シャンチー(中国象棋)の日々~三千年の歴史、5億人の愛好者

シャンチー(象棋)に関するニュースを(一社)全日本シャンチー連合会がお届けします。

世界選手権代表選手が決定

2007-08-04 | 世界シャンチー選手権
日本シャンチー協会は10月にマカオで開催される第10回世界選手権に出場する代表選手を決定しました。

男子個人(団体戦代表):山崎秀夫、楊威軍。
ノンチャイニーズの部:所司和晴、田中篤、曽根敏彦。
※個人戦に出場する2名の成績を合算したものが団体戦成績となります。

世界選手権は隔年で開催される国際大会で、世界シャンチー連合会(WXF)が主催しています。日本シャンチー協会は、1991年に中国・雲南省昆明市で開催された第2回大会以来、毎回代表選手を派遣しています。

代表選手は世界選手権までの間、それぞれ研修計画を作成して自己研修を重ねるほか、強化合宿を含む研修会に参加して実力の向上をめざすとともに、日本代表選手としての自覚を高めていくことになっています。シャンチーは個人競技とはいえ、国別対抗戦ですので、日本チームとしてどのように団結を強化し、最高のコンディションで大会に臨むかが大切な要素になります。代表選手には世界選手権出場後も引き続きわが国のシャンチー界の発展のために貢献することが義務付けられています。それは、日本シャンチー協会が「ノーブレス・オブリージ」(高い地位に伴う義務)ということをとりわけ重視しているからです。毎年4月に行われる全日本選手権大会では、前年の日本代表選手が、競技に参加しながら一方では進んで会場準備などの競技運営に携わるのが恒例となっています。

代表選手はほとんどが企業や官庁に勤務するプレーヤーなので(所司選手は将棋プロ棋士七段)、みんな仕事のやりくりをつけて出場するのが大変です。世界選手権代表といえば、サッカーのワールドカップ代表にも匹敵する価値のあることですが、日本の職場風土の中で理解を得ることは容易ではありません。しかも費用はすべて自費です。日常の仕事をきちんとこなし、自分の費用で参加する、これこそアマチュアスポーツ本来の姿であると言うことができるでしょう。

日本ではシャンチーが「世界で最も歴史が長く、最も競技人口の多いスポーツ」の名にふさわしい社会的地位を得るに至っていません。シャンチーの愛好者を自称する人たちの中にさえ、シャンチーが厳格なルールの下で行われる競技スポーツであることを理解できずにいる人もいます。その意味で、日本代表選手たちは「日本に生まれるのが100年早すぎた」人たち、あるいはシャンチーの神様が日本にシャンチーを広めるためによこしてくださった人たちといえるかもしれません。

どうか全国のシャンチー愛好者の皆様が、さまざまな困難な条件を克服して世界選手権に出場する日本代表選手たちに、温かいご声援をお送りくださいますようお願いいたします。
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