「複数の企業が関与する不正の評価モデル」に関する特許の共同取得について
あずさ監査法人のプレスリリース(12月2日)。
一橋大学や東京商工リサーチと共同で、機械学習を用いた複数企業が関与する不正のリスク評価モデルを開発し、特許を取得したとのことです。
これまで、3者は、勘定科目レベルの会計不正リスク検知技術や、個別の企業の不正リスクを評価するモデルを開発してきましたが、循環取引のように複数の企業間での取引を通して行われる不正も多くあります。そこで、企業間の繋がりを加味することで、企業間取引における不正リスクを評価する本モデルを開発したとのことです。
どのようなモデルか...
「企業間のネットワーク情報(=仕入先・販売先といった企業間の取引情報)を利用して、企業の集団(クラスター)に分割し、各クラスターの特徴量を使ってリスクの度合いを示すスコアを算出しリスク評価を行っています。具体的には、機械学習を用いて、企業間の取引情報と各企業の財務情報、属性情報及び不正を行ったか否かを示す情報から学習したモデルを構築・利用することで、複数の企業が関与する不正のリスクを評価しています。」
何に役立つのか...
「本モデルを使用することで、企業間取引における不正発生リスクのスコアリングに加えて、どのような要素が不正発生リスクに影響しているかを分析し、将来における不正発生予測も可能となります。」
宮川教授の共同研究「取引データによるクラスタ単位の不正会計検知に関する研究」に基づく技術が特許を取得しました(一橋大学)