解剖学ノート

解剖学ノートのミニコミ版

国試基本   椎骨の構成と連結

2016-03-10 09:21:16 | 解剖学ノート全編集版「筋骨編」

椎骨の構造

椎骨の脊柱を分解して個々に並べ上から頸椎・胸椎・腰椎・仙椎

尾骨と分類し、観察すると基本的な形状が共通していのが確認で

きる。その中でも胸椎に見えるその構造が各骨の共通している。

言い換えれば胸椎には脊柱を組み立てる基本的な構造が集約され

ている。構造を成文化すると----

①円柱状の椎体部分が土台となり、②左右双方に横突起が羽を

 広げたように、ほぼ水平に伸びている。③さらに椎体の側方

 にはアーチ状で弓型の椎弓が均衡をたもって椎体の後部に回

 り、双方の椎弓は合する。この一連の記述が椎弓で、両者は

 合した後、④無対の棘突起をつくる。

 ⑤なお椎弓の基部では上下に押し込んだように、くびれがあ

 り椎体を手に取って目線の高さにして、観察するとその形状

 が(切痕)みえる。※頸椎の形状ではとくに重要である。

 ⑥下側が下椎切痕で上側が上椎切痕でこの上椎切痕(双方)の

  直上に上関節突起(双方)があり直上椎骨の下関節突起とジョ

  イントし、関節をいとなむ。。(左右同じ)

⑦同じく椎体の下方に下に向かって伸びる下関節突起は直下の

 椎体の上関節突起と関節する。

⑧1個の椎体の部品は以下の記述が成り立つ。

 イ--上関節突起2個、ロ--下関節突起 2個、ハ--棘突起

 2個、ニ--横突起 2個


 

椎骨の連結

※椎骨は上下が重なり合うことが、連結の基本で①椎間円板、②

 椎間関節、③左右、上下の所定の靭帯よって連結されて、初め

 て脊柱となり得る。

※※椎体円板

  ①椎体円板1個は上下の椎骨をつなぎ、②円板の内部構造は

  線維軟骨が幾重にも重なった③線維輪で作られていて、その

  中心部には④ゼリー状の髄核を内包している。

  ※髄核には80%の水分を含んでいて脊柱の「滑り運動」に

   大きく関与している。

※靭帯による連結。

※※前縦靭帯と後縦靭帯

 ①椎体と椎体の間の前方は前縦靭帯が椎体の前側の臓側を上は

  頚椎から下は仙骨まで伸びる線維が椎体の補強している。

 ②後縦靭帯は椎間孔の中の前方に位置し前縦靭帯とは位置が骨

  学的には異にしているが全長にわたって脊柱を補強している

  点では共通している。(椎孔の前壁と記憶する)

  ③椎弓間には黄色靭帯が①の靭帯の様に縦の前側、後側全長なの

  にくらべ、上下間のみのに張っていて屈伸に対しては強靭に働

  く機能を有している。(椎体と椎体の間だけの全長と記憶する)

 ④棘間靭帯 は棘突起同志の先端だけを連結している。

 ⑤棘上靭帯は棘間靭帯の直下で棘の長さの幅(厚み)を持つ靭帯で頸

  部の後方を強く保持している。

 ※項靭帯は上部が①外後頭隆起から下方は第7頚椎棘突起まで伸び

  いて前方からの(機械的圧・殴打)などは防衛対応は出来るが車両

  の追突の際の対応では殆んど無防御に近い。

※※黄色靭帯の解説

 黄色靭帯は上下の椎弓同志を連結する靭帯で(個別間)黄色を呈す

 弾性線維組織の靭帯で、脊柱管の後面を保護する。黄色との固有

 名があるのは目視で黄色が確認されたのと強靭な線維の為黄色を

 帯びているとする解剖学的見解でもある。


 

脊柱管

椎骨の連結では個々の椎骨同志は黄色靭帯で結合され、上下連結は

完了しているが全長では、前縦靭帯と後縦靭帯が確保する。その他

数種の靭帯が関与するが機能は連結の強化と保全である。それに

脊柱管は最上部で環椎と後頭骨との間で関節し頭蓋に続き、下方

では仙骨では仙骨管をつくり、最下端は仙骨裂孔にて終了する。


 

椎間孔

椎骨は連結されることにより上位の椎骨にある下椎切痕と上位の

椎骨の下椎切痕は向い合う位置にあり、椎間の側面をつくる。

この構造で椎間孔を成立させる。脊柱管は椎間孔を介して脊髄神

経を通す。

 ※ステッドマン医学大辞典,解剖学「骨格系」蔵書


 


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