会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

JA共済めぐり…農協職員「ノルマで“自爆契約”」給料削り 借金も【調査報道】(TBSより)

JA共済めぐり…農協職員「ノルマで“自爆契約”」給料削り 借金も【調査報道】

JA共済で、職員による自爆契約や、契約関係書類への勝手な代筆署名が横行しているという記事。

自爆営業や不正契約の実例を紹介した後、その背景についてふれています。

職員の証言より。

「共済の営業マンをしている同僚のBさんは、さらに重いノルマを課せられている。

共済営業マンBさん
「ぶっちゃけた話でいうと、貯金は本当にないですね。むしろ(金を)借りたりをしていることもあります。カードローンとか」

通常の営業ではノルマを達成することができず、自爆契約に手を染めた。今やその掛け金は給料のおよそ約3割、年間120万円に上る。」

「「自爆をしないと(農協に)いられなくなると思うんです。(ノルマを達成できないと上司から)給料泥棒みたいな言い方もされますし、そうした時は自分でかぶってお金を失うぐらいの方がまだいいなっていう、一種の洗脳じゃないんですけど、そんな感覚に陥っちゃってですね」」

名前が出ているのは、JA兵庫西という農協です。ノルマ表というのがあるそうです。

「共済に関係の無い仕事に就いている新人でも2000ポイントが課せられ、役職が高くなるほどノルマも高くなっている。

最もノルマが多い職員は共済専門の営業マンで約26万ポイントだ。3000万円の死亡保障契約の場合だと、年間で90件獲得しなければならない。」

不正契約の方は、契約時の被保険者(被共済者)の署名が勝手に代筆されていたというJA南アルプス市の事例です。

「身長、体重、勤務先など、農協側に告知する項目もでたらめだ。父親は、この契約を結ぶことを了承していたが、それでも代筆は許されない。

「こんな署名が正式なものとして通用してしまったら、全然違う契約に変えられてしまっても、まかり通ってしまうと思うので、信用問題というか」」

JAおおいたの不祥事などにもふれています。

「全国各地の農協ではノルマを原因とする様々な不祥事が起きている。

「JAおおいた」では、職員の横領などが発覚。

調査した第三者委員会が「過大なノルマは不祥事の元凶である」と指摘した。

埼玉県の農協では、契約者の署名の代筆が発覚。

第三者委員会が「自身の実績を上げたい」などの思いがあったことが原因だとしている。」

農水省の課長が登場して、監督指針の改正案などを説明していますが、将来の天下り先に対して、厳しい指導はできないでしょう。(金融庁に委託して監督業務をやってもらえば、普通の保険会社と同レベルの監督になるのでは)

最後の方では、ノルマの背景など(農協の信用事業・共済事業頼み)にふれています。

「こうした状況がある中、2022年12月、農協出身の野村農水大臣は会見で「目標を達成できない職員ほど、そういうことを言い出すんですよ」と述べ、“自爆契約の原因が職員にある”ともとれる発言をしました。

こうした発言について職員に話を聞くと、「現場の実態を分かっていない」と憤っていました。」

会計的には、自爆影響による契約も有効だとすれば、影響はないのかもしれませんが、契約書類の代筆などの不正な契約は、契約自体が無効かもしれません。もしそうだとすれば、無効な契約による収入を計上することになって粉飾決算でしょう。

農協の会計監査人(みのり監査法人がほぼ独占している?)はどのような見解なのでしょう。

記事の中の写真にも出てきますが、都心の一等地にあるJA共済の巨大なビル。農協の組合員数も大きく減っているそうですから、いざとなったら、これを売却して、もっと家賃が安いところに引っ越せばよいのでは。

JA共済ビル

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