トンネル内で崩落が発生する。
樋口(唐沢寿明)と石川(増田貴久)はトンネル内で残された作業員達を救出すべくトンネルに入る。
橘(真木よう子)が無線から聞こえる音からガス漏れしていることに気づき、樋口に連絡する。
短時間で救出するため樋口は無線の音声から橘に作業員の場所を探させる。
そして危険を回避しながら進むべき道に誘導、作業員達を救出していく。
参考人聴取を終えた雫(伊勢谷友介)に父・本郷会長(伊武雅刀)が電話してくる。
何処にいると聞く本郷に参考人聴取が終わったところだと答える雫。
面倒なことが起きたと言う本郷に、「港再開発地区で騒動がだとか。ECUが出動してますよ」と伝える雫。
崩落事故で世間の注目が集まっているからすぐ帰ってこいと言う本郷。
「会見を開く。マスコミの奴らに余計なことを言うなと言っとけ」と秘書に指示を出す本郷。
そして現場にECUがいる、連絡を入れて追っ払えとも。
現着したレスキュー隊と共に救出にあたる樋口たち。
田所署長(小市慢太郎)がECU撤退の指示をする。署員の身の安全のためだと言って。
橘は「目の前に被害者がいるのに現場を離れる警官がいますか?」と田所に言う。
それでもなお言う田所に「声を聴いてください。彼らの声を」と言う橘。
無線からは必死に救出にあたる樋口たちや警官の声が聞こえてくる。
橘は「警察官としての責務を果たします」と言って、樋口たちのサポートを続ける。
橘が音からガス漏れが強くなっている事を察知、樋口に伝える。
作業員の人数を確認すると、現場監督で待っていた少女の父親・鳥山だけいない。
橘にもう一人いると言って、再度無線で橘に音を聞かせ、鳥山を見つけ出す。
しかし、下敷きになっており、救出に手間取る。
爆発の危険性が高まり、時間がないと言う橘。何があっても連れて帰るという樋口。
ギリギリのタイミングで引きずり出したが、その後爆発が起きる。
爆発に巻き込まれたと思われたが、樋口たちはなんとか救出し終える。
開発反対派が現場の人間に「この事故は偶然起きたものですか?」と詰め寄っていた。
そのこと聞いた樋口は反対派の人からどういうことかと話を聞く。
横須賀のビルでも外壁の崩落事故で作業員が亡くなっていた。それも本郷ホールディングスの仕事だった。
設計ミスが発覚したが、工期の延長を恐れ、工事を続行して事故が起きたのだ。
報道では下請け業者の過失としていたが、本郷ホールディングスが絡んでいた事故が多いと言う。
そして持っていた資料を貸してもらえないかと頼み、情報を橘に送り調べるよう伝える。
そしてその資料を見て樋口はあることに気づく。
樋口は最後に救出した鳥山に「事故がどうして起きたか教えてくれませんか?」と聞く。
鳥山はあとで病院に来てくださいと答え、病院に搬送される。
現場には雫が来ていた。
雫は「この工事に係るものとして全員無事に救出して頂いたこと深く感謝します。ありがとうございました」と言う。
「なんでも隠すのが上手いんだな。お前の親父は。会社の不正だけじゃない。息子の殺人までもみ消してきた。
全部わかっている。上杉渉(手塚とおる)が身寄りのない路上生活者を探し出してはお前に与えた。
お前の殺しのために」と言う樋口。雫は笑いながら「よく吠える犬だ」と言う。
樋口が「証拠を見つけてやる」と言うと、雫は「あなたのような男は好きです。強くてまっすぐだ。」と言って挑発する。
樋口は挑発には乗らずに「楽しみだ。お前をどう追い込むか」と言うと
雫も「ええ、楽しみですよ。あなたをどう追い込むか」と返す。
そばにいた石川が二人のやり取りを見ながら怯えるかのように顔を強張らせていた。
雫は電話し「渉から例の物譲り受けましたよ。これから長い付き合いになりそうです。よろしくお願いします」と言う。
その電話の相手は石川だった。電話を受けた石川は呆然とする。
本郷が記者会見する。
緒方(田村健太郎)が資料を橘に見せながら、数日前から崩落の兆候と見られるデータが出ていたようだと話す。
掘削コースがずれて定めた基準を超えていたのに、計画の見直しをせず工事を続行したのだ。
工期が遅れると莫大なお金がかかるから。土壌汚染など、どの事故も下請け業者のせいと片付けられていた。
樋口がECUに来て「化けの皮をはがしてやる」と言う。
鳥山が証言してくれる、関係者から証言を集めようとECUメンバーに話す。
