会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

世界の直接投資先、租税回避地が4割弱 IMF報告書(日経より)

世界の直接投資先、租税回避地が4割弱 IMF報告書

世界の海外直接投資(FDI)の4割弱が、タックスヘイブンへのものだという記事。IMFとデンマークのコペンハーゲン大の共同調査の結果です。

「多国籍企業などが節税を目的に租税回避地(タックスヘイブン)に移動させた資金が、世界の海外直接投資(FDI)の4割弱に達することが国際通貨基金(IMF)が9日までに公表した報告書で明らかになった。こうした「見せかけ」の海外直接投資は2017年に約15兆ドル(約1600兆円)の規模に達しており、適切な課税に向けた国際協調が必要だとしている。」

「多国籍企業が事業実態のない「特別目的事業体(SPV)」の「箱」をつくり、所得や資産を租税回避地に移すことで法人税の支払額などを減額させているという。多くは合法で形式上は海外直接投資に含まれるが、IMFは事業投資とは異なる「見せかけ投資」だと断じている。

こうした租税回避地への資金移動は17年が15兆ドルと、5年間で約5割増えた。FDI全体に占める比率も17年は38%と、10年の31%程度から上昇した。

資金移動の振り向け先は、ルクセンブルクとオランダが全体の約半分を占める。香港やアイルランド、英領ケイマン諸島などを合わせた10カ国・地域で全体の85%に達する。たとえば人口約60万人のルクセンブルクには、米国へのFDIに匹敵する約4兆ドルの資金が流れ込んでいるという。」

Much of foreign investment is aimed at tax dodging rather than job creation, study finds(INDEPENDENT)

Researchers at the IMF and the University of Copenhagen have found that a large share of FDI ends up in empty corporate shells with no real business activities in the host nation. Instead, their purpose is often simply to minimise multinationals’ global tax bill as companies use them to shift profits to countries with the lowest corporate taxes – as Apple has done by diverting profits to the Channel Islands, for example.

“Phantom” foreign investments total $15trn(economia)

More than a third (40%) of the global foreign direct investments (FDIs) are “phantom investments” passing through “empty corporate shells” as opposed to being used for “real business activity”

Phantom FDI now accounts for about $15trn (£12.1trn) globally according to a recent study from the International Monetary Fund (IMF) and the University of Copenhagen’s Center for Economic Behaviour and Inequality.

世界のペーパーカンパニーに「奪われた税収源」、15兆ドルに(Forbes)

「15兆ドルは、世界の海外直接投資(FDI)全体の40%に相当する金額だ。FDIは同じ親会社の傘下にある企業間で国境を超えて行われる投資(送金)のことを指し、もともとは投資先の国・地域の経済成長と雇用創出を促進する手段とされてきたものだ。

だが、報告書によれば、各地の事業実態のないペーパーカンパニーには、FDIの形を取った「ファントムキャピタル(架空の資本)」がつぎ込まれている。こうした送金は、ある種の「金融工学」を用いて納税を回避するための方法だ。」

「報告書はその他、各国政府や金融機関は「ファントムキャピタル」によって、FDIが経済成長に与えている影響を正確に把握することが困難になっていると説明。さらに、驚くべき事実として、「15兆ドル」がドイツと中国の国内総生産(GDP)の合計に当たる金額であることを指摘している。

IMFは今後、こうした架空のFDIに関する新たな調査結果を発表する予定だ。個別のFDIについて、それらが「ファントム」であるか、実際に地域経済の支援に役立っているかを明らかにするものであり、注目すべき報告となる。」
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