政府・自民党が監査法人(正確には個人や共同事務所もあるので「監査事務所」だと思いますが)の「ガバナンス・コード」をつくる方針だという記事。
「政府・自民党は4日、監査法人の経営規範を示す「ガバナンス・コード(統治指針)」を年内にもつくる方針を固めた。ある企業を監査するチームを一定期間ごとに交代させるといった監査法人と企業のなれ合い防止策を盛り込む。監査の透明性を確保することで会計不祥事の再発を防ぎ、日本企業への信頼を取り戻す狙いがある。」
自民党の金融調査会の提言により、政府の成長戦略に盛り込み、金融庁が具体化するという予定だそうです。
「統治指針は2015年に東京証券取引所が上場企業に初めて適用した。東芝の会計不祥事を受け、監査法人にも統治指針が必要と判断。法律と異なり強制力はないが、指針に従わない場合は理由の説明が求められる。」
役所とすれば、めんどくさい規則策定作業をパスして、何かやったような体裁が得られるというメリットがあるのでしょう。コーポレートガバナンス・コードで味をしめたのでは。強制力がないといっても、指針に従わない場合は、検査で締め上げるのでしょう(この点が企業と違う)。また、コーポレートガバナンス・コードの方で、監査人がこの監査法人コードに準拠しているか会社に確認させる、金融庁監督下の金融機関の監査から、コード非準拠の監査法人を締め出すよう圧力をかけるなども考えられます。
コードの内容としては、監査チーム全員の交代を義務付ける、監査法人内に社外の有識者で構成する監視組織を置く、(監査クライアントの)株主への情報提供を拡充するなどの案が出ているそうです。EUのような監査人の強制的交代制度は当面見送りだそうです。
これを導入したからといって、監査が劇的に改善するということはありえませんが、大きな害にもならないでしょうから、完成すれば、少なくとも大手監査法人は、準拠することになるのでしょう。
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