日本の上場企業は、政策保有株を保有する合理性を数字で説明するとともに、説明のつかない株は削減を急ぐべきだという日経社説。
2019年3月期の有報における政策保有株の開示は不十分なのだそうです。
「日本企業に特有の政策保有株を減らして経営の透明性を高めるのは、2015年に始まった企業統治改革の大きなテーマだ。
削減を促すため、金融庁は19年3月期の有価証券報告書から政策保有株に関する企業の情報開示基準を厳しくした。開示する個別銘柄の数を30から60に増やし、各銘柄の定量的な保有効果をそれぞれ記載するよう義務づけた。
定量的な保有効果は、例えば取引先からの受注額といった具体的な数字で示す必要がある。それがわかれば、保有を続けるコストやリスクと比較しながら政策保有株の合理性を判断できる。
6月末に出そろった3月期決算企業の開示をみると、不十分と言わざるを得ない。多くが「事業関係を維持するため」といった曖昧な理由にとどまっている。主要企業の開示内容を調査したゴールドマン・サックス証券は「ほぼ全ての企業が定量的な保有効果を記載していない」と指摘した。」
政策保有株を保有する方は、保有のメリットを説明した方がよいのかもしれませんが、逆に、株をもたれている方の会社からすると、株主だからといって、何か取引上の優遇を与えたら(例えばもっとよい条件の仕入れ先を断って、その会社に発注するなど)、株主全体の利益を犠牲にして、一部の株主を優遇していることになります。そんなことは、会社のガバナンス上許されないでしょう。「事業関係を維持するため」としか書けないのでは。
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