先日民事再生法の適用を申請したやきとりチェーン運営のひびきが、粉飾決算を行っていたという記事。空リースなど不正なリース契約による資金調達も行っていたそうです。
「複数の出席者によると同社は「架空の売上高の計上、固定資産の過大計上、経費の過小計上を繰り返していた」ようだ。同社の貸借対照表には実際には存在しない資産が複数あるとみられる。説明会資料では、過大計上せずに算出した19年6月期の売上高は12億2200万円。前の期を約4割下回る。
さらに弁護士の報告によれば「空リース」や「多重リース」と呼ばれる不正なリース契約による資金の調達も発覚した。詳細はまだ不明だが、多重リースは一時的に資金を得られるにすぎず、多額のリース料を支払う羽目になる。」
「「リース契約の実態を明らかにすべきだ」「粉飾分を洗い出し、過去に遡り決算書を作り直してほしい」。説明会には金融機関やリース会社など約90人が参加し、会は2時間に及んだものの、粉飾の金額やリース契約の手法の詳細などは明らかにならなかった。」
「負債77億円のうち、約8割は約20行の金融機関が債権を持つ。長年の粉飾を見抜くのは難しかったようだ。ある金融機関の幹部は「きちんと経営指導できるようなメインバンクが不在だったことも大きい」と話す。国からも表彰されるなど地域内外での評価から、同社に厳しい目を向けられなかったのも一因だろう。」
記事によれば、「09年ごろに法人税滞納を知った金融機関が取引停止を通告」とのことなので、倒産の兆候が全くなかったわけではなさそうです。
「過去に親族が連帯保証人として背負った借金返済に追われていた」という事情には同情しますが、粉飾はまずいでしょう。空リースもリース会社をだましているわけですから、詐欺行為です。
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