会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

監査報酬、17年度7%増 総額2000億円超 M&A増などで(日経より)

監査報酬、17年度7%増 総額2000億円超 M&A増などで(記事冒頭のみ)

日経平均株価を構成する225社の2017年度の監査報酬を調べたところ、前の年度に比べて7%増えていたという記事。(タイトルは「監査報酬」ですが、実際には非監査業務の報酬も含めて集計しています。)

「M&A(合併・買収)や海外子会社の増加に伴う国際税務などへの対応が背景にある。国際会計基準(IFRS)の導入で監査業務が複雑化し、支払額が増えた企業も目立った。会計処理に関する助言など、非監査業務での支払額も4%増と全体の水準を引き上げた。

日経平均株価を構成する225社の有価証券報告書を調べ、過去2期分を集計した。監査業務と非監査業務での報酬を合計した。総額は2000億円を超え、企業1社あたりの平均は約8億9200万円だった。前の年度より支払いが増加した企業は全体の6割を占め、143社に達した。」

富士フイルムは5.1倍だそうです。

「増加率が大きかった企業には、傘下企業の海外子会社で不適切会計が発覚した富士フイルムホールディングスや監査法人を追加選任した日清紡ホールディングスなどがあった。富士フイルムが18年3月期に支払った報酬は前の期比で5・1倍の34億円だった。「海外子会社を含むグループ会社を改めて点検した」(富士フイルム)ことが背景にある。」

記事の本文や表でふれているいくつかの会社について、有報で調べてみました。

まず富士フイルム。



増えた分のほとんどは過年度訂正の監査の分です。それを除くと国内分は前期とあまり変わらない2億円台のようです。(監査人を変更して、監査報酬が増えるはずがない?)

ソフトバンク。



国内支払い分も増えてはいますが、そもそも海外子会社が支払っている分の金額の方が大きく、増加分も海外分(しかも監査ではなく非監査)の増加で説明がつくようです。

記事の表で監査報酬が最大だった三菱UFJ。



ソフトバンクほどではありませんが、海外分の割合がかなりを占めています。

報酬が増えているといっても、日本の監査法人がそれで潤っているかは、別に調べないといけないでしょう。
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