、ボニー・ピンク『ONE』がありましたね。さすが、オレの香織(ウソ)。困った時には浅田飴ですな。助けてくれてアリガト、ボニー。(爆)
そもそも、購入金額が減って、なおかつインディ系R&Bやソウルとかを追っていたら、まぁそうなりますよ(って最初から気づけと)。聴いたことあるアルバム、とするなら別なんですけどね。うむ。まぁ、病み上がり状態でやる企画ではなかったということは確かだったヨーダ、ダース・ヴェイダー、R2-D2、C-3PO。
◇◇◇
CDが売れないのを、レコードがCDに取って代わった時と同じ流れだっていう意見もあるし、そもそも買いたいCDが少ないというのもある。また、このご時世でアルバム約3000円、シングル1200円というのは高すぎる、という意見もあろう。それはどれが正しくてどれが間違っているというのではなくて、それぞれに一理あると思う。
これはCDだけに限らないが、ネット環境が生活に浸透した結果、メディアや宣伝媒体の仕掛けたブラックボックスは万能ではなくなってきているということだ。それでもテレビやマスコミに踊らされるのが人に常であるけれども、少なくともそのような状況が胡散臭さと表裏一体であるということが多くの人にばれてしまってきていることでもある。
確かに、どんな曲を掴まされるか解からないパッケージCDを買うよりも、欲しい1曲をダウンロード出来る方が安価で済む。制作側もアルバムの世界観よりも1曲のヒットを生み出すことに躍起になっているから、たとえ賞味期限が短くても単体でのヒットを短いインターヴァルで、すなわち回転率を追い求めなくてはならなくなる。そして、既にリリースされているシングルが収録されることが多いアルバムを購入する必然性がなくなってくる……という負のスパイラルを自ら招いている……ということなのだろう。
2009年は、オリコンのチャート(週間、シングル)で30位の売上が2000枚を切り、100位の売上が530枚(ROCK'A'TRENCH「My SunShine」)という低レヴェル化が進んだ。61位からは売上1000枚切り。2005年のDEF.DIVAが当時の史上最低枚数1位記録を作ったときの100位の売上は874枚。5年しないうちにこの現状だ。そのROCK'A'TRENCH「My SunShine」は、上述のダウンロード・チャートでは8位にランクインしている。iTuneのダウンロード数の“質”を問わねばならないので一概には言えないが、CDランキングのみの使命は、既に終焉を迎えたといってもいいのかも。
こうなるともう投票率が低い公明党の議席獲得数状態(苦笑)で、関係者、親族などが1人10枚ずつ各店舗などで買ったりすると、200人動員出来ればオリコン30位以上にランクインする可能性がかなり高くなる。200人の動員って、というかもしれないが、例えば、ある高校生バンドがデビューしたとする。で、その学校が(学校の知名度アップも含めて)バック・アップして、生徒全員に2枚ずつ買うように(密かに)指示したとすると、全校生徒500人の学校なら、それだけで50位付近にランクインする訳だ。となると、1学校の購入力だけで全国的なチャートを動かせるということにもなる。そんなチャートの存在意義ってありますかって話だ。
CDはもはやDVD映像やら特典やら、何かオマケがついてくるという形でのリリースが多く見られるが、そのお得感というのも当初だけで、やはり本体が優れた、魅力的なものでなければ飽きられるだけだ。一時期、ブランドとコラボした付録つきファッション雑誌が話題となったけれど、結局は付録が豪華な時だけ購買率が高くなるだけで、本体で勝負できずに休刊という道を辿る雑誌の多いこと。CDも同様。そりゃそうだよ、洋楽なんて特にそう。最初に待ちわびて購入したアルバムの数ヵ月後にDVD付き、さらにその数ヵ月後にボーナス・トラックも収録されて当初の価格よりかなり割安なアルバムがリリースされるんじゃぁ、最初から安価な輸入盤を買うか、曲単位ごとにダウンロードした方がいいと考える人が多くなるに決まってる。
山下達郎がCCCDが導入された時に「15年間CDというものに対してのクオリティに非常に疑問を持ってやってきて、やっとここまで改善してきたのに、これでまた音質的に欠陥がある、いかなる要素もわたしは認めません」とラジオで言っていたように、音楽業界はここ十数年の間にバブルでの売り上げラッシュに胡坐をかき、CCCDやらなにやら、ことあるごとに自分たちで自分たちの首を絞めている状況をずっと続けている訳で、その体質を改善しない限り、目論んでいるCDの売り上げ向上には今後は繋がらないと思う(テレビ神話が崩壊した今でも、テレビや映画などを主軸としたタイアップばかりにこだわり、キャンペーン主軸型のリリース形態がヒット曲=売り上げ増の最短距離だという迷信に囚われ、それが若者にウケている音楽を創り出しているという錯覚に陥っているうちは無理。音楽のターゲットは今後は人口分布率的にみても中高年層にシフトしていかなければならないのにだ)。
ただし、現在でもレコードが存在しているように、CDは即刻なくなるという訳でもないと思うが。
って、正月から希望のない話もなんだかなぁって感じなので、(いまさら)そろそろやめておきます。
◇◇◇
口直しに、元気がある邦楽だってあるよっていう楽曲でも貼っておきますか。
ポッキー CM「じょいふる」
今年はこの、いきものがかり「じょいふる」を、老若男女が集まったカラオケボックスで楽しく歌い騒ぐことが目標です(大ウソロングビーチ)。