日本公認会計士協会の監査・保証実務委員会は、「監査人から事務幹事証券会社への書簡について」の改正に関する公開草案を、2006年8月11日付で公表しました。コンフォートレターの作成ルールを定めたものです。
(1)「財務諸表等に係る保証業務の概念的枠組みに関する意見書」(企業会計審議会)において示されている保証業務のあり方に基づき、書簡の作成業務の位置付けを明らかにするとともに、(2)昨今、監査人の責任の厳格化、明確化が求められていることを踏まえ、書簡を作成する上での調査手続等について内容の見直しを行ったとのことです。
具体的には以下の点が改正されています。
・監査人が交代した場合の取扱いが明確にされました。後任監査人は前任監査人が監査した期間における財務情報については責任を負うことができないため、調査手続の対象としてはならないとされています。ただし、当報告書に基づかない「合意された手続」として業務を行うことはできます。
・業務契約書を締結することが望ましいとされ、契約書記載事項が列挙されています。
・この書簡の作成は、何らかの保証を与えるものではなく、前述の意見書における「合意された手続」にあたるとされました。従来の「消極的保証」は、「総括的手続結果」を付すことと言い換えられています。
・事務幹事証券会社から提示された調査事項について、監査人は、発行会社及び事務幹事証券会社と協議後、草案を事務幹事証券会社及び発行会社に速やかに提出することとされました。草案には「草案」と明記することが求められます。
・事務幹事証券会社からの質問等に対して、文書又は口頭で回答を行う場合においては、監査人が何らかの個別的な保証を与えたと誤解されないようにする必要があるとして、具体的な留意点が列挙されています。例えば、コーポレート・ガバナンスの状況等、会計監査と直接関連性のない事項に関しては、回答できないとされています。(当然の話ですが、従来証券会社の責任回避のため、監査人に何でも回答させようとする傾向があったようです。新規上場会社の不祥事が多発しているため、会計士が証券会社から故なき責任追及がなされる事態を会計士協会も危惧したのでしょう。)
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