東証マザーズ上場のMTGの公認会計士等異動のプレスリリース。
トーマツ→PwC京都監査法人、の交代です。
交代理由は...
「当社の会計監査人である有限責任監査法人トーマツは、2019年12月25日開催予定の第24期定時株主総会終結の時をもって任期満了となります。
当社は、2019年7月11日付公表の「第三者委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」のとおり、第三者委員会より、当社の連結子会社であるMTG上海において、会計監査人に対して虚偽の説明をし、かつ、不適切な営業取引行為及び中国向けの越境EC事業における取引についても会計処理が不適切であること並びにガバナンス体制及び内部統制が不十分であった旨の指摘を受けました。
当社は、これを重く受け止め、2019年7月18日開催の取締役会において再発防止策について決議し、ガバナンス体制を見直しこの実行に取り組んでおりますが、有限責任監査法人トーマツからは、当該再発防止策の実行途上の状況では、相当な監査工数の増加が見込まれ、監査人員の確保に不確実性が伴うことから、契約更新を差し控えたいとの申し出を受けました。当該状況を踏まえ、任期満了に伴い新たな監査法人を候補者として検討するに至りました。」
多くのパートナー、スタッフを抱える大手監査法人が監査人員が確保できない(正確には「人員確保に不確実性が伴う」)といっている会社を、他の監査法人が監査できるのでしょうか。たぶん、人員確保はやろうと思えばできるのでしょうが、業績も振るわず、監査人にうそをつくような会社は、いくら経営体制を見直すと言ってもリスクが高いと判断したのでしょう。(あるいは監査報酬をふっかけて断られたのか...)
また、PwC京都の監査受嘱手続未了のため、同監査法人が就任できない可能性があるそうです。
「弊社の決算手続が完了しないことによる決算発表の遅延の影響により、当社の現会計監査人である有限責任監査法人トーマツからPwC京都監査法人への引継ぎに係る手続等が未了であるため、PwC京都監査法人による弊社会計監査受嘱は未了であり、その結果によっては株主総会で本選任決議案を決議してもPwC京都監査法人が弊社の会計監査人として就任できない可能性があります。」
発表が遅れていた2019年9月期の決算は、売上高が38%減の360億円に対し、最終損益が262億円の赤字という結果でした。
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MTGの19年9月期、262億円の最終赤字 在庫評価損など計上(日経)
「企業の存続に疑念を抱かせる状況を示す「継続企業の前提に関する重要事象」を今回の決算短信に記載した。ただ連結財務諸表の「継続企業の前提に関する注記」は記載していない。」
MTGがようやく2019年9月期決算を発表 「リファ」が苦戦し、262億円の赤字(WWD)
「決算発表の延期については「10月前半に当社の会計監査人に対して韓国の取引先の在庫状況に関する通報があり、社内調査を行ってきた。当初は11月14日までには調査が終わり、発表できると考えていたが、思ったよりも時間がかかってしまった。結果としては、この韓国の件は、決算には影響がなかった。今後は12月開催予定の株主総会を経て、取締役を刷新し、社内ガバナンスを強化していく」と松下社長はコメントした。」
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