倒産件数も休廃業も政策的に抑え込まれた反動で
書籍の宣伝記事のようですが、経済活動が正常化に向かいつつある中で、粉飾倒産の増加が懸念されるという解説記事。
その理由は、上記記事を読んでいただくとして、銀行が粉飾決算をさせているという箇所が気になりました。
「驚くべきことに、中小企業の粉飾決算では、融資先の金融機関が重要な役割を果たしていることがあります。「被害者」の役割ではありません。「粉飾を後押しする」という役割です。
現場を目撃した関係者は、こう話していました。
「クライアントの経営者に付き添って銀行を訪問すると、時折、営業担当者が粉飾するようにほのめかす場面に出くわす」
具体的には、融資先が提出した決算書を見て、「もっと利益が出ているのではないですか」といった言葉で、粉飾を促すそうです。
なぜ、こんなことが起きるのでしょうか。
営業担当者にはノルマがあります。金融機関の営業であれば、企業にどれだけお金を貸せるかの競争です。だから、本音ではできるだけたくさん融資をしたい。けれど、「この会社のこの決算書では融資するのが厳しい」というとき、「もっと見栄えのいい決算書を出してくれないか」と思ってしまうということです。先ほどの関係者は、「私のような第三者がいるのに、そこまでして『きれいな決算書』が欲しいのかと、横で見ていて思った」そうです。
こんな証言もありました。
「ある経営者が大幅な赤字見込みを金融機関に報告したら、『架空の売り上げを載せれば融資する』と、営業担当者に言われた。その通りにしたら、決算書を不審に思った他の金融機関から説明を求められ、粉飾を知られてしまった。結局、それが引き金となって倒産です」」
銀行員には、倫理規則とか倫理綱領みたいなものはないのでしょうか。
(電子書籍版)