「シャンチー基本図書紹介」の最終回は中局に関する書籍です。
『象棋詞典』で「中局」の項を引くと「対局において開局と残局の間の段階を指す」と、身も蓋もないのですが、開局、残局が定式化されているのに比べ、中局は最も創造性が発揮される部分だといわれています。今回もネット書店『書虫』の目録から入手可能なものを採り上げました。
注文は直接『書虫』または内山書店(tel03-3294-0671)へ。
◆象棋必勝戦術精解 劉准 化学工業 2012.8
北京市少年宮で指導にあたってきた著者がその教学経験を活かして著した本。徹底した実例主義で、『橘中秘』などの古譜や実戦から271例を取る。特に初学者におすすめ。
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◆象棋基本戦術 程明松 成都時代 2013.7
初版は1994年4月。中局におけるさまざまな戦術を22に分類して紹介し、それぞれに練習問題を付す。多くの戦術がどのように分類されているかを手っ取り早く知るのに便利。
◆象棋基本戦術 宋国強・韓冰 北京体育大学 2011.5
上記とは分類法はやや異なるが、さまざまな戦術を14に分類して練習問題を付すのは同様。
◆象棋中局戦理 黄少竜 経済管理 2013.9
著者・黄少竜が中国シャンチー界きっての理論家にふさわしく、中局の概念をさまざまに理論化しようと試みている。その部分は中国語の読めない人にとってはやや苦労を要するかもしれないが、後半部分は上記同様戦術の分類なので分かりやすい。
◆象棋中局疑難問題解答 黄少竜 金盾 2006.6
これも黄少竜著。318の実例を挙げ、中局におけるさまざまな疑問が「ここで炮で士を取ってよいか?」、「ここで卒はなぜ馬を取らないか?」といった問答形式で示されている。
◆梁大師講中局(第一輯) 梁文斌 経済管理 2012.1
「金牌教練教象棋叢書」の一。第一輯では「棄子奪勢」、「運子争勢」の2大分類の下に、201の実例を取り上げる。第二輯は未刊。
◆象棋中局形勢判断 陳啓明・楊典 北京体育大学 2011.5
本書は中局における形勢判断に特化したところに特徴がある。
◆象棋中局宝典 張影富・張弘 成都時代 2013.1
本書は中局を開局から残局へつながる一局の流れの中に位置づけようとする意図が見られる。381ページの大部なので体力(?)が必要。
◆橘中秘詳解 劉剣青・劉健 成都時代 2010.1
◆新編梅花譜(増訂本) 成都時代 2003.10
明代の『橘中秘』と清代の『梅花譜』は、一度は学んでおきたい基本中の基本。全局譜であるこれらの古譜をあえて中局の基本図書に加えたのは、「コマを合目的的に動かす」のに必要な基礎体力(これを「基本功」という)を付けることができるからだ。「右から左へコマを動かす」レベルから「目的をもってコマを動かす」レベルへ踏み出そうとする人にとって、必ず力になるはずだ。
『象棋詞典』で「中局」の項を引くと「対局において開局と残局の間の段階を指す」と、身も蓋もないのですが、開局、残局が定式化されているのに比べ、中局は最も創造性が発揮される部分だといわれています。今回もネット書店『書虫』の目録から入手可能なものを採り上げました。
注文は直接『書虫』または内山書店(tel03-3294-0671)へ。
◆象棋必勝戦術精解 劉准 化学工業 2012.8
北京市少年宮で指導にあたってきた著者がその教学経験を活かして著した本。徹底した実例主義で、『橘中秘』などの古譜や実戦から271例を取る。特に初学者におすすめ。
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◆象棋基本戦術 程明松 成都時代 2013.7
初版は1994年4月。中局におけるさまざまな戦術を22に分類して紹介し、それぞれに練習問題を付す。多くの戦術がどのように分類されているかを手っ取り早く知るのに便利。
◆象棋基本戦術 宋国強・韓冰 北京体育大学 2011.5
上記とは分類法はやや異なるが、さまざまな戦術を14に分類して練習問題を付すのは同様。
◆象棋中局戦理 黄少竜 経済管理 2013.9
著者・黄少竜が中国シャンチー界きっての理論家にふさわしく、中局の概念をさまざまに理論化しようと試みている。その部分は中国語の読めない人にとってはやや苦労を要するかもしれないが、後半部分は上記同様戦術の分類なので分かりやすい。
◆象棋中局疑難問題解答 黄少竜 金盾 2006.6
これも黄少竜著。318の実例を挙げ、中局におけるさまざまな疑問が「ここで炮で士を取ってよいか?」、「ここで卒はなぜ馬を取らないか?」といった問答形式で示されている。
◆梁大師講中局(第一輯) 梁文斌 経済管理 2012.1
「金牌教練教象棋叢書」の一。第一輯では「棄子奪勢」、「運子争勢」の2大分類の下に、201の実例を取り上げる。第二輯は未刊。
◆象棋中局形勢判断 陳啓明・楊典 北京体育大学 2011.5
本書は中局における形勢判断に特化したところに特徴がある。
◆象棋中局宝典 張影富・張弘 成都時代 2013.1
本書は中局を開局から残局へつながる一局の流れの中に位置づけようとする意図が見られる。381ページの大部なので体力(?)が必要。
◆橘中秘詳解 劉剣青・劉健 成都時代 2010.1
◆新編梅花譜(増訂本) 成都時代 2003.10
明代の『橘中秘』と清代の『梅花譜』は、一度は学んでおきたい基本中の基本。全局譜であるこれらの古譜をあえて中局の基本図書に加えたのは、「コマを合目的的に動かす」のに必要な基礎体力(これを「基本功」という)を付けることができるからだ。「右から左へコマを動かす」レベルから「目的をもってコマを動かす」レベルへ踏み出そうとする人にとって、必ず力になるはずだ。