新著の宣伝記事のようですが、会計不祥事が後を絶たない理由などを会計評論家の細野氏に聞いた記事。
「―カネボウ、オリンパス、東芝……。巨大企業による粉飾が明るみにでるたびに我々が抱くのは、監査法人がなぜ見抜けなかったのかという疑問です。
監査法人は当該企業が粉飾していることはもちろん判っています。でも、それを指摘することはほぼ不可能。なぜなら、監査法人は会社から莫大な監査報酬を受けとっているから。日経平均採用銘柄の上場企業なら、最低でも1億円以上です。それだけもらえば、「適正」という意見以外の結論など出せるはずがありません。」
一般的には、日本は監査報酬が低いことが問題だといわれているのですが...
日産ゴーン事件について。
「―不透明な会計と言えば、現在進行形の日産・カルロス・ゴーン元会長の問題にも、多くのページが割かれています。
特捜検察による立件ですから、動向はずっと注視しています。一般に「ゴーン事件」などと騒がれていますが、会計処理の観点から言えば、あれは事件でもなんでもない。
中東日産からゴーン氏が支配する銀行口座に500万ドルが流れたことが、さも悪事であるかのように言われていますが、会計上は単なる「借入」と「貸付」に過ぎません。借りた側のゴーン氏が踏み倒したわけでも、「踏み倒す」と宣言しているわけでもない。
みなさんが住宅ローンを借りて、銀行から3000万円が振り込まれたのと同じことです。「損害」などどこにもないのに、なぜ特別背任と捉えられ、起訴されたのか、理解しかねます。」
役員が会社の取引先と大きなカネの貸し借りがあるというのは、けっしてよいことではありませんが、たしかに、それだけで背任ということにはならないでしょう。
キャッツ事件のエピソードも。
「唯一よかったのは、他にやることがないので英語の勉強に没頭できたこと。単語を覚えまくったおかげで、出所してから英検1級を高得点で取得することができました。あれ以来、英語の勉強法を聞かれるたびに、「捕まるのが一番いいですよ」と答えています(笑)。」