『週刊ダイヤモンド』6月15日号は、保険の特集だそうです。これはその宣伝記事(特集の冒頭部分)。
医療保険の税務上の扱いが問題になりそうだとのことです。
「多くの生保は「福利厚生の確保・充実」という名目で、企業経営者に向けて医療保険を販売している。
さらに、保険料を支払う期間を2年や5年などに短期化させ、時に数百万円に上る保険料を、一気に全額損金として法人が処理するというスキームを組む場合があるのだ。
関係者によると、一定の節税効果に加えて、契約期間の途中で名義を法人から個人に移せば、保険料をほとんど個人で負担することなく、終身の保障だけを経営者に移すことができるという。」
「中小企業経営者のニーズの高まりを受けて、メットライフ生命保険では昨年11月から、それまで最短10年だった保険料の支払期間を、5年に短縮するプランを投入。」
「短期払いスキームは、メットライフ以外にも、アフラック生命保険や第一生命グループのネオファースト生命保険、東京海上日動あんしん生命保険などにもあるため、業界全体への影響は決して小さくない。
「解釈の問題だ」(生保役員)とみた業界各社は、財務省OBや大手コンサルティング会社を巻き込みながら、5月の大型連休を挟んで、国税庁や政治家への攻勢を徐々に強めていった。」
中小企業なら、税金の問題だけといえそうですが、上場企業の場合は役員報酬の開示の問題にもつながります。こういう、会社のためというより役員個人のための支出は、役員報酬として、あるいは、少なくとも役員報酬に準じて開示すべきでしょう。
金融庁のことにもちらっとふれています。
「そうして熱を帯びた攻防が最終局面を迎えようとしている中で、その戦いに全く参加できず傍観させられている中央官庁がある。金融庁だ。
4月以降、基本通達の改正案を見て、慌てたように医療保険の短期払いについて各社に調査票を配っているところを見ても、蚊帳の外に置かれてしまっていることがよく分かる。
もちろん金融庁は税務当局ではないので、そもそも攻防に加わる必要はないという指摘はあるかもしれない。
ただ、生保の経営に大きな影響を及ぼす施策について、監督当局である金融庁のグリップが全く利かず、国税庁との連携もろくにできていないという状況が、果たしてベストプラクティスといえるのかどうか。
審査の過程で節税保険と十分に知りながら、死亡発生率をはじめ純保険料などの設計に特段無理はないとして、商品を認可してしまった一定の責任は、監督当局として当然あるはずだ。」
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