東芝の決算発表と四半期報告書が遅れた原因となった経営者の圧力に関する内部通報で、東芝の会長らが名指しされていたという記事。
「内部通報によると、去年12月に巨額の損失が生じたことがわかり、志賀会長がアメリカに調査に行った際、志賀会長とロデリック会長がウェスチングハウスの幹部に対し、東芝にとって有利な会計になるように圧力をかけたという。実際に、圧力があったのか、圧力によって会計に変更があったのか、東芝は、調査には1か月程度かかるとみていて、決算への影響も懸念されている。」
東芝のトップが関与していたという話ですから、大問題です。本当に圧力があったのか、あったとして、それによって会計数値がゆがめられたのかなど、十分に調べる必要があります。14日の会社発表によれば、「CB&I ストーン&ウェブスター社の買収に伴う取得価格配分手続の過程において内部統制の不備を示唆する内部通報」とのことなので、工事原価の見積りに関して、何らかの圧力がかかったということなのかもしれません。そうだとすれば、損失数値に直接影響してきます。
監査人としては、トップが関与しているということだと、統制環境に重大な問題があるということになって、最悪のケースでは、内部統制に依拠できない→監査不能→意見不表明あるいは監査契約解除、という可能性もあり得ます。14日の記者会見では、取締役会監査委員長(元トーマツの会計士?)が登場して、説明していましたが、仮に圧力があったとしても、それは会社ぐるみではない、会長より上位の取締役会がきちんと監督している(内部統制は有効である)という形を見せたいのかもしれません。
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