会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

非上場株の相続税算定に「格差」 方式の違いで評価4倍(日経より)

非上場株の相続税算定に「格差」 方式の違いで評価4倍

会計検査院が、非上場株式の相続税評価額のルールを問題視しているという記事。

「非上場株を相続する際の相続税の算定ルールについて、会計検査院が見直しを求めている。会社の規模に応じて3種類の方式が適用されるが、方式の違いで約4倍の差が生じることが判明。格差を利用した節税策を採る動きもみられる。検査院は「株式評価の公平性が確保されているとはいえない」と指摘している。」

検査院は、①「類似業種比準方式」②「純資産価額方式」③それら2つの方式の併用、による評価額の差を調べたそうです。

「検査院は①と②の評価方式の違いで評価額がどれほど変わるかを調べた。2020〜21年分の相続税などの申告のうち616社について、類似業種比準方式での1株あたりの評価額と純資産価額方式での評価額を比べた。

純資産価額方式による評価額の中央値は4万2648円だったのに対し、類似業種比準方式は1万1622円で約4分の1の水準にとどまった。会社の規模ごとに評価額を調べたところ、会社の規模が大きいほど、純資産価額方式での評価額に比べ、申告された評価額が低く算定される傾向もわかった。

つまり、なるべく類似業種比準方式で算定したほうが、相続税負担が軽くなる可能性が高いといえる。国税庁は、こうした算定方式の違いに着目し会社の規模区分を変えるために従業員を増やすなどして税負担の軽減を図る納税者もいるとしている。

今回の調査対象の616社について、純資産価額方式による評価額は計396億7909万円だったのに対し、実際に納税者から申告された評価額はその半分以下の計168億9281万円だった。」

「類似業種比準方式は1966年から2017年にかけて評価額が下がる方向で見直されてきた」ことで格差が広がっているとみているそうです。

検査院と国税庁の見解は...

「検査院は国税庁に対し「(会社の規模区分によって)取引相場のない株式を取得した者の間での株式評価の公平性を考慮するなどし、評価制度のあり方が適切なものとなるよう検討を行っていくことが肝要」と指摘。評価ルールの見直しを求めた。国税庁は「まずは必要な実態把握を行う」としている。」

コメントを読む限りでは、国税庁の方はあまりやる気はなさそうです。

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