不正会計問題で、個人株主が東芝と旧経営陣5人に、計約3億円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論があったという記事。会社と旧経営陣は争う姿勢だそうです。
「株主側の弁護団によると、旧経営陣のうち西田厚聡(あつとし)元社長は答弁書で「不正会計と株価下落に因果関係はない」と主張。最高財務責任者だった村岡富美雄元副社長は「違法な利益水増しをしたり、知りながら容認したりしたことはない」と反論している。
東芝の個人株主は、大阪、福岡地裁でも計52人が計約2億6千万円の賠償を求めて提訴しているほか、別の個人株主が株主代表訴訟の準備を進めている。東芝自身も旧経営陣に計32億円の賠償を求める訴訟を起こしている。」
粉飾決算があったことは会社の報告書その他から認めざるを得ないので、不正会計と株主の損害との因果関係を争点としているのでしょう。元CFOの反論は、粉飾決算だが違法ではないといっているのか、容認していない(知らなかった)といっているのか、記事だけでは不明ですが、どちらの理屈も通らないように思われます。(裁判の話なので、正確には、法律専門家の解説などを参照してください。)
東芝と元役員5人全員が争う姿勢 株主訴訟、東京地裁 (日経)
「東芝と元役員5人全員が争う姿勢を示し、元役員の一部は「違法な利益のかさ上げを行ったり容認したりした事実はない」として、不適切会計への関与を否定した。」
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