金融庁は、ディスカッション・ペーパー「検査マニュアル廃止後の融資に関する検査・監督の考え方と進め方」(案)を、2019年9月10日に公表しました。
「融資の観点から「金融システムの安定」と「金融仲介機能の発揮」のバランスの取れた実現を目指す当局の検査・監督の考え方と進め方を整理した」ものとのことです。
50ページ弱の報告書です。別に、概要をまとめた資料(全7ページ)がついています。
「信用リスク情報の引当への反映」、「会計監査人との関係」など、金融機関の会計処理や会計監査に関係する項目も取り上げています。
融資の引当金に関する会計基準(金融商品会計基準)との関係については、ちらっとふれている箇所がありますが(14ページ、16ページ)、正面からは議論していないように感じられます。
ただし、現行会計基準の枠内の議論だということは述べています。
「本文書では、金融検査マニュアル別表に基づいて定着している現状の実務を否定せず、現在の債務者区分を出発点に、現行の会計基準に沿って、金融機関が自らの融資方針や債務者の実態等を踏まえ、認識している信用リスクをより的確に引当に反映するための見積りの道筋を示している。」(15ページ)
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将来リスクに引当金 金融庁、銀行監督柔軟に(日経)
「金融庁は10日、銀行の経営を監督するための考え方を示す「ディスカッションペーパー」の案を公表した。不良債権処理のために導入した「金融検査マニュアル」を廃止し、融資先の将来の経営リスクに応じて柔軟に貸倒引当金を積めるようにする。リスクへの機動的な備えと成長資金の供給の両立を促す。」
会計基準が変わっていないのに、引当金の計上方法を変えていいものなのか...。
金融庁の会計基準軽視の表れでしょう。
金融庁が「検査マニュアル」廃止後の考え方を公表 経営理念や戦略を重視(産経)
「過去の損益や実績などに基づいて判断していた引当金については、自然災害や技術革新、特定産業の将来性などを考慮し見積もれるようにすることで、引き当てをした企業への追加融資もしやすくする。」
金融検査マニュアル、12月廃止=貸し倒れ費用計上を柔軟化-金融庁(時事)
「金融庁は10日、不良債権処理のため厳格な資産査定基準を定めた「金融検査マニュアル」を12月に廃止すると発表した。金融機関に対し将来の危機に備え、貸し倒れ費用を柔軟に計上するよう促す。」
「金融庁は、過去の実績を基に査定するマニュアルの手法を改め、個別の金融機関の状況に応じて予防的に費用を計上する必要があると判断した。」
金銭債権を、(借りてる側ではなく?)貸し手側(個々の金融機関)の状況に応じて評価するというのは、どうなのでしょう。
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