仙石線の車窓
あの日に
津波の高さが10メートルも
だからこその
高台へ
駅を移して
高い防波堤もつくって
そんな車窓をみつめて
いろんな思いが込み上げて
言葉すくないふたりだけど
田園風景になったり変化して
仙石線で2年ぶりの石巻到着
雲の模様の階段のぼることなく
旅の荷物持ったままだから
エレベーターに
乗って
おりてして
乗り継ぎ時間13分
石巻発15:59の石巻線に乗って
2年前は 女川駅がまだ開通していなくて浦宿行
二年経ったら女川駅が終点に
車窓は田園風景
窓にせまってきそうな崖っぷち
まもなく沢田のアナウンス
無人駅の降車の仕方のアナウンスは
前回のときに聴いて学習しているので
自分で 黄色いボタンを押して ドアがあいて
2年3ヶ月ぶりの沢田駅到着 16時14分
降りた列車を見送って
女川駅で折り返してくるのはこの列車
沢田駅 16時42分発
たった38分の沢田駅周辺のさんぽ
前回 パチリできずだった 横書きの沢田駅
さ
わ
だ
二年前に
白い靴と杖のおばあちゃんに遭遇した待合室
待合室兼駅舎の中にある 沢田駅周辺の地図
沢田の港へも行きたいけれど
澤田会館も見たい
あばうとな地図
目印は自動車工場
途中で 目印を見失い またふりだしにもどったり
路地を入ったら
ちいさな公園の前に りっぱな表札の澤田会館
澤田地区に暮らすひとたちが利用する会館
近所の子どもたちが利用する沢田第二ちびっこ広場
遊具はすべり台とシーソーがあったっけ
遊具越しの 紫の家
沢田第一踏切を渡って
沢田の港
土嚢も
船の向こうに 夕焼け
あの日 地震で地盤沈下して
この湾が満潮のときに 沢田駅周辺が冠水したこと
2年前に
おばあちゃんから訊いたこと思い出して
踏切前で ホームをながめて
列車がこないことわかってるので
カーブを描くレールをみつめて
2年前は レールも ピカピカだったっけ
表通りに行かず 駅裏の小道を通って
水たまりに映るホームの柵と 夕暮れ空をみつめて
砂利道に 逞しく咲くタンポポもいて
そろそろ自由時間の38分が終わるころ
旅仲間の待つホームへ
地元の乗客がふたり
この時刻表に合わせて 行動をして
澤田地区の暮らしぶり
2年前に この駅で
偶然の出会いをしたおばあちゃんによると
駅まではバスも走って
車窓は夕暮れ
遠くの山肌はあの日のまま?
車窓に映る風景に あれこれ感じ
いつも あたりまえのように便利な暮らしをして
旅にでて それが普通のことじゃないってこと しみじみ