金融庁が、(上場?)企業の監査を行う監査法人の登録制度を、会計士協会の自主規制制度から、法律に基づく新制度にするという記事。
「金融庁は4日、企業の会計監査を行う監査法人に関する論点整理案を有識者会議に提示した。監査法人の登録制度について「法律に基づく制度の枠組みを検討する必要がある」と指摘。現在は日本公認会計士協会による自主規制としての登録制度があるが、中小監査法人を含め、上場会社の監査の質を向上させるため、法律に基づく新制度を検討する。」
論点整理(案)にそこまで書いてあるとは気付きませんでした。見てみると、たしかに以下のような記述があります。
「上場会社の監査を行う監査法人に対しては、海外の状況を見ても、上場会社等の監査を行わない監査法人に比してより高い規律が求められており、体制、リソース、情報提供等の観点から、我が国においても同様に、より高い規律付けを検討すべきである。
具体的には、現状の自主規制としての上場会社監査事務所登録制度について、登録審査やその後のレビューを通じて監査事務所が上場会社を監査するに十分な能力・態勢を備えていることを担保する規律としての実効性をより高める観点から、法律に基づく制度の枠組みを検討する必要がある。
その際には、コンプライアンスのチェックに留まるような形式主義に陥ることのないよう、上場会社を監査する監査事務所に対する規律としての実質が伴う制度・運用を目指すべきとの意見があった。」(5ページ)
具体的な登録要件(「一定の社員の数を有することを求めるべきとの指摘がある」)にもよりますが、上場会社監査への新規参入のハードルが相当高くなることが予想されます。それどころか、既存の上場会社監査事務所も、ふるい落とされる制度になるかもしれません。
当サイトの関連記事(「会計監査の在り方に関する懇談会(令和3事務年度)論点整理(案)」について)
金融庁、監査法人の登録制検討 中小の質確保へ(日経)(記事前半のみ)
「金融庁は4日、上場企業の会計監査を担う監査法人に法的効力を持つ登録制度の導入を検討すると表明した。現在は自主規制団体の日本公認会計士協会が登録業務を担っているが、中小法人で企業のグローバル化に対応した監査の質を保てていないとの指摘があることに対応する。金融庁による監視強化で監査の質の確保につなげる。」
いまも、監査法人の登録制度とは別に、協会の上場会社監査事務所登録制度(監査法人だけでなく個人の会計士事務所や共同事務所も登録できる)がありますが、後者を法律の裏付けのあるものにしようということなのでしょう。
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