会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

軽減税率:経理方式4案…兼ね合い焦点 与党協議会(毎日より)

軽減税率:経理方式4案…兼ね合い焦点 与党協議会

自民、公明両党が与党税制協議会で、軽減税率の導入時の経理手法(帳簿方式かインボイス方式かなど)を議論したという記事。4つの案が出されたそうです。

「現在は消費税率が8%で一本化されているため、卸売業者が小売業者に商品を売る場合、請求書には、商品ごとの消費税率や税額を記載せず、すべての商品の税込み合計金額だけを記載すれば、小売業者が払う消費税額を計算できた。しかし、軽減税率が導入されると、商品によって税率が異なり、合計金額だけで税額を計算することは不可能になる。

 与党が検討に入った4案のうち、手法が最も簡単なのがA案で、公明党が主張している。現在の請求書の内容に加え、10%、8%など適用する税率ごとに商品をまとめ、それぞれの税込み合計金額を記載する。商品ごとではないため業者の負担は小さくて済む。ただ、合計金額だけでは業者が消費税を少なく申告しても、当局がチェックできず、脱税の温床になる恐れがある。

 一方、4案のうち最も厳密なのはD案で、軽減税率が普及している欧州連合(EU)が採用している。商品ごとの税率、税額、事業者番号(売り手の登録番号)を明記した「インボイス(税額票)」の発行を売り手に義務付ける。買い手はこれを基に消費税額を計算する。当局はインボイスで不正がないかを事後的に点検できる。」

記事の最後でも少しふれていますが、経理方式だけでなく、免税業者や一般消費者(これらは消費税を納めないので事業者番号などもない)からの仕入についても、従来どおり仕入税額控除を認めるのかどうかという論点もあります。また、軽減税率が適用される売上のための仕入について、仕入税額控除を全額認めるのか、標準税率の仕入については一部分しか認めないのかという問題もあります。非課税売上の場合に仕入税額控除がまったく認められないこととのつりあいからすると、全額認めるのはおかしいと思われます。

軽減税率導入により、税金が減るというだけでなく、消費税の現行の仕組み自体を大きく変えざるをえません。到底10%への引き上げ時には間に合わないように思われるのですが・・・。



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