公認会計士の「監査業務」に従事する割合が減少傾向にあるが、どうにかすべきという意見記事。中堅監査法人の代表者が書いています(監査法人の宣伝記事?)。
公認会計士志望者は増える傾向にありますが...
「現状で大いに懸念すべきことが、公認会計士の監査業務に従事する割合が減少している、特に監査法人に就職した若い人財が退職して、コンサルティングや企業内会計士になる、すなわち「監査離れ」の問題です。
私個人としては、「公認」される限り、社会インフラの一部である監査業務に有為な人財をつなぎとめ、社会的使命をとげることが、社会からの要請ではないかと考えます。また中堅監査法人である身としては、大手監査法人に勤め数年で退職し、セカンドキャリアに「監査法人」の選択がなくスルーされることは、耐えがたい痛恨事です。」
なぜ、監査離れが起きるのかについても議論していますが、監査には「専門家でも一定の経験やスキルが不足していると歯が立たないということ」があり、リスクを感じているのではないとのことです。
「自身に経験とスキルが十分でなく、またそれを補う指導もない状況で、監査業務上のリスクに対する意識が大きくなればなるほど、監査業務を敬遠することも無理からぬことです。
またそうしたリスクが隣にありながら、同じ監査チームの職位の高い者が担当し、自身はリスクの低い勘定科目の業務を単純作業として大量にこなしている日々が続けばそれも飽きるでしょう。若い公認会計士人財の「監査離れ」の一因であるかと思います。」
こういう問題意識はわからないでもありませんが、他方で、会計士は大手・準大手監査法人でしばらく修業した後は、監査業務にこだわらず、会計が関わるいろいろな分野で活躍してもらうのがよい(それこそが社会的使命)という考え方も、特に10年ほど前の大手監査法人大リストラ以後は強くなっていると思います。どちらが正しいということはなく、バランスの問題なのでしょう。もちろん、中小監査法人への再就職も選択肢としてあっていいと思います(社風をよく調べる必要はありますが)。