田舎で”ぼちぼち” ここでしかできない仕事を 「山の手入れ」と「牛飼い」 それぞれが歩む人生とは/兵庫・丹波市
イギリスで長く大手監査法人(厳密にはイギリスには「監査法人」という制度はないので、監査業務をやっている大手会計事務所のことでしょう)に勤務していて、昨年、兵庫県丹波市に移住してきた人(奥さんが日本人)などを紹介した記事。
「ガーデニングや林の手入れが趣味の一つ。チェーンソーを使うが、林業家ではない。およそ20年、大手監査法人で勤務。2020年、新型コロナウイルスの世界的な流行で勤務先が募った早期退職に手を挙げた。時を同じくして、ロンドン市中心部から車で1時間ほどの郊外に、ブナの大木が生えた5エーカー(約2ヘクタール)の森林を購入した。ちょっとしたキャンプサイトをこしらえ、コロナ禍の家族安らぎの時間を、森で過ごした。その頃インターネットで読んだ、日本の放置山林に関する記事に衝撃を受けた。四国の森林がただ同然でたたき売られていた。
ロンドン市があるイングランドの森林被覆率は10%。森林が少ないイギリスは、法律で厳しく森を守っている。自分の森でも構造物を造ることができない。日本人が「いらない」森林を買って手入れをし、投資、換金目的でなく「山を持ち、大切にすることを価値とする暮らし」を、日本で広めたい思いが募った。
「一度きりの人生、今これをしなければ、一生後悔する」と計画を進め、昨年4月に来日。7年前に丹波市青垣町神楽自治振興会が運営していた田舎暮らし体験古民家「かじかの郷」で過ごし「人々の穏やかな感じも、山に囲まれた感じも好き」と、気に入ったまちを移住先に選んだ。」
「「お金を横に置くと、田舎の方が生活の水準は良く、人生の質は高い」と言う。「1万人に1人でなく、30人に1人の人のつながり、コミュニティーの連帯感がある。子どもだけで外で遊ばせられる安心、『周りの人を疑いなさい』と、子どもを育てなくていいのが良い」」