解剖学ノート

解剖学ノートのミニコミ版

国試基本   頸椎のの学習

2016-03-10 15:24:53 | 解剖学ノート全編集版「筋骨編」

頸椎の学習

頸椎・・①第1頸椎から第7頚椎までの7個の骨で構成される。

※第1頸椎が環椎

イ、環椎は椎体は小さく主体が環状で前後径が少なく楕円形

ロ、椎弓は椎体よりもはみ出していて両側上部に後頭骨の後

  頭顆と関節する上関節窩を作る。(環椎後頭関節)

ハ、棘突起は小型で両側の外側塊より後部が後弓、前方が前

  弓とし前弓の前結節側にある歯突起窩には歯突起を固定

  する靭帯がはる。(翼状靭帯と合流する) 

  ※軸椎と正中環軸関節を構成する。

二、両側の横突起には小さく横突孔が開口し椎骨動脈を通す。 


 

第2頸椎(軸椎)

環椎とは大きく形状が異なるのが第2頸椎(軸椎)で歯突起が

突出しているのが他の頸椎とは大きく異なる。

突出した歯突起は環椎の前結節で正中環軸関節を強力な靭帯

で構築し下関節突起は第3頸椎の上関節突起と関節する。


第3頸椎以下の椎骨

第3頸椎から第7頚椎までの椎骨はほぼ平均的な椎体(頸椎型)

と整えるが横突起の脊髄神経溝を挟んで前部に前結節が、後部

に後結節が位置していて前者が前斜角筋、後者が後斜角筋の起

始部として頸部前後運動、あるいは側屈、回旋に関与する働き

を示す。

※椎弓根上縁の上椎切痕は椎体上部の 椎弓をつくる。

※椎弓根下縁の下椎切痕は椎体下部の椎弓をつくる。

※椎骨の上下は①椎間円板、②椎間関節。③その他椎体を連

 結する靭帯によって上下の運動、連結が構築される。

 


※環椎後頭関節

後頭骨(頭蓋底)の後頭窩と環椎の上関節面との関節で楕円関節を

成し、頭部の運動を司り、前屈と後屈はこの運動の主体であるが

前屈の時は項部が伸展、反対に後屈の際は前頸部が伸展する。側

屈、回旋も自在で関節としては多機能で人間生活ではこの機能が

退化、低下することは大きな生活上の効率をさげ、介助の必要度

が高まる。

 


※外側環軸関節 

環椎(第1頸椎)の下関節面と軸椎(第2頸椎)の上関節面との間の関節

で、頸椎型の通常な関節形態を示している。

※正中環軸関節 

軸椎の歯突起が環椎の椎孔の所定の位置に定まり同所の前結節 周囲

の歯突起窩に連結し歯突起を運動軸にして環椎(頭部)を左右に回旋さ

せ、この連動で歯突起から環椎が脱軸しないように環椎十字靭帯が

保護する働きをしている。

※隆椎(第7頚椎)

頸椎の最下部にあって、この椎骨より下部は胸椎となる。形状は頸

椎の中で胸椎に近い。この椎骨棘突起の突出を体表計測に用いる。

 


 

胸椎(T)

胸椎は胸部の骨格の中心的位置に座し、両側に肋骨を配し椎骨の

連結では12個の椎体を上下に積み上げ中央には椎間孔を有し中に

脊髄神経とその系列の神経を保有する人体中最大の臓器保有基地

である。

※肋骨の連結(胸椎側の関節は2個ある)

①肋骨の連結は椎体の両側にある下肋骨窩(上位椎骨下端)と下位椎骨

 の上肋骨窩に1本の肋骨頭が肋骨頭関節を構築する。

*煩雑ではあるが当会刊行の解剖学「骨学編」を参照されたい。*

※肋骨頭の先端は三角の形状を示しこの三角の頂点を「肋骨頭稜」

 としている。肋骨頭稜を定位置にはめ込むと上位椎体の下側面の

 下肋骨窩には肋骨頭先端三角の上部がはまり、下に向いた三角は

 下椎骨の上肋骨窩にはまりこむ。(滑膜性関節と文献にある。)

※※肋横突孔関節(胸椎側の2つ目の関節)

  肋骨頭関節と並んで関節構成で欠かす事の出来ないのが肋横突

  関節である。この関節は肋骨頭関節から外側に僅かいったとこ

  ろに肋骨結節が確認できる、この結節と胸椎横突起に横突肋骨

  窩があり、この窩に肋骨の肋骨結節が入り込んで、肋横突関節  

  を構成している。呼吸運動による胸郭 の膨大、収縮は2個の

  関節で一方の関節が梃になり交互に連動運動を効率よく行なう。


 腰椎と仙骨

腰椎は椎骨としてはもっとも体積・形状もおおきく、上半身の体重

を負荷する。椎間板も厚く頑丈に作られ、腰部運動での強調連動に

その流動性に優れている椎体の構造上の特性であるが、椎体の横

突起のような突起は肋骨退の遺物であり、本来の横突起は 副突起と

して残存する。腰椎の上関節突起は後方に大きく傾斜している為そ

の角度が前彎を作ってる。さらに胸椎に比して運動性に富んでい

て、胸椎の定形型の可動力とは比べるまでもなく優れている。

※仙骨※

仙骨は骨盤部の脊柱で思春期までは軟骨結合で簡単な骨連結をして

いるが5個の椎骨は成人期に周辺の肋骨片と、骨癒合し1この仙骨と

なる。①仙骨上面は大きく逆三角形を呈しその両側に寛骨臼を配し、

②上体の体重負荷を二つの大腿骨に分散させ③実働の利便性を大き

 く向上させている。

※仙骨上面の逆三角形の部分(腰椎と接する面)を仙骨底と呼称し第1

仙椎の前面端を岬角と呼ぶ。第2仙椎、第3仙椎と続き仙椎の下端を

仙骨尖とする。仙椎は骨癒合が成立して椎間板は失うが中心部に正

中仙骨稜を作るが棘突起の残余で構成され、仙骨管の下端は仙骨裂

で終了する。尾骨は仙骨裂孔と関節し、仙尾関節をつくる。


 

 

 

 

 

 


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