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My Favorite Songs of CICADA


 CICADAの愛すべき楽曲たち。

 2019年3月26日のライヴ〈CICADA LAST LIVE “Thankful”〉での解散から1ヵ月が経ったところで、改めてこれまで触れてきたCICADAの楽曲のなかで特に好きな楽曲をピックアップしてみようと思い立ち、この記事をエントリーした次第。

 2012年12月の結成から約6年強のなかで放たれた楽曲どれもが良質なサウンドに満たされ、“No Border New Sound from CICADA”を自称するようにジャンルやカテゴライズを嘲笑うかのような多彩な要素と可能性を吸収した新世代のポップ・サウンドを構築してきた彼ら。グループとしての歩みは止めてしまったが、楽曲の可能性はとどまることはない……ということも含め、再び彼らの楽曲を体感する機会の参考の一つになればと思います。

 この手の企画は、結局「好きな曲が多くて選びきれない」ということに陥るので(実際に陥った)、自ら“10曲まで”と厳しい制限をつけて泣く泣くセレクト。また、別の機会に選曲したら、別の結果が出ることも容易に想像出来るゆえ、それほど大袈裟に捉えず、これを機にそれぞれがそれぞれのアプローチでCICADA楽曲に触れてもらえれば嬉しい限りです。

 それでは〈マイ・フェイヴァリット・ソングス・オブ・CICADA〉のトップ10をランキング形式で発表していきます。

◇◇◇

《My Favorite Songs of CICADA》


【第10位】
「スタイン」

 2ndアルバム『formula』では冒頭曲「daylight」からシームレスに繋がった2曲目で、ライヴでも同様の展開を見せたことも。“スタイルに拘る理由がある”“ノーボーダーの未来へ”とCICADAの矜持や意志を込めたフレーズが印象的。急き立てるように鳴るサンプラーと軽快なドラムの組み合わせが好グルーヴを呼び込み、晴れやかな仕上がりに。ライヴの熱気を加速させるのに奏功していた。


【第09位】

「君の街へ」

 1stアルバム『BED ROOM』収録。派手さはないが、喧騒を逃れた都会の深夜を映し出すムードとしては収録曲随一のアーバンなナンバー。とはいえ、爽快感というより気怠さを纏ったクールネスが魅力。シティポップとR&Bを往来するスタイリッシュかつアダルトな曲調ゆえ、瞬発力というよりジワジワと後からくる浸透力が高いのかも。ヴォーカルも時折アンニュイで、下支えしたベースが肝。



【第08位】
「screen」

 残念ながら最後のフィジカルリリースとなってしまったEP『ESCAPE』からは「screen」を。ヴォーカルの城戸あき子と及川創介の共作で、なんだか寝られない深い夜の雰囲気を“真夜中のprayer”のリフレインが導くよう。緊張を解すような肩肘張らない落ち着いた音だが、決して緩くはないバランスの妙。アーバンなR&B作風のアレンジも好み。


【第07位】
「stand alone」

 これは何といっても、幕開けからラストまで徹頭徹尾高速ビートを叩き続ける、ライク・ア・マーク・コレンバーグな櫃田良輔のドラムが聴きどころ。『formula』収録の「stand alone(blue)」ヴァージョンも良いが、生命力や躍動がストレートに伝わってくる7インチ版の方が、この曲の力強さを体感出来るはず。ライヴでもその熱気漲る演奏でヴォルテージを高めていた。



【第06位】
「one」

 及川創介のヒップホップ趣向とアーバン・ポップの良好な融合とでもいえそうなセンセーショナル&ドラマティックなナンバー。胸騒ぎを呼ぶような高揚と扇動をもたらすストリングス・アレンジのイントロから心を持っていく、及川してやったりの作風か。なかなか思い通りにいかない自己への苛立ちも描出したか、当時の心情を載せたような詞にも注目。“瞬間なんて、目に見えないことが……”という及川のラップを加えるアウトロには、一筋縄ではいかない彼ら“らしさ”も。『formula』に収録。

 



【第05位】
「ふたつひとつ」

 彼らを知った当初にヘヴィローテーションしていた初期の曲で、『BED ROOM』に収録。小気味よいリズムながら、シックなムードを失わないアプローチがクセになる。ハミングで繋いでからのコーラスパートへの展開が耳を惹かせ、後半のファルセットには艶やかな色が。本曲との出会いがCICADAを追うきっかけにもなったという意味で、忘れられない楽曲に。ライヴでは自分の感情のギアをさらにあげる曲のひとつ。


【第04位】
「eclectic」

 彼らが最初に録音したと思われる楽曲。後日知った楽曲で、ライヴでもなかなか目にかかれなかったが、センチメンタリズムとスタイリッシュが絡まって物憂げな都会の街並みをすり抜けるような感覚がなんともたまらない。“決め”を持った明快なメロディ展開ではないが、それがかえって揺蕩う夜の感情の陰影を示しているようで、タイトルの“eclectic”(折衷的、さまざまな)とも合う。


 ここまで第10位から第4位までを見てきましたが、一応ランキングしているとはいえ、正直なところほぼ順不同と考えてもらって構いません。何度も言いますが、ここで選外になった楽曲も、時が変わればランクインする可能性は非常に高いです。そのくらい甲乙つけがたいものとなっていること、ご容赦いただければと思います。
 ただ、次のトップ3は、おそらく今後も確実にランキング上位に来るだろう楽曲群。あくまでも自分の嗜好が強い独断と偏見に満ちたランキングなので、予想の楽曲が入ってなかったからといって憤慨することのないようにお願いします(笑)。