そして樋口は早耳に電話し本郷ホールディングスの特ダネだ、ネタを送るからマスコミにリークしろと伝える。
雫を逮捕するには証拠が必要。長期間殺人を続けてきた場所がわかれば、その痕跡が出るはずと樋口は橘に言う。
未希(菊池桃子)が殺されたのは、その場所を知ったか尋ねて行ったか。
もしそうなら残されていたボイスレコーダーに何か残っているかもしれないと樋口は考える。
そこで橘が未希の残したボイスレコーダーを再度聞く。録音の状態がよくない。
そこで声を排除して聞き直すと波の音が聞こえた。未希が見つけた場所は海の近くと推察する。
そして雫の過去を洗い直せ、何人も殺してきたならそこに意味があるはずと樋口は橘に言う。
証拠を見つけたとしても雫に通じる人間が自分たちのそばにいる、彼をチームから外すべきと橘が言うと、
樋口は反対派から借りた資料を橘に見せる。そこには石川の父親がいた会社の名前が書かれていた。
樋口は何故奴らに取り込まれたのか、自分が調べると伝える。
石川は入院している父親の見舞いに行く。父親に疲れた顔をしてると言われる石川。
父親は「一度樋口さんに会わないとな。樋口さんのおかげでここには入れた。感謝している」と話すと石川の顔が曇る。
「事故も大事にならずに済んだんだろ?樋口さんに」と言いかけると、「兄貴は忙しいからいいよ」と言う。
父親が「じゃあ電話でも」と言うと、声を大にして「だからいいって!」と言う石川。
今の事件が片付いたらまた来るからと言ってお金をおいて帰る。
部屋を出た石川は辛そうな表情でたたずむ。樋口が話していたのを思い出す。
「真犯人と通じている黒幕はこの署にいる」、「本郷雫、あいつが真犯人だ。俺は必ず奴をあげる」
ネットメディアを中心にトンネルの崩落の予兆があったというニュースを見て、
本郷はこの事故がこれ以上報道されるのは許さん!
すぐに手を打て!!と部下にマスコミを抑えるよう走らせる。
本郷は雫は?と秘書に聞く。用があると出かけていて秘書は行先もきいていなかった。
雫は別荘にいた。隠し扉を開け地下に降りる。電子ロックされた部屋に入り、椅子に座る雫。
楽し気に「久しぶりだよ。こんなに心躍るのは」とつぶやく雫。
「あなたは罰せられる」死者たちの声にも、「罰?一体私がなんの罪を?」と言う雫。
そして過去の自分を思い出す。見ている自分に「雫、見ちゃダメ」と手で目をふさぐ女性。
しかし指の隙間から何かをずっと見ていた。
雫の過去を調べた緒方と森下(石橋菜津美)が情報について橘に話す。
雫の母親は雫が11歳の時に自殺していた。遺体を見つけたのは雫だった。
そして雫の叔母がハワイにいると言って電話番号のメモを渡す。橘は電話して聞いてみますと言う。
樋口はまずは父親が務めていた会社で話を聞く。3年前、石川の父親は病気で薬を服用していた。
そのせいでクレーンの作動中に居眠りし、運んでいた廃材が落下、下にいた作業員が死亡した。
本郷ホールディングスの人間がいなかったか聞くがわからない。だが見たことのないスーツ姿の人は見たという。
そこで歩き方に特徴のある人はいなかったかと言って渉の写真を見せると、見たと証言する。
今度は石川の父親を訪ねた樋口。名乗ると「息子がいつもお世話になっております」と頭を下げる父親。
そして「3年前も助けてくださり、ありがとうございました」と言ってまた頭を下げる。
「やっぱり息子は何か抱えてるんですね。あの子、時々苦しそうな顔をするんです。
それは3年前の事故のことが関係してるんですよね?」と樋口に問いかける。樋口は無言だった。
樋口は橘にわかったことを話す。未希が殺された直後に石川の父親の事故が起きていた。
父親に呼び出されたであろう石川が駆けつけた。話しているところへ渉が来る。
「逮捕されたら父親はシャバに出るまで生きてられるかな?」と言う渉。
「誰だ?」と言いいながら動揺する石川。死んだ人間は渉の部下だという。
石川が「何言ってんだ!ふざけんな!俺は警察だ!」と言うも、
「無理にとは言わない。じゃあ手錠かけて連行しろ」と言う渉。
手下に警察に電話させようとする渉。石川は電話をかけようとする相手のスマホを奪おうとしているうちに、
相手を突き飛ばした格好になり、相手は近くにあった鉄柵に体を貫かれて死んでしまう。
呆然とする石川に「これで手間が省けた。親子そろって人殺しだ」と言う渉。
お決まりのやり方、弱みを握って取り込んだ、俺を的にして石川を取り込んだと話す樋口。
