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会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

井手氏発言「極めて不本意」 JR西がコメント(産経より)

井手氏発言「極めて不本意」 JR西がコメント

JR西日本が、福知山線脱線事故をめぐる、同社元会長、井手正敬氏の発言に対し反論のコメントを出したという記事。

事故をめぐり、企業風土に問題はなかったという趣旨の発言をしたそうです。

「JR西は「組織全体で安全を確保する仕組みと安全最優先の風土を構築できていなかった」と指摘。「尊い人命をお預かりする企業としての責任を果たしていなかったことを深く反省し、安全の実現に向け、不断の取り組みを積み重ねてまいります」とした。」

どういう発言だったのか...。

「井手氏は発言の中で、事故に関して当時の社長が国会で「企業風土の改革に全力を挙げる」と述べたことについて、「『企業風土』という言葉でこの会社を築いた先輩たちに責任を押し付けようとした」と批判。」

発言を載せた産経記事。

井手正敬氏インタビュー詳報
④福知山線事故、「企業風土」の問題だったか
(産経)(記事の一部のみ)

「事故については、経営に携わっていた者として、亡くなった方、遺族の方、負傷された方々に申し訳ないと思っている。

事故が起きた後、当時の西日本の社長が国会で「企業風土の改革に全力を挙げる」と発言した。自分たちの責任ではなく、「企業風土」という言葉でこの会社を築いた先輩たちに責任を押し付けようとした。それこそおかしいではないか。その思いは今も変わらない。」

同じような発言は以前からしていたようです。

JR西日本の「天皇」が初めて私に語ったこと 福知山線事故から13年(2018年)(文春オンライン) 

「井手氏の福知山線事故に対する見方は、13年前の事故直後から寸分と変わっていない。本に記した言葉を引けば、「完全に運転士のチョンボ。それ以外あり得ない」と考えており、同社の組織的・構造的問題が真の原因だったとする淺野氏や現在のJR西の考えに対して、「事故において会社の責任、組織の責任なんていうものはない。そんなのはまやかしです。個人の責任を追及するしかないんですよ」と強く反論している。」

「人間は真面目に職務に努めていてもミスを犯すものであり(ヒューマンエラー)、潜在的なリスクを洗い出し(リスクアセスメント)、システム全体で予防的・多重的な事故対策を取るのが常識となっている現代のリスク管理とはかけ離れた、完全に根性論の世界である。」

「井手氏が唱える「厳しく締め付ければミスはなくなる」「放っておけば、現場は楽をしようとすぐに緩む」という根性論に根差した組織運営も、支持する人はまだまだ多いと私は感じている。企業やスポーツ界でのパワハラ、学校での体罰が報じられるたび、「自分は厳しく指導されたおかげで大きく成長できた」といった類の擁護論が必ず湧き起こるのは、その現れだろう。「親分・子分」的な人間関係を好み、そういう関係性を周囲に強いる人も数多く見てきた。」

内部統制的に考えると、事故を起こした個人の責任とは別に、組織として、事故がおきないようにするための内部統制を整備・運用する責任があり、その中には、個々の手続(統制活動)だけでなく、企業風土を含む統制環境も重要な要素でしょう。

文春記事で紹介されている本。

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