 それでは、〈マイ・フェイヴァリット・ソングス・オブ・CICADA〉のトップ3の発表です。


【第03位】
「YES」

 自分はあまり詞は気にしない性質なのだが、この「YES」は彼らCICADA自身の意志表示をしたという意味でも詞にも注目せざるをえなかった。夢や希望へ歩き出そうとする強さと現状を打破出来るか分からない不安がないまぜになるなかで、一歩を踏み出す勇気や力を与える曲なんだと思う。音数が多くないなかでしなやかなメロディとともに訴求力を携えた、若林ともの真骨頂といえる。ライヴでの“We gotta go, We don't stop”のシンガロングは、美しかった光景の一つ。EP『Loud Colors』に収録。



【第02位】
「up to you」

 まずは、「one」同様にイントロからのストリングス・アレンジで一気に惹きつけられる。よく聴くとそれほど隙間がないクルクルと変化する変態的なメロディとリズムなのだが、ストリングスが壮麗ゆえにせせこましさを感じさせず奥行きをもたらす構造に。聴いた後にもたらす余韻に富む、オルタナティヴなポップネスが魅力だ。「YES」同様に若林とも制作曲で、『Loud Colors』での「YES」からの展開は、アルバムのエンディングとして最適解といえるほど秀逸。


【第01位】
「都内」

 『formula』収録の及川創介作の「都内」が現時点でのマイ・ベスト・フェイヴァリット。ヒップホップ志向の及川が音数を減らして隙間を生み出し、アンビエントR&Bに寄り添うようなプロダクションを生んでいるのが特徴。歌うようにラップしている城戸あき子のエモーショナルなヴォーカルと、エフェクトを掛けた低温な及川のヴォーカル、坦々としたリズム隊(ベースとドラム)との対照的な要素のマッチングも興味を注がせるところ。僅かなロスや意識のズレなど“ちょっとだけ”が生んできた歪みをテーマにした詞世界には洗練性はなく、むしろもがくような苦々しさが窺えるが、サウンドと寄り添うとクールに聴こえるから不思議だ。


◇◇◇

 いかがでしたでしょうか。CICADAをフェイヴァリットとしてきたファンたちはもちろん、これまで彼らや彼らの楽曲を知らずにいた人たちも、よろしければこれを機に彼らの楽曲に触れてみるのもいいかと思います。上記のランキングはあくまでも拙ブログ主の超個人的な嗜好によるものですので、アーティスト自身やファンの意見の総意でもなんでもないので(むしろ嗜好としては少数派ではないかと)、それぞれのフェイヴァリットを探してみてもらえたら幸いです。

 なお、CICADAについては、拙ブログでエントリーした記事を下記にまとめてありますので、CICADAの世界を広げる一つとして参照してみてください。

 ◇◇◇
【CICADA DISCOGRAPHY】

■ 1stフル・アルバム『BED ROOM』(2015/02/04)
01 ふたつひとつ
02 Naughty Boy
03 君の街へ
04 夜明けの街
05 フリーウェイ
06 月明かりの部屋で
07 Colorful
08 雨模様
09 あなたの影
10 熱帯魚
11 door

■ 7inch vinyl『stand alone』(2015/11/11)
SIDE-A: stand alone
SIDE-B: back to

[同封DLcard]
01 stand alone
02 back to
03 door(vinyl edit.)

■ E.P.『Loud Colors』(2016/04/13)
01 No border
02 FLAVOR
03 閃光
04 up to you
05 YES

■ 2ndフル・アルバム『formula』(2016/11/09)
01 daylight
02 スタイン
03 INFLUX
04 DROP
05 stand alone(blue)
06 Reloop
07 ゆれる指先
08 都内
09 stilllike
10 くだらないこと
11 one
12 ポートレート
13 dream on

■ Digital Single「Harvest / party out」(2017/12/17)
01 Harvest
02 party out

■ E.P.『ESCAPE』(2018/11/21)
01 escape
02 screen
03 TRVL
04 0614
05 ふれてほしい

■ Last single「u got my love」(2019/03/26)
01 u got my love

◇◇◇

【CICADAに関する記事一覧】※リンク先で記事が読めます
・2015/01/25 Mixed Up@代官山LOOP
・2015/03/16 CICADA『BED ROOM』
・2015/11/04 CICADA@WWW
・2016/01/08 CICADA@代官山LOOP
・2016/02/19 CICADA@LOOP ANNEX
・2016/05/05 CICADA『Loud Colors』
・2016/05/26 CICADA@渋谷CLUB QUATTRO
・2016/07/15 CICADA@渋谷WWW
・2016/11/21 CICADA『formula』
・2016/11/25 CICADA@WWW X
・2017/04/20 CICADA@代官山UNIT
・2017/04/22 Parade!@六本木Varit.
・2018/02/16 CICADA@WWW
・2018/11/27 CICADA@SPACE ODD
・2019/03/26 CICADA @代官山SPACE ODD
・2019/03/27 Memories of CICADA ~CICADA備忘録~
・2019/04/30 My Favorite Songs of CICADA(本記事)

◇◇◇

 

 

 
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