音声データを削除したのも石川だった。当時石川は真犯人の存在を知らなかったはずだ、
真相を知った時にはもうすでに絡めとられて抜け出せなくなったんだと言う樋口。
どうするんですか?と問う橘に、あいつは俺のせいで道を踏み外した、俺が必ず救うと樋口は宣言する。
石川は本郷に呼ばれる。そこには田所もいた。初めて知った田所は戸惑う。
本郷は「今後は協力し合ってもらう。いいな?」と田所に言い、田所もハイと返事し帰っていく。
怯えた表情の石川に「なんだそんな顔をして。この街で暮らすなら俺と会って損はないぞ」と話す本郷。
「金があれば何でもできると思ってるんでしょ?ずっと俺を支配するつもりですか?」と聞く石川。
すると「同じ船に乗っている仲間じゃないか。お前は父親の秘密、私は息子の秘密。
互いに命綱を握ってる。消えない事実だ」と石川に言う本郷。
帰りますと言って去ろうとする石川を呼び止める本郷。
「樋口が何か証拠を掴んだら」と言うと連絡しますと言う石川。それでいいと言う本郷。
石川は橋でたたずんでいた。ポケットにあるUSBを取り出す。それは渉に指示されて抜き取った押収品で、
「父親の事故の記録、石川自身の殺人の記録も消してやる」と言って
渉が死んだあの日に持ってくるようと指示されていたものだった。
石川はあの現場に樋口が来る前に来ていたのだ。だが既に渉は死んでいた。
樋口が来たのを見て身を隠し、橘とは別々に来ていたから、後から来たように見せかけたのだ。
樋口は石川を行きつけの店に呼び出す。石川が向かう途中、森下の妹・葵(矢作穂香)と会う。
石川は葵に「樋口さんと喧嘩しました?」と言われる。少し驚く石川。
樋口は二人で話をしたいから店を閉めてくれと志津(YOU)に頼んだと聞かされる。
樋口の様子が変だったとも。
石川は店に入ると「何?貸し切りですか?どうしたんですか?そんな顔して」と言って明るく振舞う。
酒をグラスに注ぎながら「本郷雫の野郎をゆっくり捕まえましょう。
今日は飲みましょう。息抜きしないと途中で燃料切れになる」と話す石川。
樋口は話しかけるが「とりあえず乾杯」と言って話をさせない。
「どうしてだ?」と樋口が問うも「大分飲んでたんですか?」とそらす。
そんな石川に「やるならばれるな。全部わかったんだよ」と樋口が言っても、「一体何の話ですか?」と言って話さない。
樋口に「奴らの犬のことだ」と言われ、「まさか俺のこと疑ってるんですか?」と聞く石川。
「いい加減にしてください。俺、帰ります」と言って席を立つ。
去ろうとする石川に拳銃を出して「ほら。後はわかるな。お前に任せる」と言う樋口。
「今日俺に引き金を引かなかったら後で死ぬほど後悔するぞ。早くやれ」と言う樋口に
「俺が兄貴を?そんなこと・・一体俺に何を聞きたいんですか!?」と叫ぶ石川。
「だからさっきから聞いてるだろ!?どうしてだ!」と樋口が聞くと
「怖かった。怖かったんですよ!兄貴と俺を守るためです!」と言う。
「あいつら何やるかわからない。事件から手を引いたら兄貴には手を出さないと。
兄貴は後先考えず、夢中で奴らを追ってるけど俺たちが敵う相手じゃない!無理だ!!」と叫ぶ。
「奴を捕まえる?一体どうやって!?本郷雫、あいつを捕まえても上の奴が逃がせと圧力かけてくる。
なのにどうやって!?」と泣きながら叫ぶ石川に、「例えそうであっても、結果が目に見えてても、
俺たちは負けちゃダメだ。俺とお前は負けちゃダメだ!」と樋口は言う。
「兄貴は強い。俺は弱いんです」と言う石川の頬をひっぱたく樋口。
樋口は「よく聞け。強いからじゃない。誰だって脆く弱い。でもどれだけ怖くても、
心が張り裂けそうなくらい苦しくてもそこを耐えて、耐えて、最後まで耐え抜いて、
諦めるな。踏みとどまれってここが叫んでるんだ!!」と言って石川の胸を拳で叩く。
「立ち向かうんだ!これは兄貴から弟への最後の言葉だ。自分の心の声を裏切るな!」
そう言って樋口は拳銃を石川に手渡し、「後ろ向くから撃て」と。
泣きじゃくる石川は拳銃を構えるも撃てず、テーブルに拳銃を置いて立ち去る。
店の奥から出てきた志津が「何があったか知らないけど、彼は優しい子よ。
未希が亡くなって自棄になったあんたを必死で支えようとしてた。あの子は誰よりも」と話し、
遮るように樋口も「分かってる、全部分かってるから!」と答える。
