ナカノフドー建設(東証スタンダード)のプレスリリース(6月27日)。
海外連結子会社タイナカノにおける不適切な会計処理に関する内部調査報告書を受領したとのことです。報告書も添付されています。
「当社連結子会社であるタイナカノにおいて、平成31年3月期から令和4年3月期にかけ、工事原価を他の工事に付け替えることにより費用を先送りする不適切な会計処理を組織的に行っていた」とのことです。
具体的な経緯が報告書の15ページから記載されています。競争が厳しくて、大幅に積算原価を圧縮して受注していたという背景があるようです。
ある大型工事の赤字を回避するため、タイナカノ副社長の承認の下、原価支払いをストップしたところ(協力業者も支払い猶予を了承)、実は現場所長Xが、以前から原価不払いを勝手にやっていたことがわかり、それも含めて整理する必要が生じ、協力業者や現場所長を巻き込んで、原価移動をやったようです。
その後、新型コロナウイルス感染症の感染拡大等の影響もあり、工事受注件数が減少し、原価を移動することのできる工事がなくなったため、2022 年2 月ころ、タイナカノから日本の本社に報告があったそうです。(不正に関する開示は4月になってからなので、少しズレがあります。)
業績が悪くなると、それまでの粉飾が露見してしまうということでしょうか。
影響額は、多い年度で3億円程度のようです。(タイナカノの数値です。)
報告書では、原因分析や監査(内部・外部)の問題の検討なども行っています。
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