大和ハウス工業の中国・大連市の関連会社で、約234億円の会社資金が不正に引き出されたという記事。
「中国の合弁先から派遣された取締役の中国人男性2人と出納担当者の中国人女性の計3人が関与したとみられるという。」
「関連会社は「大連大和中盛房地産有限公司」。現地の建設会社と合弁で2005年に設立し、分譲マンションの販売、開発を行っている。不正を行ったとみられる3人は親族で合弁先の建設会社を経営している。
大和ハウスによると、関連会社の経理担当者から今月12日、預金残高と帳簿で金額の差異があると報告を受け調査を開始。2015年からインターネットバンキングを通じ不正に送金された形跡があり、約14億1500万元(約234億円)が使途不明金になっていた。
3月7日に出納担当者の女性が会計書類を持ち出そうとしているのを現地社員が発見。それを機に女性が出社しなくなったことを怪しみ、帳簿などを確認したという。」
全額回収できない場合は、約117億円の持分法投資損失を計上するとのことです。
合弁先との間で対立があったそうです。
それにしても、2015年から不正が続いていたというのは長すぎるのでは。外部監査人はいなかったのでしょうか。
大和ハウス、ガバナンスに緩み 巨額横領、出納担当女性の無断欠勤で発覚(SankeiBiz)
「出納担当者は中国の建設会社側が派遣。日本からも財務担当者は派遣されていたが、この女性が実際のお金の流れを管理していたという。設立後、関連会社は第1弾プロジェクトとして約1千戸規模の分譲マンションを開発し順調に販売。業績は好調だったことも、ガバナンスが緩む要因となった。」
監査人も、関係会社の業績だけしか見ない(業績だけでリスクを判断する)のは危険だということでしょう。
中華人民共和国の関連会社における不正行為に関するお知らせ(大和ハウス工業)(PDFファイル)
「大連大和中盛房地産有限公司は、海外現地企業(大連中盛集団有限公司)との合弁による関連会社であったことから、業務執行については合弁先(大連中盛集団有限公司)からの派遣者に依存しておりました。当社は、役員・従業員の派遣や会計監査人による監査を通じて会社の運営状況を確認しておりました。
しかしながら、長年にわたる合弁事業において業務執行を合弁先に依存していたことで、このような事態を招いたことから、今後は関連会社の内部統制システムについても、見直しを行っていく方針です。」
最近の「不正経理」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2000年
人気記事