広島市で起きた強盗殺人未遂事件の容疑者が、犯行当時、野村證券の社員だったという記事。被害者は、顧客だったそうです。
「強盗殺人未遂と現住建造物等放火の疑いで逮捕された29歳の男性が事件当時野村証券の社員だったと、共同通信が捜査関係者への取材を基に31日報じた。
同報道によると容疑者は7月28日、営業先の顧客だった広島市の80代夫婦に夫婦宅での食事を持ちかけ、食事中に睡眠作用のある薬物を混入したとみられるという。意識をもうろうとさせたところで住宅に放火し、現金約2600万円を奪ったとみていると報じた。
ブルームバーグの電話取材に対して、野村ホールディングスの広報担当者はこの男性が元社員であることを認め、すでに懲戒解雇されていることを明らかにした。さらに、元社員が逮捕されたことは極めて遺憾とコメントした。懲戒解雇の時期や理由についてはコメントを控えた。」
「野村HDは富裕層を対象にした国内リテール事業を強化した結果、同事業が軌道に乗り始めている。営業を担当していた元社員による事件が発生したことで、顧客離れが起きかねず同事業の収益に影響が出る可能性もある。」
広島市西区 強殺未遂事件 容疑者は大手証券会社に当時勤務(NHK)
「容疑者は夫婦と面識があったことが分かっていますが、事件当時は大手証券会社に勤務していて、顧客だった夫婦の自宅を訪れていたことが捜査関係者への取材で新たにわかりました。
住宅で夫婦と食事をしている際に薬物を混入させた疑いがあるということで、警察は金銭目的の計画的な犯行とみて、詳しい状況を調べています。」
銀行員が顧客をだまして預金を解約させるなどしてカネをとるという事件は、よく報道されていますが、命まで取ろうという事件は聞いたことがありません。
(補足)
日経も報じています(共同通信の配信ですが)。
広島住宅放火、容疑者は元野村証券社員 「金盗んだ」供述(日経)
金を盗んだことは認めているが、殺意や放火は否認しているそうです。
容疑者は、この事件以前から、顧客から業務外の金集めをしていたようです。
「容疑者は事件当時、野村証券の社員だったが、個人で為替相場の変動などを予想し投資をしていた。複数の顧客から業務外に集めた金を資金に充てていた可能性がある。」
これだけなら、よくある不祥事で済んだはずですが...
会社のコメント。
「野村証券元社員の逮捕を受け、同社を傘下に持つ野村ホールディングス(HD)の北村巧財務統括責任者は1日の決算記者会見で「元社員が逮捕されたことは極めて遺憾。信頼回復に努めたい」と謝罪した。捜査中であることを理由に、詳細な説明は控えた。
野村証券は国債の先物取引で相場操縦したとして、金融庁から10月30日付で課徴金納付命令を受けたばかりで、不祥事が続いている。北村氏は「私たち一人ひとりが自らの行動に責任を持って仕事に取り組み、社会的役割を全うしたい」と述べた。」