本郷は「その椅子をぶち壊されたくなければこれ以上報道するな!!」と電話で圧力をかけていた。
そこへ雫が戻ってくる。直感的に分かった本郷は「あそこに行ったな。行くなと何度も行ったはずだ!!」と雫に怒鳴る。
そして「当分アメリカに行ってろ。目の色を変えて嗅ぎまわっている。万が一」と言ったところで、
「僕に逃げろってことですか?なぜ僕が?」と雫が本郷に迫る。
後ずさりする本郷に「これからが本当に面白いのに。二度と指図するな。父さんでも許さない」と言う雫。
怯えた顔で去る本郷。自宅に戻った雫は渉から奪ったSDカードにある石川親子の動画を楽し気に見ていた。
石川が泣きながら酒を飲んでいた。そして樋口に言われた言葉を思い返していた。そこへ雫から電話が入る。
雫の母親の妹から聞いた話だ。姉、つまり雫の母親は結婚して苦しんでいた。
母親が首を吊って自殺した。その前の日に起きた事件が本郷雫に深く関わっていたと言う。
その日、本郷が前日から出張と言って出かけていたため、母親は雫を連れて別荘に遊びに来ていた。
警察OBに話を聞くと裸足で駆けてきた母親が近くを警邏していたパトカーに駆け寄り、
「夫が人を殺したんです。夫が人を殺したんです。磯丸建設の社長で」と言ったところで、
本郷が来て、薬の副作用だと言って連れ帰った。
母親が言っていた人物が水死体で発見されたが損傷が酷く、殺人とは断定できず事故扱いに。
つまり真実は本郷が殺人を犯し、それを息子と妻が見ていた。
別荘に出張に行ったはずの本郷の帽子と上着があり、雫は父親を捜して偶然にも隠し扉を見つけて開けた。
そして階段を下りていき、扉が空いた部屋をのぞいた。
そこには椅子に座らされ、後ろ手に縄で縛られた磯丸建設の社長・相馬と本郷がいた。
本郷は自分に逆らいビジネスを奪った相馬に暴力をふるっていた。雫が見ていることに気づかず。
このことを世間にばらすと言う相馬に、生きて帰れると思うのか?言う本郷。
そして、こっちはもみ消せる、お前の会社を吸収合併してやると言う。
そしてナイフで相馬をいたぶる。相馬がなんとか縄を外し逃げようとすると本郷はナイフで刺したのだ。
そして母親の雫を探す声が聞こえてそこでやっと雫がいることに気が付く。
早く行けと言って雫に言うが、雫は動かない。そこへ母親が下りてきて惨状を目にし、
雫の目をふさぐが、雫は指の隙間からその光景をずっと見ていた。
本郷雫と言う怪物はこのときに生まれたと話す橘。
そして別荘の場所は海の近くだった。
そこへ樋口に借りを返しに行くと石川からメールが来る。
樋口は慌てて橘に石川の携帯の位置を特定するよう言う。樋口も出動する。
石川は父親が勤務していた会社に来ていた。雫が待っていた。
もういいなりにはならない、どうせ兄貴も殺すつもりなんだろ!お前らの犬だったこと、自首してやると言う石川。
証拠品返してもらえますかと言う雫に拳銃を向け、これで終わりにすると言う石川。
しかし雫は落ち着き払って「早く、早く撃たないと」と言って自ら銃口に近づく。
その様子に動揺する石川を雫は拳銃を振り払って、暴行する。
石川の頭を踏みつけながら「人を殺すのに何故迷うんです?そのためらいが人間をダメにする」と言う。
そして何度も石川を蹴りつける。気絶した石川のポケットからUSBを取り出すと、廃材置き場の中へ投げ捨てた。
電源が切られているのか石川の携帯電話の現在の位置情報をとらえることが出来ない。
橘はその前の位置情報は石川の父親が勤務していた会社だと樋口に伝える。
樋口は「奴に会って何かが起きた。奴の別荘に行く」と言って車を走らせる。
石川は雫の別荘の地下室で目が覚める。手は後ろ手に縛られていた。
雫は楽し気な様子で目が覚めた石川に近づいて怖がらせる。そして凶器の鉄球を手に取る雫。
動けないでいる石川に鉄球が振り下ろされようとしていた。
多分、石川の父が起こした事故は渉によって引き起こされたものだったのでしょう。
石川を利用するために。
雫の狂気は本郷が作り出したと言ってもおかしくないですね。
だって父親の殺人を目の前で見たのですから。
しかしもう本郷には雫を止める術がない。雫を怖がってますから無理でしょう。
多分、石川は奴に・・・
自分のしていることは罪ではないと本気で思っている雫が怖いです
次回が最終回。樋口と橘は雫を逮捕できるのか?
容易に捕まる相手じゃないので、最後まで目が離せません。